夢に見た、のです。
……読書しましょう。
いや、寝よう。
ちょっと驚き過ぎて疲れました。
おやすみなさい。
「薔薇って綺麗だよね」
「そうだね」
私は笑う。
私と喋っている人の顔が見えない。まるで靄がかかっているかのように黒い。
わからない。
だれ?
そう思っていても、夢の中の私は楽しげにその人に向かって笑う。
「花も綺麗だけど、でも。」
「やっぱり外には出たくない?」
「……うん」
外は怖い。
外に出ると、足からなにかが這い上がってくる。恐怖、なんだろうか。
足が竦む。
一歩も歩けなくなる。
そして
吐き気もしてくる。
頭もがんがん痛くなる。
身体ががたがたと震え出す。
自分でも、客観的に見て、この状況が外が嫌いだから、という理由からなるものではないと分かっている。
分かっていても、何故こんな風に自分の身体が外に対する拒絶をしているのか本当にわからない。
「そっ、か」
悲しそうな微笑みをしたのが分かった。顔が見えないはずなのに。
何故か分かってしまった。
「ごめ、んね」
なんで私じゃなくこの人が謝るのかわからない。
なんで?
なんでそんな苦しそうにしているの?
貴方は……だれなの?
「花奈様?」
「……」
朝霞さんの声で目が覚めた。
するりと朝霞さんの手が目に近づく。
「泣いていたのですか?」
涙が出ていたのかな。
泣いた覚えは全くないのだけれど。
「そう、みたい」
……あの人は、誰なんだろう。
先生?いや。違う。
先生は髪が茶色だった。
あの人は。
黒だった。




