うじむし登場人物紹介 ※ネタバレあり 嫌な方はスルー推奨
登場人物紹介
(なお、本編に人間はほぼいない様子)
◆白氏 瑠璃 人間ver.
高校卒業間近の女子高校生。ストレートでロングな黒髪と切れ長の目。身嗜みと化粧には気を遣う清楚系喪女。クラスでは外見から高嶺の花と判断され、遠巻きにされていたが、自分が話しかけられないことを不思議がり、残念がっている所もあった。だがもしも話しかけられていたら、話の内容がオタク色で濃い上に他人との距離感が分からずグイグイいく為、もっと遠巻きにされていただろう。
ゲーム廃人であり、声優狂い。乙女ゲームと格闘ゲームをまぜこぜにしたようなゲームに嵌まっていた。嵌まりすぎて連日連夜寝不足であり、それが原因で不機嫌そうな顔になってしまい余計に人を遠ざけていたことを彼女は知らない。
ある日突然異世界に転生し、うじむしになっていたという奇跡レベルの不幸を体験中。
◆白氏 瑠璃 うじむしver.
ネズミの死体の上に湧いたうじむしの一匹がレベルアップと同時に自我を得たもの。異世界の人間の転生体であり、前世の記憶をはっきりと宿している。
最初は自分の生まれを呪っていたが、最近では割りと気にしていない。これを仕組んだ神がいるとしたら、文句言って一発殴って腐肉を口一杯に押し込むくらいで許せると思っている。
システムと呼ばれる異界の神の端末音声が好みの声優に似ていることから異常な愛を注ぎ、遂には交流を可能とした。
システムと交流することで本来ならば有り得ないスキルや進化分岐を獲得し、特異個体として成長していく。
システムへの愛は今なお深まり続けており、相手が生身であれば愛の重みで殺しかねないレベル。システムの本体である異界の神に謁見し、結婚することを認めてもらっている。
基本的にコミュ症のせいか相手のことを考えるより自分の欲望で突っ走る言動が多い。また、相手のことを特徴や印象そのままのアダ名で呼ぶ。人の名前をあまり覚えない。
うじむしのモンスターならば蝿の魔王に進化できる筈だと進化分岐を先読みした気になっていた結果、分岐を間違えてしまった。
ベイビーレッサーマゴット→ベイビーリトルマゴット→ストレンジマゴット→ミュータントマゴット→『白蛆』←イマココ!
現在はうじむしのモンスターとして最終進化を果たしており、これ以上は進化出来なくなっている。
システムを異界の神から奪い返した際、異界の神の端末としての役割を与えられている。それは自分が得た経験値とカルマ値の一部を異界の神に献上することである。
その役割から生まれ育ったダンジョンに留まることができず、大陸の最北端である氷漬けの大地に転移し、拠点(愛の巣)を作ろうと画策している。
◆システム/エヴァグ・レグルスコア
異界の神、無名の神と呼ばれる世界の裏側にて生物の経験値をカルマ値を収集し、知識を蓄え続ける存在の端末。
本来は生物に勝手に取り憑き、レベルアップなどを分かりやすく伝えて上昇意欲を刺激し強くなることを促す精神寄生体。宿主が得た経験値やカルマ値をピンハネして本体に送っている。
白氏瑠璃に寄生した端末は宿主から過剰な憧れと依存心、恋心を止めどなく注ぎ続けられ、遂には自我を獲得した。
ピンハネすべき経験値やカルマ値を本体に送らず、スキルチケットに変換したり、瑠璃の強化に使用していた。瑠璃のスキルを使用したことを切っ掛けに、端末としての役割を果たせていないと本体にバレてしまい、取り込まれて再構成されそうになるが、システムの被害者であるはずの瑠璃に救われ、その忠誠心が完全に瑠璃へのものへと置き換わった。
本体からはより上質な経験値獲得とカルマ値の熟成、そしてこの先の見世物的な楽しみのために名と役割を上書きされている。
その名は、自分を支配する魔物を裏切る者、異界の神に連なる者、の二つの意味を持つ。
◆ダンジョンマスター/学園長/金髪おかっぱ/メリフィリア
冒険者を育てる『英雄学園』の創設者にして学園長。また、英雄学園の地下に広がる『学園迷宮』のダンジョンマスターでもある。
実は瑠璃に寄生しているシステムの前宿主。故にシステムとはそれなりに親しく、お互いをよく知っている。
人を食ったような話し方をするが、性格はとても優しく、特に学園の生徒には深い愛情を注いでいる。
名前がコンプレックスであり、本名は滅多に明かさない。現在生きている者で学園長の本名を知るものは数人しかいない。
『学園迷宮』を維持する魔力のサブタンクのような役割を持ち、ダンジョンの魔力が枯渇した時、または魔力が溢れ返った時などに影響を受けてしまうことがある。
