第四十五章 悪魔の秘密
ダメおやじは考えていた。
何を。
それは。
モザイク顔の子供の事だ。
子供だとすごく驚いていたのだ。
笑ってはいたが心の中は別だ。
悪魔は本当の顔は見せない。
いつでもだ。
そういつでも。
時にまったく逆の顔をする。
だから悪魔なのだ。
だからマスターにいいように
思われないが。
帰ってきたやつの頭を覗いたのだ。
残念ながら契約上この男の仮の
マスターの頭の中は覗けない。
あの男と仮に契約したのはダメおやじと
呼ばすだけじゃない。
本当の目的がある。
その為に仮契約をしたのだ。
悪魔は人の感情を食べる。
子供が死ぬと思ったこいつの感情は
実に美味であった。
考えていたのは。
仲間を引き連れてやってきたモザイク
顔の子供。
しかも女。
銃を持っていたがやられてしまった
仲間。
ダメおやじは思った。
よくぞ戻ってきたものだ。
よほど用心深くないと。
やられていただろう。
変わり者と聞いていたが。
悪魔の召喚には条件がある。
一つは知識それがないと無理だ。
もう一つは願いだ。
もう一つはその者の命の力だ。
これを考えると子供は考えにくい。
考えられるとしたら。
召喚でないもう一つの方法。
ダメおやじは考えていた。
何を。
悪魔の世界の事だ。
これは悪魔の秘密だ。
悪魔は悪魔の事を喋る事が
制限されている。
悪魔の世界は非情だ。
生まれた時に能力が決定する。
これは変わらない。
そして能力の低い者は落とされる。
落とされたやつはドロッパーと
呼ばれる。落ちこぼれだ。
ドロッパーが落とされるのは人間の
世界だ。
悪魔は人間に害を与えると恐ろしい
やつらがやってくる。
この知識は召喚される者だけが
与えられる。
悪い事をして見つかったら。
ほぼ消滅させられるが。
マスターがいないものはチャンスが
与えられる。
そこで生き残って且つ
マスターを見つけられるもの。
どれだけの確率があるか。
ないないないないない。
ない。
ほぼない。
いやまったくないと言っていい。
救済なんて嘘っぱちだ。
デタラメだ。
時間とともに力を奪われ。
消滅に近づいて行くと。
動けなくなる。
これもわからない。
本当にいんちきみたいな話だ。
助ける気はほぼゼロだ。
だからその状態でマスターを
見つけられる者はほぼいない。
そして力を望む強い願いだ。
それを持つ者。
呪いにちかいかもしれない。
でないと悪魔の声が聞こえない。
気配がわからない。
そんな都合のいい状況は
考えられない。
そして悪魔の能力だ低い。
ドロッパーなので能力が低い。
あたりまえだ。
能力を上げるには人間の魂が
いる。
子供がどうやって。
しかも単に人を殺せばいいわけではない。
そんな事をすれば悪魔の能力を失う。
特殊な条件のもと人を殺す事ができる。
非情に難しい事なのだ。
だから召喚した悪魔の能力は高い。
レベルアップなど考えてないからだ。
そうでないとマスターの役にたたない。
ドロッパーと契約した人間は。
悪魔と人間の合体。
ダブルと呼ばれる者になる。
ただの悪魔つきじゃない。
ダブルの悪魔は人間が死ねば自分も
消滅するのでマスターを守る。
ダブルのやっかいな所だ。
やつは信じるだろうか。
その子供はおまえよりも多くの
人を殺してると言ったら。
そう殺しているのだ。どれだけ。
それはすごい数だ。
なんだ。
なんだ。
なんだ。
これは。
面白くなってきた。
面白くなってきたぞ。
すくなくとも退屈しないで
すみそうだ。
私はこいつがどうなろうと
どうでもいい。
いや一つだけ困る事があるが。
それはなんとかなる気がする。
ダメおやじは誰もわからない
程度に笑った。
そう悪魔は感情を人に見せないのだ。
そして男は考えていた。
何を。
俺の父は契約に俺の命を
かけていたのか。
知らなかった。
複雑な気分になっていた。
そういえば父はダメおやじと言うのを
ためらった事はなかったな。
やはり父はすごかった。
だが同時に思った。
何故教えてくれなかったか。
人を驚かすのが好きな人だった。
まだ生きているが。
どれだけ驚かされたか。




