第百七十二話 神郷への扉
ひゅうう、と高地の風が吹きすさんで、魔王城の中庭に横並びに並んだアキとナコ、魔王とヨハンの髪を舞い上げていく。
そんなアキの遠目には、雄大な緑の山々の景色が広がっていた。
(いつ見ても、なんて綺麗な世界なんだろう……)
この世界に召喚されて、最初にこの世界の景色が目に飛び込んできたときも、視界いっぱいに広がる大自然の景色に圧倒されたのだった。
あのときは、この世界で大冒険をすることになるなんて、思ってもいなかったのに。
――いつのまにか、この世界にいることがあたりまえになってた……。
元の世界のことを忘れたわけじゃないけれど、自分がこの世界にいて、この世界で生きていることがあたりまえの毎日、あたりまえの日常になっていた。
(それだけ、この世界に馴染んだってことなんだろうな)
この世界でとても長い時間を過ごして、大切な人、大切な仲間、そしてたくさんの思い出ができた。
自分の宝物が、この世界にはいっぱいあるのだ。
アキは、胸もとに片手を寄せて、きゅっと握りしめる。
(この世界は、私の第二の故郷なんだ。そして、私の大切な人たちの生きる、大切な場所。だから、この世界を失うわけにはいかない。かならず守ってみせるんだ)
たとえ、この世界の破滅を願う月の女神様に、どんな理由があったとしても。
自分は、自分の信念を信じて、守りたいものを全力で守るのだ。
(私には、仲間のみんながいてくれる。絶対に、負けない)
アキは、自分の周囲に立ち並ぶ仲間たちを見渡す。
それぞれに武装を整えた仲間たちは、自分の一番近くにナコが立ち、そのとなりに魔王、一番遠くにヨハンが横並びに立っている。
レオとサトクリフ、ギルフォードは、そんなアキたちの後方に控えて、なにかあったときにすぐに対応できるように待機していた。
いまから、アキとナコ、ヨハンと魔王の四人で、神郷への扉を開く古代魔法を唱える。
責任は重大だ。
緊張で、手が震えていた。
神郷への扉を開く資格はあるけれど、古代魔法が上手くいくとは限らないのだ。
(……集中しよう。みんなの力が神郷に届くように。エリアスに届くように)
思い返せば、エリアスとはネクロポリスで太陽の女神に攫われてしまって以来、ずっと会っていない。
彼のおだやかな声も、柔和な仕草も輝くような笑顔も、思い出すだけで会いたくて会いたくて仕方なかった。
(会いたいって気持ちと同時に、エリアスは大丈夫かな、ひとりでつらい思いや苦しい思いをしていないかなって、心配で心配で……)
彼をもうひとりにしないって、誓っていたのに……。
自分の無力さに心が押し負けそうになって、アキはふるふると首を振った。
気持ちで負けちゃだめ。神郷に行けばエリアスに会えるって、信じなきゃ!