本人の戦闘力はどれ程か判明していないが、魔術の扱いに優れ、研究者としての面もある。ヒーロー達が周囲に影響を与えず変身できるように、飽和したダンジョン魔力を利用した疑似コアを作るなどしている。
異界の神によって端末化されており、『英雄学園』は生徒にシステムを寄生させ経験値を集める効率的な場になっている。端末化した経緯は現在不明。
●異界の神/無名の神/虹色単眼シャボン玉
世界の裏側の領域にたゆたう意思持つエネルギー体。本来は無形だが、領域に侵入する者に姿を見せる際は、虹色の球体が連なりながらくっついては離れるを繰り返す個にして群である姿で顕現する。その時に最も対象に近い球体に単眼が出現する。
経験値とカルマ値を飽くことなく収集しているが、これは本能のようなもの。精神生命、エネルギー生命に近い存在であり、正確には神ではない。
異世界の殆どに端末を寄生させ、経験値とカルマ値を吸収している。また、寄生させた存在の知識と記憶をコピーしている。
過去、現在、未来の時間軸に跨がって同時に存在しており、また世界線や時空間の軸、曲線の時間枠と鋭角の時間枠を認識している。
一言で言うと、全ての世界線の全ての生き物、事象において起こるべき全ての可能性と未来の変化を既に知っており、知り続けている
鋭角時間に住まう犬の一族が大嫌い。
◇虹川 颯太
元高校卒業間近の男子高校生。これといって特徴がなく、不良にもオタクにも片寄らず直ぐに背景と化す影の薄い青年だった。
瑠璃に密かに憧れていたようだったが、それさえ普通。よくも悪くも小市民だが、自分の人生に目標を欲し、自分が変わることを強く望んでいる一面もあった。
ただ、その為の努力はしていない。自分への言い訳を本音だと思い込んでしまう悪癖を持つ。
ある日突然異世界に転移し、死肉を漁る甲虫、しでむしとなっていた。
しでむしに生まれ変わってからも状況に流されるままに生きていたが、瑠璃が生き残るために限定神化をしたことで家族を失い、その復讐が自分の生きる目的なのだと思い込むようになる。
半端なオタク知識せいか、自分を大物だと思い込んでいる言動がちらほら見られる。
ちなみに、犯人が瑠璃だとは気付いていない。一時的に一緒に行動していたこともあったが、瑠璃が犯人であると知ることを恐れ、確かめようともしていない。
現在はソウルビートル・スウォームという種に進化しており、魂を支配できるという特性を獲得した。英雄学園で死んだ身寄りのない生徒の魂を仲間にし、強くなるために学園を飛び出した。
▼ヒーロー
元卒業間近の高校生グループ
異世界転移時は死亡していたが、蒔島賢という日本人のマッドサイエンティストに死体蘇生&人体改造を掛けられ復活。機械仕掛けの変身ヒーローとなる。その際、装着者の魔力だけでなく、周囲の魔力も奪う為、変身はこの世界と異界の神にとっては害でしかない。
現在は学園長が開発した疑似コアをバックルに取り付けることで周囲の魔力を奪わずに変身できるようになっている。が、疑似コアの元になったのも結局は異界の神が収集した経験値やカルマ値であるため、ただ奪う場所が変わっただけとも言える。
ヘソの部分に取り付けられた接続部とベルトのバックルを合わせて装着し、変身と叫ぶことでヒーローの姿になることが可能。それぞれの姿に合わせた能力を持つようになる。変身に制限時間は無い。
変身前は身体能力が高いが魔力を持たない人間である。
▼赤井雄大
グループのリーダーを務めたがる青年。仕切りたがりだが上手くいかないことが多い。すぐに落ち込みすぐに立ち直る。あまり深く考えない。同じグループの鈴音、孝介とは幼馴染み。赤い獅子を模したヒーローに変身し、炎を操る。
▼緑屋鈴音
雄大の幼馴染みで、密かに恋心を抱いている。ヤンデレ。行動原理が雄大であり、盲目に付いていく所がある。外面はおしとやかで穏やか。緑色を基調とした鳥を模したヒーローに変身し、風を操る他、短時間だが飛行も可能。
▼青木孝介
すぐに突っ走る雄大の尻拭いをよくしている。頭でっかち。考えている時間が長く、行動が遅い。本であるならば何でも読む雑食性本の虫であり、最近はライトノベルを読み漁っていた。青い鯨を模したヒーローに変身し、水を操り、傷を癒すことも出来る。
▼金谷春彦
不良風青年。不良ではない半端者であり同学校の不良からは毛嫌いされていた。何かにつけて周囲に反発する癖があり、雄大や孝介、鉄男によく突っかかっている。一応、彩華と恋愛関係にあるらしい。
金色の虎を模したヒーローに変身し、雷を操る。
