うじむし31
ゴブリンと寄生虫を腹に収めて、さっさと移動しよう。
MPを使いまくったから、お腹はペコペコ。
お腹いっぱいになっても、また魔法を使えば食べられる、という寸法よ。
もしゃもしゃ。
ぱくぱく。
もぐもぐ。
ごくり。
――――……ごちそうさま。
こうして見ると、体も大きくなったし、食べるのも早くなったよね。
それでも相変わらず小さいんだけどさ。
移動しいたくても、のたくたのたくた、遅くて嫌になる。
持っているスキルも移動に応用できそうなの無いしなぁ。
『では、新しいスキルを取得なさいますか? ただいま、3000ポイントございますよ』
あれ、余りって1000ポイントくらいじゃなかったっけ? どこから2000ポイント湧いたんだ?
『人間を撃退しましたので。撃退はポイントが低く設定されています。もしも討伐できていれば、この10倍は手に入ったでしょう』
へー……人間すごいな、もしも倒してたら20000ポイントだったのか……。
……20000ポイント!?
マジで!? やだ、なんか勿体ない気がしてきたわ!
殺っとけば良かったかしら?
いやいや、私、体はウジムシでも、心は人間!
前の世では闇討ちしてきた暴漢をスタン警棒でノックアウトして、裸にひん剥いて、ぶら下がってるモンに踵落としくれてやったけど、敵対しなければ優しくできるんだから、基本的に。
……敵対してくれれば良かったのにナー。
まぁ、もう言ってもしょうがないね。
システムさん、3000ポイントで取得出来る範囲で、移動速度と成長に関するスキル、表示よろしくね!
『畏まりました。こちらになります』
Nスキル……100ポイント
『肥大』
『這いずる』
『転がる』
『跳躍』
Rスキル
『脱皮』……500 ポイント
『擬足』……1000ポイント
『膨脹』……2000ポイント
『過食成長』……3000ポイント
『過食成長』!
ついに“食”の名を持つスキルが出てきた!
これで『暴食』や『悪食』のゲットに繋がれば最高!
私の魔王ルートが開けて来たぞぉ! ハッハッハ!
『では、『過食成長』の獲得でよろしいですか?』
オッケー! システムさん、やっちゃって下さい!
『分かりました。3000ポイント利用し、白氏 瑠璃 はRスキル『過食成長』を獲得しました』
よし! ディ・モールトよし!
早速、効果を見てみよう。
・Rスキル
『過食成長』
食欲を増進し、自分の体積を超えた量を食べることが出来るようになる。体積を超過した分は、体の成長に使われる。
なるほど……。単純に食べれば食べるだけ大きくなれるという能力か。
Rスキルというけど、かなり強力なスキルなんじゃないだろうか。
『各ランクの中でも、ピンキリがありますからね。『過食成長』はRスキルの中でも上位のスキルなのでしょう』
まぁそうだよね。攻略本と『欲望喚起』じゃ必要ポイントが違いすぎるし。
しかし、『過食成長』を取るタイミングを間違ったなぁ、ゴブリンを全部食べてから取得するんじゃなかった。
これじゃ結局、次の獲物を見つけるまで、小さいままじゃないの。
とはいえ、ここでのんびり狩りをするのも恐いしね……。
視界の端に、氷漬けの腕が写る。
いやいや、いかんいかん。
あれはダメ。私が自分で作ったルールに反しちゃう。
仕方がない。
『欲望喚起』で獲物を呼び寄せて、チョッパヤで倒せば何とかなるだろう。
興味を引いてゆっくり呼び寄せる暇は無いと思うから、ここは本能を刺激して引き寄せるとする。
設定完了、『欲望喚起』発動っと。
さて、これで獲物が来るのを待つばかり…………。
ん?
地面が揺れてる……?
いや、これはもしかして、足音か?
ちらり、と音のする方を見る。
そこで見えたのは、土煙を巻き上げて走るゴブリン、ゴブリン、ゴブリン。
ゴブリンの群れだ!
皆、正気を失い、涎を撒き散らしながら、言葉にならない叫びを上げていた。
『欲望喚起』効き過ぎィ!?




