第二十二歩仲間の様子がおかしいため、本音を聞こう
ええと......どうしてこうなった?
状況を確認しよう。
今僕は部屋でリーネと二人っきりだ。しかもバスタオル姿の。
健全な思春期男子としてここは素直に喜ぶべきか?
というより、何で?
そもそも今回の依頼を寄越して来た辺りからリーネの態度がおかしかった。
「私じゃ......不満?」
リーネが真っ赤な顔を更に赤く染め、涙目で言ってきた。
かわいい。
素直にそう思う。
けど......
「リーネ、僕らは仲間だよね?そろそろ本音を話してもらいたいのだけど」
リーネは「ハァ、やっぱりダメかぁ」と一つため息をして、僕の隣に腰を下ろした。
顔は真っ赤なままで。
「そろそろ服着てくれないかな?その......目のやり場に困るんだが......」
「見ないでよ、この変態」
リーネはわざとらしく両手で胸の辺りを隠しながら言った。
「そっちが見せて来たんだろ!」
責任転嫁にも程がある!
僕は自分の着替えのロングコートをリーネに着せた。
まさか自分のオタク趣味で王都の仕立て屋に注文した特注品を絶世の美少女に着せる事になるとは......
そう考えると、別の意味で目のやり場に困るな......
「王都に着いたら、私、向こうの王子と婚約するのよ」
リーネが結婚?まあ、王族としては普通だろうな。
「相手はどんな人?」
親しい人が結婚するともなると、相手が気になるのは当たり前だ。
「どんな人だと思う?」
そう言われてもな......こっちは会った事も無いし。
いや?リーネの行動からして......
「なるほどね」
「分かってるくれた?」
「大体は」
リーネの行動は、どれも僕を誘惑するためのものだった。つまり僕に既成事実を作らせたかったという事。
更に言えば相手の方はそうしてまで嫌な奴だという事。
「今回の依頼は、正確にはあなたに婚約を阻止してもらいたいのよ」
「具体的にどうすれば?」
「向こうの王城で私をもらうと宣言して」
「難易度高くない!?」
魔王と戦う時よりも勇気いるよ‼
「何も僕がやらなくても......」
他にもやり方はあるでしょう。
「事の重大さが分からないの?そんな簡単にどうにか出来たらとっくにやってるわ」
そう言われるとそれはそれで何か絶対に僕を頼りたくないと言われてるみたいで複雑だな。
「お願い、ユウしか頼れないの」
リーネは勢いよく僕に抱きついて来た。
あまりにも突然の出来事に僕は混乱した。
コート越しに伝わって来るリーネの体温と心地よい柔らかさ。
女の子特有のいい匂い。
理性が......飛びそう......
そんな時だった。
「いんちょー、リーネ姉ちゃんこっち来なかった......って、何してるの!?」
ノックも無しにセリスが入って来た。
しまった、リーネが入って来た時鍵掛けるの忘れた!
「どうしたの、セリスちゃん大きな声出して......って、マスター!?」
「ちが、これは......」
「おやおや、リーネさんに先を越されましたか」
「サラまで......」
さてはリーネ、計ったな!?
「これで後には引けないわよ?」
リーネは僕の耳元でそう告げたのだった。