(ちゃんと神郷に行って、魔王たちとの鍛錬で強くなった私をエリアスに見てもらわなくちゃ。こんなに強くなったよって、今度こそ私がエリアスのことを守るよって、伝えなきゃ――)
そうだ、彼が大変なときは、何度だって助けに行けばいいのだ。
自分は、勇者の片腕であり、彼の恋人なのだから。
魔王が、気合い充分とばかりに背中の漆黒のマントを払った。
「さて、皆、心の準備は整ったか。神郷の扉を開く古代魔法は、生半可な集中力では成功せんぞ。ナコ、姉、ヨハン、我らの持てるすべての力を合わせるのだ。呼吸を合わせ、最大限に魔力を高めて発動するぞ」
はい、とアキとナコとヨハンが声をそろえて返事をする。
次に、魔王はレオとサトクリフ、ギルフォードを振り仰いだ。
「レオ! 不測の事態が起きたときには、私の代わりにおまえに神郷への扉を開いてもらうことになるかもしれん。私の詠唱をよく見ておくのだ。おまえならば、一度見れば完璧に覚えられるだろう」
心得たとばかりに、レオが勇ましく表情を引き締めてうなずいた。
レオと魔王って、本当に良い兄弟だと思う。
それこそ血は繋がっていないけれど、ふたりがおたがいを信頼して、おたがいを必要としているのがわかる。
(レオが魔王の弟だったって聞いたときは驚いたけど、いまとなっては、ふたりが兄弟だったのにすごく納得できるというか……)
ちょっと天然な兄としっかり者の弟で、ふたりはぴったりだと思うのだ。
(私とナコも、お似合いの姉妹だって思ってもらえてるといいな)
横で真剣な表情をして前方を見ているナコの横顔を、そっと覗き見る。
それに気づいて、お姉ちゃんどうしたの、とこちらを見てくる妹に、アキは、がんばろうね、と微笑みかけた。
それを唇の端を持ち上げて満足気に見やった魔王は、改めて前方に向き直った。
「それでは皆の者、ゆくぞ! ――天つ彼方の人を想い、幾重の哀しみをこの胸に刻む この世の果てがあるとすれば、その地でなら、貴方への想いも許されるでしょうか 遠き地の果てで貴方を想う どうかこの願い……―――聞き届けたまえ!」
この古代魔法には、馴染みがあった。
あの遺跡のクエストで、太陽の女神の力に支配されてしまったエリアスを、自分の月の女神の力をぶつけて正気に戻そうとした、あのときの古代魔法だ。
遺跡のクエストでは自分に宿る創世の女神の力の増幅にだけ使用したけれど、神郷への扉を開くときも同様の呪文を使用するらしい。
(扉を開くには、太陽の女神と月の女神、その両方の力を使う必要があるからかな)
おそらく、扉を開くために、自分たちが創世の女神に選ばれた勇者と魔王、その片腕の資格のある者だと示す必要があるからなのかもしれない。
(熱ッ……!)
月の女神の力が顕現したときに感じる熱を額に感じて、アキは顔を歪める。
みんなは大丈夫かと隣を見やれば、ナコが自分と同じ月の女神の紋章を額に浮かび上がらせて、痛そうに両手で額を押さえていた。
その隣では、魔王が涼しい顔をして太陽の女神の紋章をその額に浮かべていて、さらにその奥では、ヨハンの額にも太陽の女神の紋章が光り輝いていた。
――ヨハン、なんだか、すごくつらそう……!?
エリアスの代わりを務めるということは、一時的に勇者と同じ太陽の女神の力をその身に宿すということなのだろう。
とくにヨハンは、本来はない太陽の女神の力を宿すのだから、熱の痛みは尋常ではないのかもしれない。
それでもヨハンは、歯を食いしばりながら、しゃんと前を向いている。
(ヨハン、がんばって! 私もしっかりしなくちゃ!)
アキは胸ポケットからペンを取り出すと、それを聖弓に変化させて上空に構える。
隣ではナコが聖血を発動させて、彼女の周囲に銀色の月桂樹の葉が舞い踊った。
(あの月桂樹のモチーフは、きっとエドクレス様がメリナさんからいただいた月桂樹の金の冠からきてるんだろうな)
ナコが聖血の力を解放すると、かならず彼女の周りにあの葉が無数に舞う。
光り輝く葉をまとったナコは、彼女自体が女神のように幻想的で綺麗だった。
(ユリ様が世界を救った聖遺物である聖血は、私たちが扱う攻撃に特化した聖遺物とは、少し性質が違うのかもしれない……)
神秘的に見えるナコを横目に見ながら、アキはそんなことを思う。
(ナコは、創世の女神様やエドクレス様に一番近い存在なのかもしれないな)
だからこそなのか、ナコの存在がとても儚く見えるのだ。
この世界に愛された存在で、なにかあれば、ユリのようにその命をこの世界のために賭けなければいけなくなるんじゃないかと……。
(……ううん、もしそんな事態になったとしても、そんなことには絶対にさせない。大切な妹を守るのも、姉である私の役目のはず)
ここには両親がいないぶん、自分がナコの唯一の家族だ。
自分が両親のぶんも彼女のそばにいて、彼女の力になりたい。
(私が勇者の片腕に選ばれて、この世界に呼ばれたのは、きっとナコの支えになるためでもあったのかもしれない)
そんなナコのとなりでは、魔王が聖衣をはためかせながら片手を上空へと向けて、その奥ではヨハンが聖槍をまっすぐに上に掲げている。
ナコが、祈るように両手を組みながら、そっと目を閉じた。
みんなの準備が整った。いまこそ、発動のとき!
