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膝枕なんて、むしろウェルカムですよ。
「ん……」
なにか、暖かい。
「起きて」
懐かしい。なんでこんなに懐かしいのかな。
目を開ける。
目の前には殿下が。
……デジャヴ。
「あ、の?」
戸惑いながら声をかけると、殿下は笑ってくれた。なぜかそれに安心する。
「倒れていたから、ここに連れてきたんだ。僕の膝枕はお気に召してくれたかな?」
「あ、はい」
とてもぬくぬくでした。
膝枕は、お父様もお母様もしてくるので、あんまり恥じらいがありません。前世でも、パパとママ、それから先生もしてくれた。
「さぁ、そろそろご両親が来るからその前に聞きたい」
「はい?」
真剣な顔で、殿下は言った。
私にとって爆弾を落とした。
「久しぶり、唯ちゃん」




