あらら?ですよ。
太陽の光が燦々と輝いている。それを日傘でブロックしながら、私は歩く。歩く度に、サクサクと芝生の音がする。
いい音だな。
……ふぅ。
わかった。わかりました。理解しました。というか、この状態、おかしいと気づいた方は素晴らしい。
日傘を。私が(・)持って歩いているのです。朝霞さん無しで。
そして私も気づきました。
なるほど。
流石のお父様も、平等と謳い文句のある学園にボディーガードさんたちを潜り込ませることが出来なかったのか。
そりゃあ、他の家も自分の子供が可愛いから、ボディーガード入れたいからねぇ。お父様がボディーガードいれたら、他の家も我も我もと言ってきて、混乱するからねぇ。
……さてさて。なんで私がこんなことを言うのかと言いますと。
そのーですね。えっと、迷子になりました。
……おかしい。私はきちんと地図を見ていたはずなのに。
ボディーガードさんいないから戻れない。
ケータイは、教室の机の上に乗せた鞄の中に置いてきた。
……なんで私、ケータイを携帯してないんだろう。いや、ダジャレじゃなくて。
うーん。これからは携帯することにしよう。これは迷子になったとき困る。
はっ!!
入学式。
新入生。
迷子。
となれば次は?
まさかの攻略対象者との出会いですか!?
そうだったそうだった!!ここら辺って、あれじゃないかな?ヒロインが攻略対象者と出会った場所じゃない!?
いや、私は平凡が目標なのです。恋愛なんてノーセンキューなのです。
というわけで。
逃げますっ!!!
走ることがあまりできない虚弱体質ですが全力疾走しますっ!




