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うじむし69




 ちょっと前まで居たというのにもう帰って来ました地下3階。

 地下3階よ、私が来た!


 段々とボブスレーにも慣れてきて、かなり上手に滑れるようになってきた。

 どうやらあのコスプレイヤーズはまだ追い付いて来ていない模様。なら私はさっさと仕込みを済まさせて頂こうかね。


 コウモリヒル達が追い付けないスピードで滑走し続ける私、なんて華麗なんザマしょ。

 素早くターン!

 ロールを決めてトリプルアクセルゥ!

 ふははは! その内ボブスレー世界大会に出場出来るかもね!


 でもその時の為にはまずルールを知ることと、自分の体で滑らないようにすることからかな。


 そして仕込みは着々と進みつつある。

 フッフッフ、強力な個を倒すにはどうすればいいか分かるかね、システムさん。


 ……まだ返事はないか。

 おのれ、今回は理由が分かってる分、怒りもぴったりと矛先が向いているぞ! コスプレイヤーどもめ!


 強力な個を潰す方法、最もシンプルなのは人海戦術だ。戦いは数だよ兄貴、ということである。

 個が疲弊して動けなくなるまで攻め立てればいい。

 そしてここには天井にびっしり張り付いた空飛ぶヒルが!

 ボブスレーでモンスタートレインして擦り付け、これが仕込みの全容だ。


 あのメンバーには女性もいたようだし、キモいヒルに恐れをなして逃げようとするに違いない。

 我、勝利を確信せり!


 しかし、慣れてきて来たのは良いんだけど、周囲を確認する余裕が出てきたせいか、若干酔ってきたな……。

 こういうのって遠くを見るようにすればいいんだっけ?

 でもコースを即興で作ってる以上、周囲の安全確認はマッハでやらなきゃいけない訳で……。

 うぅ、頭いたい、気持ち悪い。


 ……あれ、これ、ボブスレー酔いじゃなくない?

 なんか、もっと最近体験した具合の悪さ、そう、あのグロスギゲロハキカタツムリと戦って、色々カッツカツになった時みたいな。


 いやまさかね、だって私、特別なにかを使いまくったりしてないもん。

 強いて言うなら、ボブスレーのコースの為に『氷寒魔法』を使い続けていることと、ずっと氷にお腹を擦ってるから流石に擦過傷と凍傷気味かなってことなんだけど、それは『再生』で片っ端から治してるし……。


 あぁ、そういや『再生』ってSP消費が激しかったっけ。

 なんか妙に怪我の治りが遅くなってきたなぁと思ってたら、SPが不足してるのか。はっはっは、いやぁ失敗失敗。

 ん、じゃ待てよ? 私って今HP減り放題ってこと?

 冷たすぎて痛覚麻痺してきてるから分からんよ?


 いつもならHPやMPがレッドゾーン入るとシステムさんが教えてくれるから、自己管理がガバガバになってたわ。

 ちょ、不安になってきた、ステータス開かなきゃ。




《ステータス》


名前:白氏 瑠璃

レベル 9

種族:ミュータントマゴット


HP:30/220+150

MP:142/2600+200

SP:0/300+100


攻撃力:99+51

防御力:180+85

素早さ:80+10


スキル

N:『タフネス』『嗅覚』『吸血』『建築』

R:『腐食性血』『過食』『感知』

  『念話』『狙撃』『丸飲み』『再生』

HR:『魔術知識』『言語理解』『欲望喚起』

  『氷寒魔法』『経験則』『腐蝕耐性』



称号

『システムと相思相愛』『共食い』『神肉食』



カルマ値:80




 SP0……SP0!?


 ほァい!? 回復手段無くなってんじゃん!

 ていうか、SPってゼロでも結構動けるんだ。

 いや今の私ほとんど動いて無かったわ。氷上を滑走する舞姫なだけだったわ。


 いやでももう無理!

 滑るだけでHPが減るダメージゾーン(お手製)で私のライフがヤバイ!


 急遽コースを変更、氷のコースを目の前の巨大キノコに突っ込ませた。

 ずごむ、と鈍い衝突音が体に響く。


 ぐふっ、イッタイわ。


 けど、床や壁に激突するよりかはマシ、だったかな。

 あ、HPが2も削れてら。


 ハッ!? 今ならコウモリヒルの攻撃でも死ねる!

