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うじむし52 しでむし10




「さっきのカタツムリの化け物みたいなヤツは、ミミックの超特異個体みたいなもんでね、本来僕のレベルのダンジョンには居ちゃいけないんだよ。だから生徒の立ち入りを禁止していたんだけど……、まさか、あれ以外にも特異個体が発生していて、協力して撃退しちゃうなんてねぇ」


 などとダンジョンマスターの金髪おかっぱは言っていた。

 撃退したというが、あのヤマタノカタツムリが逃げた跡が何処にもない。

 まさか、ダンジョンマスターの力で葬り去った、とか無いだろうな。


「まぁ、僕のダンジョンはちょっと強引にレベルを抑えているからね、そういう歪みが出てきちゃうのかもね」


 そちらの都合なんて知らん。

 俺を引きずり出した理由はなんだ? まさか、ただ話をするだけじゃないだろう?

 それだけだとしても、有り難いけどな。敵の情報は多ければ多いほど良い。


 例えば金髪おかっぱが溢したダンジョンの歪みという話。上手く使えば俺の武器にも成り得るだろう。

 これは覚えておこう。


「……ん、あぁ、分かったよ、君は本当にうるさいなぁ、たまには会話を楽しむくらい、あーもう、はいはい、さっさとするって」


 金髪おかっぱが虚空を睨み据えてため息を吐いた。

 この場にはまだ何かいるのか? 俺が存在を関知できない何かで、ダンジョン内でダンジョンマスターに指図できる力を持つ者……。


 うじむしが何だか苛立たしげに尻尾をビタビタしている。

 うじむしと話していたのか?

 くそ、判断材料が少なすぎるな。


「えっとね、本来僕がどうにかしなきゃならなくて、どうにも出来なかったところを、君たち二人に何とかしてもらいました、本当にありがとうね。つきましては、スキルと、通常より多目の経験値をプレゼントさせていただきまーす」


 ……なんなんだ、コイツのこの軽さは。

 貰えるものなら貰うけどな。お前がくれたスキルでお前を倒すのも悪くない。皮肉が効いていていいじゃないか。


「えーっと、ルリちゃんはどうしよっか? チケットにする? ポイントにする?」


 金髪おかっぱがうじむしの方を向いている。

 やっぱりあのうじむしがルリチャンで合ってるんだな。

 コミュニケーションが取れるなら取ってみたいんだが……。

 そうだ、スキルポイントで『念話』とか取れないか?

 今のスキルポイントは……3800ポイントか。

 一時期は10000を越えていたというのに……、まぁ、ランクアップした『HP自動回復』が無ければカタツムリの体内で死んでたかもしれないんだけどさ。


 で、『念話』だが、Rランクのスキルだな。Rランクとはいえ、スキルによって必要なポイントは上下するが、『念話』に必要なポイントは5000もするのか……。

 これもうHRクラスだな。ここら辺のランクの差違はよく分からん。もしかしたら適正による個人差なんかもあるかもしれないし。


「うんうん、ルリちゃんはやっぱそっち選ぶよねー。じゃ、そこのビートル君はどうする?」


 どうする……と言ってもな、意思疏通の手段がない。

 うじむしの方は何とか出来ているみたいだが、俺にはその方法の検討が付かないんだよ。


「……あぁ、システムの補助がそっちはまだ充分じゃないのか。というか、ルリちゃんが異常なんだけどね。道理でずっと黙ってると思ってた。声を届ける手段が無かったのか。こりゃ失敬」


 本当にふざけた奴だな。

 こんなヤツに俺の家族が殺されたかと思うと、悔しくて情けなくなる。

 本当に、心の底から何も考えず、ただ意味もなく殺したんだってことが分かる。


 だが、まだ怒りは抑えろ。

 コイツの話の通りなら、これから俺の思考は駄々漏れになる。

 滅多ことは考えられない。

 通りすがりの、ちょっと珍しいモンスターくらいの感じで行っとこう。


「あー、あー、テステス、繋がったかなー? ビートル君、聞こえてる? 聞こえてるね。よし説明だ」


 はい、聞こえてますよ。お願いしますね。


「お、礼儀正しいね。じゃあ頑張っちゃおう。上げられるものは、経験値と、スキル何だけどね、スキルを取るためのポイントとチケットがあるのは分かるかな?」


 チケット?

 スキルはポイントで交換して獲得、または成長させていくものでは無かったのか?


「んあー、それでも間違いないんだけどね。ポイントは堅実にそれができる感じ。チケットは、当たり外れが大きいかな。もちろん、どっちも一辺にってのは無しだからね」


 なるほど、チケットはソーシャルゲームのガチャみたいなもんか。

 確率も不明っぽいし、そもそもどれくらいのランクが出るのかも分からない。

 ゲームならまだしも、生き死にのかかった現実の異世界でガチャを回す勇気は俺にはないな。堅実にいかせてもらう。


「じゃあポイントでいいね。奮発して10000あげちゃいましょう! ……え? あ、いいじゃん、君だってルリちゃんばっかり贔屓してるだろ?」


 また何かと会話を始めたが、どうやら俺は10000ポイントも貰えたらしい。

 以前は『HP自動回復』のランクアップに相当注ぎ込んだが、今回も色々出来るな!


 俺の主力である『擬態』『隠密』を強化するのでも良いし、今回活躍した『弱毒』を強くしても良い。


 あ、そうだ、『念話』は取ってみるか。

 もしかしたら、このうじむしだけじゃなくて、他の誰かと意思疏通する機会が、これから先あるかもしれない。

 その時に『念話』があると無いじゃ大違いだろう。


 現在13800ポイント。そこから『念話』の習得に5000、残りの8800は半分づつ『擬態』と『隠密』に割り振って、ランクアップに近づけておく。

 うん、これで完璧だな。




《ステータス》


名前:虹川 颯太

レベル 6

種族:プリズムビートル


HP:330

MP:200

SP:310


攻撃力:300

防御力:400

素早さ:210


スキル

N:『穴掘り』『発光』『弱毒』

R:『鑑定』『偽装』『隠密』『念話』

HR:『無魔法』『HP自動回復』


称号

『復讐者』『虐殺者』『狡猾な狩人』



カルマ値:85


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