魔王がアキたちに目配せをしながら声を張る。
「皆、打ち合わせどおり、いっせーのーでっ、の掛け声でいくぞ!」
――了解っ!
「いっせーのーでっ、――開門!」
なんとも緊張感のない……というか、おなじみの掛け声のフレーズとともに、アキたちは言葉をそろえて『開門』と天に言い放った。
それと同時に、アキは上空に弓を放ち、ナコは両手を空へと差し出して月桂樹の葉を舞い上がらせ、魔王は上へ向けていた片手を振り払い、ヨハンも聖槍を大きく頭上で回転させて地面に突き立てる。
途端、アキたちに宿る太陽と月の女神の力が上空の一点へと向けられて、そこに、金色と銀色を織り交ぜた色で縁どられた、光輝く大きな扉が出現した。
(成功……した?)
アキも、みんなも、言葉を失ったまま状況を見守っている。
はっきりと目を開けていられないほど、宙に現れた扉はまばゆい光を放っていた。
だんだん目が慣れてきて、扉をまじまじと見上げてみると、それは観音開きの形状をした大きな大きな光の扉だった。
アキたちが息を呑んでそれを見守る中、突如、こちらを招き入れるように扉がゆっくりと開かれていく。
開かれた扉の隙間からさらにまばゆい光があふれ出たかと思うと――
――シュゴゴゴゴゴオォオオオッ!
ええええええっ!?
(な、な、なにこれ、なんこれえっ!)
扉からまるで掃除機のごとく風が発生して、アキたちの足が地面から浮き上がる。
「な、な、なんなんだよこの仕様! 兄貴、聞いてねぇぞ!」
風に煽られながらレオが吠えて、
「私だって初めて神郷への扉を開いたのだから知らぬ! こんなっ、扉に吸い込まれるような仕様だったなんてな!」
「きゃああああっ、お姉ちゃん!」
「ナコッ……!」
なすすべもなく吸い込まれていくナコの手を、アキは必死でつかまえる。
今度こそ手を離さない……、この世界に初めてナコが連れ去られたときみたいに!
「ちくしょうッ、風が強すぎるじゃねェか! オレ様の超脚力をもってしても耐えきれねェ!」
サトクリフが悪態をついて、
「おまえの脚力など俺にとっては普通だ! 俺の怪力をもってしてもあらがえないんだからな!」
ギルフォードが必死にそのへんの木にしがみつきながら叫ぶ。
「もう無理ですっ、吸い込まれます! ああ、神よ、どうか僕らをお守りください!」
ヨハンの祈りを虚しく、
「ああああああああっ!!!!」
……アキたちは、なすすべもなく、神郷の扉へと吸い込まれていった……。
「ぶべっ!」
「ぎゃ!」
「おっも!」
「潰れるぅうう」
それぞれ個々に悲鳴を上げながら、アキたちは折り重なるようにして地面に落下した。
「痛っ……。みなさん大丈夫ですか? 回復しましょうか?」
ヨハンが声をかけると、それぞれに地面に降り立った仲間たちが首を振る。
全身痛いけど、なんとか立てるみたい……。
よろよろとアキが立ち上がると、近くにいたレオが地面の一点を指さしながら言う。
「……俺らは大丈夫なんだが、その、そこに潰れてる兄貴がやばいかもしれねぇな」
レオが苦笑いを向ける先には、不憫にも、神郷の扉に吸い込まれて落下した自分たちの一番下に下敷きになった魔王が、ぺらっぺらになりながら地面に倒れ伏していた。
魔王……。
(身をていして私たちを守ってくれたんですね……!)
