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うじむし30




『獲得経験値が一定の値を越えました。白氏 瑠璃 はLv. 5からLv. 7にレベルアップしました』



 男の人が女の人を抱えて走り去っていく。

 行け行け! もう来るな! と残った水分を凍結させて威嚇する。


 ふはははは! 逃げろ逃げろ! 氷に追い付かれるぞ! もう無理だけどな! 私って脱水症状なの!


 二人の背中が見えなくなると、戦闘終了扱いになったようで、レベルが上がった。




《ステータス》


名前:白氏 瑠璃

レベル 7

種族:ストレンジマゴット


HP:70

MP:1000

SP:100


攻撃力:23

防御力:50

素早さ:32


スキル

N:『射出』

R:『酸性血』『酸耐性』『氷魔法』『感知』

HR:『魔術知識』『言語理解』『欲望喚起』



称号

『システムと相思相愛』『共食い』『神肉食』



カルマ値:0




 あー、怖かった……。

 なんなのもう!


 いきなりゴブリンの体にナイフを突き立てられた時はどうしようかと……。


 多分、冒険者とかだったんだろうなぁ、それで、ゴブリンの死体を見つけて剥ぎ取ろうとしたんだろうね。


 会話は聞こえてたんだけど、肉の中にいた所為か、聞き取り辛くて殆ど意味のある言葉に聞こえてこなかった。

 理解できた単語は『学園』『ダンジョン』『調査』

 なんとなーく、だけど、重要そうだよね。


 あぁもう、もっと上手くできただろ、私。

 本当もう、失敗。


 隠れて会話を聞いて情報を集めたかったんだけど、やることが全部裏目に出たよ。

 やっぱりいきなり人間の話し声を聞いて、テンパってたんだ。


 ピンセットで摘ままれた時は生きた心地がしなかった。

 このまま、くちゃって潰されるんじゃないかと怖くなって、暴れてしまった。

 お陰でHP減るし、お腹に傷が出来て痛いし、散々だ。


 ……で、これどうしようか。


 いやー、勢いに任せてとは言え、初対面の人の腕を切り落としちゃうとはなぁ……。

 指先細いし、女の人の腕だよね。しかも、きっと若い。


 いきなりピンセットで挟まれてパニックになったとは言え、やり過ぎだ。

 咄嗟に傷口を凍らせて止血をしたけど、罪滅ぼしにもならない。


 取り敢えず、この腕は食べない。

 あの女性が取りに帰ってきた時のために、ここで冷凍保存しておこう。

 そうすれば、魔法がある世界のことだ、くっ付けることも出来るよね。


 あれ、そう言えば、凍らせちゃうと細胞が傷付くんだっけ?


 い、いや、きっと大丈夫。

 魔法だもの。いけるいける。


『瑠璃様、失礼ですが、そのような氷をイメージすれば良いのでは?』


 細胞が傷つかない冷凍保存?

 うーむ。魔法は私のイメージに沿って効果を発揮する。

 だから、『細胞が傷つかない冷凍保存』とイメージ出来ればそれが簡単なんだけど、人の思い込みと知識の偏屈さには困ったもので、こういうものなんだ、と思ってしまうとなかなか変えられない。


 冷凍保存=細胞が傷付くもの=魔法でも治らないかも。

 と思っていると、本当にそうなってしまう恐れがあるのだ。


 1%でも信じられないと上手く発動しない。でも、1%でも信じていると必ず影響が出てしまう。


 魔法とは実に面倒な性格をしている。


 だから日々のトレーニングが欠かせない。

 これはこういうものだ、と自分に言い聞かせて、それを信じることさえ意識しないくらい当たり前にしないと、魔法は上達しないのだから。


 なので、今からいきな私の思い込みの前提を覆して、新しい常識を信じ込むのは無理。

 次善の策として、時と場合に依るケース・バイ・ケースを発動します!


 これは、思い込みが激しく、一度イメージした

魔法に変更を加えることがドヘタクソな私が編み出した、抜け道。

 じゃあもう新しい魔法作ればいいよね。この魔法ならセーフっていう新しいルール作れば良くね?

 と開き直った私用の魔法技術なのだ!


『やり過ぎると、その分手札が減るような方法ですね。余りお勧めはしません』


 まぁね。私のイメージも無限じゃないし、というか全然有限だし、発想は貧困だし、想像も薄っぺらいけどね。

 今回はいいよ。仕方がないです。

 私がテンパってヤっちゃったのがいけないから。


『最終的な判断を下すのは瑠璃様です』


 うん、ごめんね。心配してくれてありがとう。


 さて、それでは先ずはイメージから始めましょう。

 イメージ元は最新の冷蔵庫。たしか、急速冷凍とかで鮮度をかなり長い期間保つことが出来る、というのが有ったね。


 氷で箱を作って覆い、その中で勢いよく冷気を吹き付けたらいけそうだよね。

 いや、いける。自分を信じろ。


 これは新しい『氷魔法』、急速冷凍ラピッドフリーズ。効果は凍らせたものの鮮度を新鮮なまま保ち、細胞を傷つけず生きたまま保存できる魔法! 勿論、魔法を解除した後の回復魔法は有効!


 よし、しっかり定義した。

 それでは女の人の腕に向けて急速冷凍ラピッドフリーズ

 あっという間に腕は透明な氷の箱に包まれ、凍り付いた。

 しかし、変色や硬直はない。綺麗に新鮮なままだ。


 うん、まぁまぁだね。


 結構魔力注いだから、感覚的には一週間は保つと思うけど……。

 それ以上なら知らん。


 向こうも私をピンセットでぎゅうぎゅうに挟んで押し潰すところだったんだし、これでお合いこってことで。


 まったく、くちからゴブリン肉が少し出ちゃったんだからね! ぷんぷん!



 バカやってないでご飯食べるか。

 腕を切り飛ばされた女の人たちが怒って直ぐにでも引き返してくるかもしれないし、無理矢理にでも急いで食べよう。


 それにしても、私、何時になったら暴食系のスキルを覚えられるんだろう?


 やっぱ一発チケット狙っていくしかないかなぁ。

 それとも、堅実にポイント貯める?


 進化があと二、三十回くらい残っていれば、悩まなくて済んだのに。


 倒してポイント、進化でチケット、が一番かなぁ……。


 はぁ、せめてチケットの確率が分かればいいんだけど。


『申し訳ありません。開示できない情報です』


 ですよね。



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