 やばい、これってピンチじゃ……。

 あれ、雲霞の如く群れていたコウモリヒル達が、いっせいにどこかへ向かっていく?


 あぁ、私の血は『腐食性血』だから吸えないもんね。恐らくコスプレイヤー達が入ってきたから、そっちに向かったのかな?

 ならば作戦は成功したということか。フフフ……これが人間の知恵というものだよ、コスプレイヤー君達、まさか卑怯とは言うまいね?


 取り合えず休息できそうだ、良かった。これ以上のダメージはホント洒落にならない。死ねる、現在進行形で綺麗な川の向こうでおじいちゃんとおばあちゃんが手を振っているのが見える。

 うふふ……そっちは温かくて気持ち良さそうだねぇ、おじいちゃん、おばあちゃん。


 だがまだ死ねぬぅ、|システムさん(愛する男)と添い遂げるその時まではァ!

 その内旦那 (になるであろう男)と一緒にそっちに行くから待っててねェ!

 はぁ、はぁ、よし、テンション上げて頑張って参りましょう。


 と言っても頑張ることは体を休めてHPやMPなんかを回復させるってことなので、テンション要りませんね。

 ふぅ、まず落ち着いて、大きくて安心するキノコの陰に身を隠すことにしましょ、そうしましょ。


 SPゼロで息も絶え絶えな体を引きずって、なんとかキノコの陰に隠れた時、3階層と2階層を繋ぐ階段付近で大きな水の柱が噴き上がった。


 げぇーーッ!? 必死こいて集めたコウモリヒル達が相手にならないだと!?


 しかも私がさんざん『氷寒魔法』を使いまくった3階層であれだけの水魔法を放つ?

 バカな、あり得ん!

 魔法は無から有を産み出す技術じゃないんじゃなかったのか? あれ明らかに何もない場所から水を引っ張り出してますよ?


 こういう時こそシステムさんに頼りたいんだけど、脳内砂嵐は止まず、声は聞こえないままだ。


 何が起こっているのか、どうしたらいいのか分からないままマゴマゴしている内に、集めまくっていたコウモリヒルは鎧袖一触と全滅させられていた。


 おいおい、3階層がモンスターの存在しないセーフティーゾーンと化したぞ……。

 あ、まだ私がいるか。でも私は悪いウジムシじゃないからノーカンだな。

 ただし正当防衛においては私も歯王症酵拳はおうしょうこうけんを使わざるを得ない。そんな技無いけど。


「そこに隠れてんのは分かってんだぞキモムシ野郎! 俺は雷属性に特化した能力を持っている。魔物が発する電磁波を読み取るなんて朝飯前なんだぜ?」


 叫んだのは虎鎧か。能力をべらべら喋ってくれるのは有りがたいけど、今はMPは枯渇気味、SPに至ってはゼロ。活用できるだけの手札が私にはない。

 ていうか魔物の発する電磁波って何だ? イミフ。


「敵に伝えるのはどうかと思いますが、私は風の力です。空気の振動からアナタの位置は丸わかりなんですよ」


 虎鎧釣られたのか、鳥鎧まで能力を喋りだした。

 コイツは女性か。だからなんだって話だけど。

 二人の話から察するに、各々特化してる能力が有るってことか。多分、魔法の属性によって分かれてるな。

 火や水は見た、土や氷なんてのもいるのかな? 氷はダメだ、私と被る。


「出てこねぇのか? じゃあ仕方ねぇな、ここいら一帯、消し炭に変えてやらァ!」

「おい、俺たちも巻き込まれるだろ、いい加減にしろ!」

「そうだよ、そもそも僕が一番先だって言ったでしょ!?」

「あぁ? そこはもう早いもの勝ちで良いだろうよ?」

「……下らねぇ」

「んだとコラ狼野郎!」


 お? なんか勝手に仲違いする雰囲気? 待ってれば自滅するかな?

 いやいや、楽観的に考えるのは止そう。相手に合わせてどう動くか、今に内にプランを練っておかなきゃ……。

 もう、システムさんさえ無事なら、話し合って最善案が出せるのに!



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