不憫といえなくもないけれど……。
魔王が下敷きになってくれた甲斐あってか、全員軽傷で済んでいた。
そうしてヨハンに回復魔法をかけてもらった魔王が、まるで何事もなかったかのように、すっくと立ちあがる。
「さて、それでは気を取り直して――……ここが、神郷か」
神郷は、上を見上げれば昼とも夜ともつかない紫色の空が広がり、そこに大きな月がぽっかりと浮かび上がっているなんとも不思議な場所だった。
雄大な草原からは無数の白い光の玉が、ふわふわと空へと立ち昇っている。
(綺麗、だけど、なんだか……)
アキは、胸もとの服をぐっと手繰り寄せる。
なんだろう、なんだかすごく、不気味な場所だ……。
とても美しくて静かな場所なんだけれど、物音がひとつもしない、静かすぎるのだ。
ヨハンが、警戒するように周囲を見渡しながらつぶやく。
「ここが神郷ですか……。創造主や創世の女神の住む聖域を学びましたが、生命の気配が感じられませんね」
レオが、冷や汗を頬に一筋伝わらせる。
「そうだな。荒廃した世界っつーか、生き物が滅亡した世界があるとしたら、ここみてぇな寒々しい場所なのかもな」
ナコが、両手で肩を抱きながら身震いする。
「綺麗だけど、なんだかもの悲しい雰囲気だね……。ここでずっと暮らしていて、女神様たちは寂しくないのかな」
「寂しいだろうねェ。こんな活気のねェさびれた場所で暮らしてちゃあ」
サトクリフが、首の後ろで両手を組みながらぼやいた。
そうなのだ、ナコやサトクリフの言うとおり、神々しくて綺麗な場所なのだけれど、生命の気配がないせいか、もの悲しくて活気がない、ある意味不気味な雰囲気なのだ。
この世のものではない、あの世の世界があるとしたら、こんな感じなのだろうか……。
魔王が、どこか遠くを見るような目で言う。
「ふむ……。ここがエリアスと私が誕生した地なのか。こうして目の前にしてみると、記憶におぼろげに覚えている気もするが、あまり故郷という感じはせんな」
「生まれたころの記憶というのは、覚えていないものですからね。それに加えて、貴方とエリアスの出生は特殊なものですから、また事情が違うのかもしれませんね」
ヨハンが、考えるように魔王に相槌を打った。
エリアスと魔王の出生は特殊なもの……ヨハンの言うとおりだ。
誰しも生まれたころの記憶は覚えていないものだと思うけれど、もしかしたら、エリアスと魔王の場合、神郷の記憶がおぼろげなのはなにか別の理由があるのかもしれない。
自分たちと同じように普通に覚えていないだけなのか、あるいは意図的に記憶が曖昧にされているとか……。
ギルフォードが、右手の拳を左手の手のひらに打ちつけた。
「まあ、そのあたりのことはおいおい判明することもあるだろう。それよりも皆、武器を構えろ。――戦闘だ」
ギルフォードが言った途端、アキの手帳がぶるぶると大きく振動した。
急いで手帳を取り出して開くと、そこに現れたマップに、魔物の出現を知らせる赤い点が複数点滅していた。
(これ……私たちを取り囲んでる?)
