鬼はここっ!
西暦3500年。
一度文明が滅んでしまったことのあるこの世界には、かつて栄えていた文明のことを知っている人間は誰もいなかった。
知るための手段はさまざまあるのだが、そのうちの一つに、超能力と呼ぶべきようなものが使われることが多いのが、この時代である。
「これは……桃よね。それに、おじいさん、おばあさん、少年、3つのだんご、3匹の動物、悪い鬼がたくさん」
リーディング。14歳の麻里奈は、その能力の持ち主なのだ。
そして、透視したその遺物とは、「きっとかつては童話かなにかのようなものだったに違いない」と見当をつけていたのだった。
しかし、分かったことといえばそれだけであり、それ以上のことはさっぱり分からなかった。
分からなかったからこそ、これから、「この職場の問題児たち」によって、めちゃくちゃな童話が「再生」されてしまうのは分かりきったことである。
だからこそ、麻里奈は救いが欲しかった。
救い。
普通の人間。
それが現れた。
普通の価値観を持ち、ありふれた道徳観を持ち、それでいてほどよい勇気を身につけた一人の少女。
大月さくら13歳。
「さくらちゃん。がんばって。あなたなら、きっと良い方向へと導いてくれるはず。……童話も、職場も、それから、……わたしたちのことも」
一度文明が滅んでしまったことのあるこの世界には、かつて栄えていた文明のことを知っている人間は誰もいなかった。
知るための手段はさまざまあるのだが、そのうちの一つに、超能力と呼ぶべきようなものが使われることが多いのが、この時代である。
「これは……桃よね。それに、おじいさん、おばあさん、少年、3つのだんご、3匹の動物、悪い鬼がたくさん」
リーディング。14歳の麻里奈は、その能力の持ち主なのだ。
そして、透視したその遺物とは、「きっとかつては童話かなにかのようなものだったに違いない」と見当をつけていたのだった。
しかし、分かったことといえばそれだけであり、それ以上のことはさっぱり分からなかった。
分からなかったからこそ、これから、「この職場の問題児たち」によって、めちゃくちゃな童話が「再生」されてしまうのは分かりきったことである。
だからこそ、麻里奈は救いが欲しかった。
救い。
普通の人間。
それが現れた。
普通の価値観を持ち、ありふれた道徳観を持ち、それでいてほどよい勇気を身につけた一人の少女。
大月さくら13歳。
「さくらちゃん。がんばって。あなたなら、きっと良い方向へと導いてくれるはず。……童話も、職場も、それから、……わたしたちのことも」
プロローグ
2017/12/21 12:49
(改)
1 麻里奈のリーディングは未熟だった
2017/12/21 13:32
(改)
2 大月さくらの初仕事は盗み聞きだった
2017/12/21 17:00
(改)
3 だから二人には任せられないのだ
2017/12/22 10:09
(改)
4 しかし問題児たちは童話を完成させてしまったのだ
2017/12/22 10:32
(改)
5 大月さくらの童話
2017/12/22 11:05
(改)
6 麻里奈はそれでいいと言う。私もそれでいいと思った。
2017/12/22 12:05
(改)