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平凡が目標です  作者: 黒猫姫にゃお
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せめて、せめて肉球にぎにぎさせてくれませんか。

にゃんこをもふもふしながら、考える。


この子の名前、なんだったかなぁ、そんなに本では出てこなかったから憶えてないや……。


せめて首輪とかに名前ついてたら、とにゃんこの首輪を見ても高そうなりぼんの首輪がついているだけで、名前は書いてない。


「にゃー」


ごろり、とお腹を向けて寝転ぶにゃんこ。まるで早く触れよ、と言っているかのよう!!


いや、言っている!!

では遠慮なく!


もふぁもふぁもふぁもふぁ


ふぉぉぉ、なにこの子、サービス精神素晴らしい!お家に連れて帰りたい……!なんって罪な愛らしさ!私は最早この子の可愛さにめろめろきゅんきゅんだよ!え?古い?知らねぇよ!この子の可愛さの前では全てがどうでもいい!!


「にゃーぉ」


一鳴きしたあと、にゃんこは起き上がって私から離れていく。

うぇぇ、行ってしまうのですかにゃんこ様!せめて!せめて肉球をにぎにぎさせてくれませんかっ!!


「みゃー」


少し歩いたあと私の方へ振り向き、じゃぁな、という感じに一鳴きしたあとにゃんこ様は颯爽と去っていきました。


あぁぁ、行っちゃった……。

お父様の仕事場見学行きますかぁ……。


とぼとぼと私は歩いて行く。


お母様とお父様に今度、にゃんこ欲しいっておねだりしようかなぁ。

うんそうしよう。



さてさて?

お父様の執務室はどこだろうか。

人一人も通らないんだけど。聞けないんだけど。


地図はっと。


ごそごそ


……


ごそごそ


……ありゃ?

あらら?

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