そんな過保護な両親が大好きです(てれり)
え、なにか美少年に抱きしめられているのですが。
なにか美少年に抱きしめられているのですが!!
なぜですかすっごくびっくりしました。
そしてお母様とお父様が修羅のような顔しているのですが!?
あ、知らない人に抱きしめられているからか意識が遠くな……る……。
「殿下!」
「花奈ちゃんから離れてくださいませ!」
お父様とお母様の必死な叫び声に、飛びかけていた意識が浮上する。
「はっ」
「花奈ちゃんって言うんだね、第一王子の悠紗です。よろしくね」
すっと身体を離され、手を出される。
「握手してはだめ!」
「天使が男に触られるなんて!!!」
えぇぇ、そんなことで修羅のような顔してたんですか!?
私に男が触れられるのがいやだったんですか!
えぇ、どんだけ過保護……。
でも、お父様お母様に大切にされているとわかって、とても嬉しい。
「相変わらず過保護で」
「天使は美しくなければ。私の目の黒いうちは男になんて触らせない!!」
過保護にも程があるだろう、と横に立っていた殿下がお父様に聞こえないように呟いた。
うん、わかる。
お父様もお母様も私のことが大好きすぎる。知っている。そんなところも大好き。
えへ、大好き。




