第四十七章 誰が考えたんだ
「パン」
ダメおやじは手を合わせた。
ダメおやじは言った。
「ごちそうさまでした。さっきの話だが残
り93人は治してやっただろう。」
そうだ。
たしかに。
こいつは壊れて使い物にならない部下93
人を治した。
正確にはこいつが連れて来た。
白い服を着た。
髪の白い美しい少女だ。
名前はベータゼロワンセブン。
名前なのかって名前だ。
どこから連れ来たのか。
だが驚いたのは。
人間に見えるその少女が。
まさか。
まさかの。
天使だって事だ。
悪魔が天使を連れてきた。
なんだそれは。
映画のタイトルのような話だ。
ある意味ブレイクしそうだが。
まあそれぐらいこの少女は美女なのだ。
天使と言うのはだてじゃない。
そして天使の少女は部下を治した。
だがその部下はこいつの記憶がダメおやじ
の記憶がまったくなくなっていた。
つまり問題がある記憶を消したのだ。
あると無理って話だからしかたがないが。
どうやらトラウマになっていたみたいだ。
それはしかたない。
しかたないが。
それだけじゃない。
天使の力はそんなものじゃない。
天使の力の副作用で。
悪いものも治してしまった。
病気や怪我だけでなく。
人が丸くなったのだ。
これは一種の改造だ。
人格改造。
結局組織では使い物にならなくなり。
表の仕事をさせる事に。
これはどう言ったらいいか。
優秀な裏の部下がいなくなり。
優秀な表の部下が手に入った。
さしひきゼロ。
なんてわけがない。
もっか裏は人手不足だ。
だから文句があるが。
治しただろうと言う事に関しては文句が言
えない。
最初に単に治せと言ったのだ。
しまった。
誰がこんな事になるとわかる。
言葉は考えないといけない。
だからこれで文句を言うと。
クレーマーになってしまう。
それに悪い事した時の記憶も修正されてい
る。
下手に有ると自殺する可能性があるからだ。
ただしこれから悪くならないわけじゃない。
しかし元に戻すのは無理だ。
とりあえず。
今回は終わりだ。
こちらの負けだ。
ありえない乱入者によって。
まさかモザイク顔の子供が乱入するなんて
誰が思う。
とりあえず。
誘拐した子供の近くにそれらしいのがいな
いか調査する必要があるが。
やはり子供だ。
顔は隠してるがそれ以外はわかる。
ダメおやじなら人の記憶を見れるからな。
服装でわかるかもしれない。
やつの娘の近くにその服装の子供がいるか。
いたら。
だいたい同じ服装のやつなんてめったにい
ない。
確定のようなものだ。
そしてこちらでは。
メアリーの家では。。
小学生のメアリーは家に帰ってきた。
ただ明日は警察での説明で学校は休まない
といけない。
記憶に残ってる事はあまりないがそれでも
協力しないといけない。
またあの工場に行くのだ。
そして。
今は父親と話をしている。
父は言った。
優しく。
「メアリー私が言いたい事がわかるかな。」
「はい。」
「では言ってみなさい。」
「誘拐された事です。」
「メアリー私の可愛い娘よ。私はね誘拐さ
れた事を言いたいんじゃない。わかるかい
。」
「はい。」
父は言った。
あくまでおだやかに。
「なら言ってみなさい。」
メアリーは言った。
はっきりとした口調で。
「私が目立つから学校への車での送り迎え
を止めて欲しいと言った事ですね。」
「そうだ。わかっているじゃないか。おま
えが賢い子でパパは嬉しいよ。だから私は
おまえの意見を尊重した。何故だかわかる
かい。子供にだって付き合いがある。それ
を尊重したんだよ。」
「はい。」
「なら私の言いたい事がわかるね。」
「はい。」
「おまえにはこれからは学校には車で送り
迎えをする。それはおまえの為でもあるん
だよ。今回の件はパパにもいい勉強になっ
た。」
「はい。」
「いい子だ。それと助けてくれた妖精だが。」
「はい。」
「いいかい味方と言うのは一人でも多い方
がいい。一人でもだ。それに私は気にいっ
た。その妖精はボランティアじゃないと言
ったんだね。」
「はい。」
「ただで動くやつ程信用できるものじゃな
い。それはいつも教えてるね。」
「はい。」
「ならその妖精と上手契約しなさい。お金
の事ならパパも協力するから。」
「はい。」
「但し。何があったかパパにきっちり報告
するんだよ。」
「はい。」
「いい子だ。」
「ならもう休みなさい。今日は疲れただろ
う。」
「はい。」
メアリーは部屋から出て行った。
男は言った。
「妖精だと。妖精誰が考えたんだ。フハハ
ハハハ。とりあえず様子を見るか。あいつ
の勉強になるかもしれないからな。」




