邪魔されました。
はっ、私の引きこもり生活より今はお父様だ。
いつの間にかいなくなっていたお母様。
キョロキョロと探すと、お母様は話が長いと有名なおじさんに捕まっていた。
……あらー。
朝霞さんに聞こうっと。
「おい」
あれ?朝霞さんどこ行ったんだ?
「おい!」
なんだ!さっきからうるさいな!
しかもなんで腕組みして私の前にどん!って感じで立ってるんだ。
「さっきから呼んでるだろう!なんで返事しない!」
ふぁ?
なんって高飛車。
さっきまではムスッとしていた癖に、いまは私と同じような身長のくせに私を見下ろすように見ている。
いや、私が下に思われているのか。
この子の両親、さっきの優しい夫婦はどこかに行ったようだ。
おいおい、なんでこの子を放置して行く……。
ちなみに言うと、この子の両親がここにいたら、私への態度が不敬ということでこの場から連れ出されていることだろう。なぜなら。この国は名前で階級がわかる。王族は桜帝。その次に高い階級で一、二、三、と続いていく。
私は一樂。
王族の次に偉い。
そんな私に、いくら子供と言えども数付き貴族。
責任はのしかかってくる。
……たしか、もう勉強してるはずなんだけどなぁ。




