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うじむし18





 システムさんと思いが通じあった所で、スキルを手にいれた私の新たな《ステータス》は、こうなった。




 《ステータス》


名前:白氏 瑠璃

レベル 1

種族:ストレンジマゴット


HP:30

MP:100

SP:40


攻撃力:10

防御力:15

素早さ:15


スキル

N:『射出』

R:『酸性血』『酸耐性』『氷魔法』『感知』

HR:『魔術知識』『言語理解』



称号

『システムと相思相愛』『共食い』『神肉食』



カルマ値:0





・スキル

『射出』

 自分の体液を勢いよく発射する。



『感知』

 警戒の上位スキル。索敵範囲に入った対象の状態を知ることが出来る。



『言語理解』

 世界にある言語の殆どを理解できるようになる。既に失われた文字に関しては不可能。



・称号

『システムと相思相愛』

 世界の機能システムと思いを通じ合えた者に贈られる称号。ボッチの極み。

 システムから受けられる恩恵が常に最大限になり、また、システムと何気ない会話ができるようになる。




 まず一言もの申す。

 私はボッチじゃな――――いやボッチだったわ。


『瑠璃様、私がおります』


 ボッチじゃなぁあああい!

 そうだ、ボッチじゃない! システムさんがいて、ボッチなどと、断じて違う!

 イエスッ! イエスッ!

 私は幸福者だ……!


 ……よし、一旦落ち着こう。

 システムさんへの愛がオーバードーズすると何も出来なくなってしまう。


 一番に注目すべきは勿論システムさんのことなんだけど、次点として『言語理解』。

 これもしかして、システムさんが私のためにわざわざ仕込んでくれたんじゃないのってくらい、今の私に必要だった。


 そう、これで魔術大全が読めるようになったのだ!


 最初は一分半しか読めないだろうけど、『魔術知識』の効果で、魔術について理解すればするだけMPが上昇する。

 上昇率がどれだけか分からないけど、そこはHRスキル、期待してもいいんじゃないかな?


 もう早速喚び出しちゃう。

 実は“魔術大全”なんて響きに私の心は興奮で跳ね回っていたのよ。全く読めなかったから、その分凹んだけど。

 これでもう読めるのだ!

 あの分厚い本を前に我慢しなくて良いのだ!


 ふぅわぁははははは! 私は我慢をやめるぞシステムさん!



 喚び出した魔術大全は、相変わらず電子書籍のような感じ。

 でも、読める! 私にも文字が読める!



 ふむふむ。


 この魔術大全によると、魔術・魔法というものは、魔力によって引き起こされる変化のことを言うらしい。


 魔術・魔法……、面倒だから魔法で統一するか。

 魔法は、何かを産み出すことは出来ない。もともと有るものを変質させることで望む現象を引き起こすものである。

 変化の範囲、効率は魔法に対する理解と、注いだ魔力量に比例する、と。


 なんか難しそうに書いてあるけど、要は、無から有は作り出せない。勉強して魔力沢山になればもっと強い魔法が撃てる、と、そういうことだね。


 そっか、呪文を唱えていきなり何もない所から雷バーンッ! とかは出来ないのか。

 炎の魔法を使うときも、どこかに火種があればより良い、ということだよね。


 ん?

 でも私、昆虫を殺戮した時に辺り一面氷付けにしてるけど……。


 魔法がただ変化を起こすだけの技術なら、『氷魔法』とか『炎魔法』みたいなカテゴライズは必要じゃないんじゃないの?


 あ、違う。別の項に書いてあった。

 カテゴライズすることで変化の範囲を限定的にして、効率を高めているのか。

 ただの魔法として炎を出すのと、『炎魔法』として炎を出すのでは掛かる労力が違う。

 効率を高めることで威力も上がり、必要魔力も削減できる。だから魔法を分けることが必要だったのね。


 私の持つ『氷魔法』は魔力の働きかけを、温度を下げる、という方向に特化させたものであるようだ。


 氷付けにしたのは、周囲の気温を一気に下げて、水分を凍らせた、ということかな?

 少なくとも、不思議空間から氷を取り出してばら蒔いた、という感じでは無いみたい。


 まぁ、異世界じゃ魔法も自然の一部なんだから、そういうもんよね。

 もしも何もない所から魔力だけでポンポン色んなものを産み出せるんだったら、とっくに世界は滅びてそう。


 そこまで読んで、軽い目眩に襲われた。


 あぅ、魔力を使いすぎたか。読むのに夢中になっちゃったかな。


『獲得経験値が一定の値を越えました。白氏 瑠璃 はLv. 1からLv. 2にレベルアップしました』


 お、レベルも上がった。

 学ぶ、ということが経験値扱いされているとは嬉しいね。

 魔術大全を読めたのはほんの一部だけど、MPは少しは上がったかな?




《ステータス》


名前:白氏 瑠璃

レベル 2

種族:ストレンジマゴット


HP:35

MP:300

SP:50


攻撃力:12

防御力:20

素早さ:18


スキル

N:『射出』

R:『酸性血』『酸耐性』『氷魔法』『感知』

HR:『魔術知識』『言語理解』



称号

『システムと相思相愛』『共食い』『神肉食』



カルマ値:0




 は?

 あれ?


 魔力が三倍になってる?

 何これ、三倍アイスクリーム? 三倍アイスクリームを食べたの?


 『魔術知識』……っぱねぇ。



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