赤い点は、こちらの周囲を取り囲むようにして上空から迫ってきているみたいだ。
じわじわと全方向から迫ってくる点滅を見つめてから、アキはみんなを見渡した。
「みなさん、魔物は空から私たちを囲うように全方向から迫ってきているみたいです!」
魔王がうなずいた。
「なるほど。では、私たちはなるべく分散して戦ったほうがよさそうだな」
レオが、肩を回しながらにやりと唇を持ち上げる。
「このメンバーで戦うのは初めてじゃねぇか? 腕慣らしにいいかもな」
「み、みんなの足を引っ張らないように頑張らなくちゃ……!」
ナコが、ぎゅっと拳を握って言って、そんなナコを庇うように魔王が前に出る。
「ナコ、おまえは戦い慣れていないのだから積極的に前に出るな。私が守ってやる」
魔王の台詞に、アキはぴくりと眉を跳ね上げる。
「魔王に守ってもらわなくて結構です! ナコはお姉ちゃんが守ってあげるからね!」
ナコの手をぎゅっとつかんで力説すると、今度は魔王がぴくりと頬を引きつらせる。
「姉! だからナコは私が守ると言っているだろう! おまえは戦えるのだから、一匹でも多く魔物を聖弓で撃ち落とすことに専念するがいい」
「もうっ、魔王に指図される覚えはありません!」
むきーっと魔王と額を突き合わせていると、仲間たちからため息が聞こえてくる。
「ケルちゃん、お姉ちゃん、もう、仲良くしてよぉ!」
「まァ、喧嘩するほど仲がいいとは言うけどねェ。しょうがねェ、アキの姐御がナコ嬢を守るっつーんなら、姐御のことはこのオレ様が守ってやるからなァ」
サトクリフが腰の二刀を引き抜いていい、今度はレオがそれに反応する。
「おいサトクリフ、アキのことは俺が守る。俺のほうがアキと一緒にいる時間は長いんだからな。俺のほうがこいつの間抜けっぷりはわかってんだ」
…………。
「ちょっとレオ様、いる時間とか関係ねェでしょうよ。要はどれだけ姐御のことが好きかっつー気持ちで勝負しましょうや」
ばちばちばち、と火花を散らしながらサトクリフとレオがにらみ合っている。
ちょ、ちょっと、恥ずかしいからやめてください……!
ヨハンが、あいかわらず頭痛でもするかのように頭を抱えて深々とため息をはいた。
「……はあ、誰が誰を守るか、仲間思いなのは良いことだと思いますが、皆さん、そろそろ魔物がやってきますよ。臨戦態勢に入ってください」
ヨハンの言葉にはっと我に返ったアキは、聖弓を上空に構える。
さあ、どこからでもかかってきてください!
威勢よく聖弓を構えた視線の先、アキの視界に、いままで見たこともない魔物が複数飛び込んでくる。
(あれは、なに――……!?)
こちらを取り囲むように現れたのは、赤と青、緑と黄色をした、虫に似た羽をぱたぱたと閃かせた魔物だった。
魔物……と言っていいのかわからない、どことなく神秘的な雰囲気のある生き物だ。
それぞれの色をした魔物たちは、人型の身体に蝶の羽を生やした外見をしている。
ヨハンが、はっとしてアキたちを見回した。
「みなさん、あれは精霊です! この神郷を守る守護者の役割をしていると、『神殿』の禁書で読んだことがあります! 僕たちは侵入者ですから、おそらく排除しようとするはずです! 精霊は、それぞれの色に合わせた属性を持っています。それに対応した攻撃を仕掛ける必要があるはずです!」
ヨハンの指示に、アキたちは一様にうなずく。
本当に、たくさんの知識を持っているヨハンがいてくれてよかったと思う。
ヨハンは、未知のことに遭遇したとき、『神殿』で得た知識でいつも導いてくれる。
ヨハンいわく、赤が火の精霊、青が水の精霊、緑が風の精霊、黄が土の精霊で、それに相反する属性で攻撃をしないとダメージを与えられないらしい。
(ここは、エドクレス様に授けていただいた、私の属性攻撃がお役に立てるかも!)
四大元素を聖弓に宿して戦う力――きっとそれが、武器になるはずだ。
――よし、私の力、かならずみんなの役に立ててみせる……!
(もう少し待ってて、エリアス……!)
アキは、聖弓を構えて、前方から滑空する精霊を見据えた。
メリークリスマス!!
更新を待ってくださっている皆さまの、ささやかなクリスマスプレゼントになりましたら嬉しいです!