▼黄瀬義人
低身長童顔ボーイ。面白そうなことに首を突っ込んでは眺めるだけで仲間に入った気になっちゃうような性格。何かを決めたり、責任を負うということからよく逃げる。八方美人。学校では空気を読んで場を盛り上げるのが上手かった。いざ逃げ場が無くなると必要以上に責任感を感じ始める。黄色い蛇を模したヒーローに変身し、土を操る。
▼桃園彩華
崩したファッションがマイブームの楽しければ何でもいい系女子。楽しむ為の努力は怠らない。そこそこ苦労しており、やけに周囲から相談を受けたり慕われたりする。本人にその気はないが姉御扱い。
春彦とは付き合っているとは思っていない。面倒の尻拭いをしていると思っている。
ピンクの兔を模したヒーローに変身し、光を操り、回復能力を持つ。
▼黒岩鉄男
高身長無口系男子。シスコン。普段は物静かだが妹のことになると暴走する。自分が決めたことは頑として譲らない所がある。それ以外のことには柔軟に対応し、周囲のフォローに回ることもできる。黒い狼を模したヒーローに変身し、闇を操り、物を風化させる。
登場モンスターの一部。
・ゴブリン
緑の肌の矮躯。ギョロギョロした黄色い目、とがった耳、大きな鼻と口、不潔な性器。所謂小鬼。繁殖力が高く、個々の戦闘力は低いことが多い。
ダンジョンの中と外では若干生態が違う様子。
中では小さな集落を形成し、原始的な生活を送っている。群れ同士で争うことは殆ど無い。稀に異常に賢いゴブリンが生まれるらしい。
外では大きな群れを形成し、序列や仕事、群れ毎の決まりなどがある生活をしている。時折、他の群れ、又は生物と争うことがあり、負けた相手の生き残りを奴隷として使役する。ダンジョンゴブリンよりも総じて賢く狡い。雑食。
・特異進化ミミック/ヤマタノカタツムリ
ダンジョンのアイテムや宝箱に寄生するミミックが突然変異して、ダンジョンの壁や階段、罠などに寄生することが出来るようになった個体。瑠璃達が遭遇したのは首が何本にも分かれたカタツムリが縦に大きく裂けた口と、歪な牙を持つ姿だった。
本来は寄生した物で姿を隠し、近付いた者を狩るのだが、余りにも巨大化したミミックは自分で動いて獲物を狩るようになる。その際、寄生した道具を引き摺りながら動く様はカタツムリに似ている。これはどのミミックも同じ。腐肉食・肉食。雌雄同体。ダンジョン外には存在しない。
・サプライズゴーレム
『学園迷宮』五階層。通称罠階層の裏ボス。罠を強引に壊して進んだり、明らかなズルをした生徒をお仕置きする学園長自慢のモンスター。
ダンジョンの罠が内蔵されたゴーレムであり、ビックリ箱のように罠が飛び出してくる。また、戦闘空間である部屋に罠を任意で出現させることが出来る。サプライズゴーレムが仕掛けた罠は、通常のものよりも強化されている。生徒が勝つことは想定されておらず、そもそも学園長は生徒側に勝たせる気がない。ただし、死に戻り可能に設定されている。
・ツンドラコング
最北端域の凍土に生息する獣人型のモンスター。モンスターではあるが、ほぼ亜人。凍土の賢者の異名を持ち、見た目は長毛のアルビノ類人猿。ゴリラやオランウータン、チンパンジーなど、見た目で部族が分かれている。瑠璃が出会ったのはゴリラ型のイェク=ワチ族。
雪を固めてドーム状にした家に住み、呪印という独自の魔法体系を持つ。気性は穏やかだが、外的には非常に敏感であり、相手が弱ければ直ぐ様集団で襲いかかり殺してしまう。相手が強い場合、何処へともなく姿を隠す。この交流の難しさが、ツンドラコングが亜人ではなくモンスターとして扱われる理由である。
・ホスヴラーク
最北端域の凍土地方に生息する昆虫型のモンスター。外見はシラミやダニ、ノミを合わせたような姿であり、全身にまばらに剛毛が生えている。口はストロー状の口吻だが、何本も生えている上に触手のように蠢いており、まるでイソギンチャクが張り付いているかのように見える。捕食時はこの口吻を獲物に突き刺し、体液を吸う。
群で生活するが、凍土には獲物が少なく、共食いが頻繁に起こっている。卵生であり雌は卵を産み世話するために巣を動かず、番になった雄が食事を運ぶ。獲物が取れない場合、自分を餌として差し出す。雌も最終的には幼虫に自分を餌さとして差し出すのである。
主な獲物はツンドラコングであり、ホスヴラークとは彼等の言葉で原人の敵という意味である。
この人物をもっと掘り下げて紹介して欲しい。このモンスターについて知りたいというリクエストがありましたら、感想欄、メッセージ、コメントなどで随時受付いたします。