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今回練りに練ったけどあんまりいい文章とか展開を書けなかったです
別れたアマネさんの唖然とした顔。
そんなに変なこと言ったつもりはないんだが。
なんにせよ、カラスが役目を果たすなら、俺も役目を果たさねばなるまい。
…………まぁそれは詭弁だとして。
シエルを寝かせて、その側にいる不逞の輩を今すぐぶちのめしたくてウズウズしてるだけだ。
力づくで取られたのだから、力づくで取り返すのは道理じゃないだろうか。
卑怯だとか、非常識だとか言われたとしてもr
大事なもんに触られてキレないなんておかしいとは思わないか。
俺が守ると誓っておきながら…………。
「殺す」
さっきまでバカなことをしている間は抑えていた感情をドンドン湧き起こし、二階へ続く階段を落ち着いて、余計な苛立ちは抑えて、そして制裁を加える時に全てぶっこむ。
…………違和感を感じているとすれば、シエルの側にいる奴はシエルに何をしているのか。
もうすぐ対面するであろうこの間に、物音一つ聞こえないなんて。
何が目的だ…………。
シエルに何の用だ。
という、他にも色々聞きたいことを扉の軋みに含めて。
さぁ。
「っ?!」
だが俺のモチベーションが、奴と対峙した時に発揮される前に、突然、まだまだ夜中だというのに凄まじい光と熱に襲われ、そして気づいた時には————。
ドガーン!!!
周りの木製の壁や天井が消し炭になった。
足元の床が無事だったのは奇跡だったのか、はたまた、こいつが狙ってやったのか。
つまり、俺の脳から心臓を含む上半身だけこの壁や天井みたいに灰にしようとでも思ったのか。
「奇妙な…………」
神妙な声色がそう呟いた。
生憎、そう簡単に燃える体にできてなくてね。
流石に顔に熱いのが来るのは怖いが、それは咄嗟に突き出した左腕でカバーすることができた。
いつもお世話になってます、アカネ。
「服は台無しだけどな」
火トカゲの革でできてたのは、まだよかったってくらいだ。
これでも奮発して買った装備なんだから、よくも…………。
「それで…………お前は誰だ」
「…………」
まずは俺から問うてみた。
なぜなら、俺がこいつに誰なのかと問われる筋合いなんて一切ないのだから。
「あなたも、彼を信ずる者ですか」
「信ずる?」
こいつがシエルの側にいた人間。
黒尽くめで、清潔そうで。そう、まるで。
神父だ。
「てことは、さしずめ。霊獣信仰の信者か…………」
「あなたは違うようですね。私を指すその肩書きは、些か差別的であるようですが」
霊獣信仰なんて過激カルト教団。
最近、というか、およそここ数年から十年の間に一斉摘発とかされてた気がするが…………。
もちろん俺がこの世界に来る前のことだろうが、まだ残党がいるとは。
「まぁそんなことはどうでもいいよ。俺はシエルを返してもらえればそれでいいから」
ムカつくけど。
あえてそうは言わない。
何も争う必要なんてないのだ。
むしろここでこいつの気に障るようなことを言って、あいつの側で寝ているシエルに危害を加えられては困る。
慎重に。
ヨチヨチになって交渉しようじゃないか。
「あなたのような人間に、彼を渡すわけにはいきません」
まぁね。
わかってたけど、そうすんなりいくとは思ってなかったけど。
逆にお前に俺のような人間の何がわかるんだ、とか。
お前シエルは女の子なんだから彼ってなんだよ、とか。
一体どこでシエルがそういう存在だと知ったのか、とか。
色々言いたいことはあるが話が長くなりそうなんで。
「じゃあいいよ。力尽くでいいなら」
問答無用というわけだ。
慎重にの言葉の意味が知ったこっちゃないのである。
要は殴ればいいのだ、殴れば。
「帰って祈りでも捧げてろ」
ここで剣があってこいつに鋒を向けていればカッコいい描写になったかもしれないが。
俺が聖職者に言いたいワードランキング第1位を言うのが勿体なかったが、なんにせよ、もう何も議論する必要はないのである。
「ad te————」
だが俺はもう少し冷静でいるべきだった。
こいつは絶対シエルに危害を加えるはずがないと、宗教の心理を読み誤ったとかではないのだが。
読み誤ったというか、俺が知らなかったのは、魔術使いであるというその才能だ。
ていうか、おい。
「無視すんなよ」
「————unudecim」
その瞬間。
小屋全体が凄まじい業火に包まれた。
こんなに新キャラだして採算取れるのかと訊かれれば、無理に決まっているだろう!と返すしかない。




