……
「それで?」
一旦落ち着こう。まずいことをした。
アカネがいればこんな短気なことはしなかったと思うんだけども、そんなことは言い訳でしかない。
でも、俺の言い分だって聞いてほしい。
ただ単純に、ここでこうしておかないと、こいつらは止められないと思ってしまった。
歯止めをかけると言えばまだいい感じに聞こえるだろう。
この場合は、爪痕を残すだの、禍根を残すだの、おおよそネガティブな響きの言葉がお似合いのはずだった。
我ながらよくも、こんな大惨事作ったな。
身体の部位がひぃふぅみぃ、と数えても、事実が変わるはずもない。
やってしまったんだ。
久々に。
不意打ちだったから、これだけゴツい連中を容易に始末できたのは俺にとっての幸いだった。
囲まれれば、こんな反乱なんて些細なことだったんだろうけど。
唯一、その俺から寝首を掻かれるのを免れたのはシンだけだ。
騒ぎを聞きつけた時に、俺が最後の一人に手をかけるところを、叫んで止めようとした。
けれどそれと俺が剣を振り下ろすのとどちらが早かったかと言えば、言うまでもない。
さぁ、もうお前だけだ。
本気を隠し、真意も隠し、俺を欺いた結果を後悔する羽目になったこの男のポテンシャルを、俺は計りかねている。
お前は俺を許さないんだろうけど、俺もお前を許さない。
お前だけは、この話に乗っちゃダメだろ…………。
お人好しのくせに…………。
***
「それで…………?」
雨に洗われる血の海の上に立っているのはもう俺たち二人きりだ。
水面に足が着くわけないが、しかし濡れた地面が夜の雨雲を映し、実際海の上に立っているような錯覚を覚えた。
こんな幻想的な世界に感動まで覚えたのはいい。
台無しにしたのは俺自身だ。
俺の悪い癖になるが、どうも昔から楽しそうな連中に水を差すのが得意になっているらしい。
特に今回に至っては、水を差すどころか刃物を刺すまでに俺は自分で自分の立場をドン底に貶めてしまったわけなんだが。
ただこんな俺にも大義名分はある。
絶対に譲れない正義とやらを。
まだ一合も打ち合っていないあのシンと俺はどう渡り合うべきか。
目下、それだけが俺の考えることだ。
これまで俺に否定的な態度を取ってこなかったシンからは、居心地が悪くなる並々ならない怒りを感じる。
悪かったよ。
でも、ならお前はどうしてこの行為を許せる。必ず人が、小娘が犠牲になる行為を、どこで割り切った。
「話し合えばわかり合えたはずなんじゃないのか?」
「話をすればシエルが死ななくても済んだのか?」
ここで初めて、シエルの名前を言った気がする。
それからシンの嘆きを、皮肉で返す時に胸が締め付けられる感覚がするのは気のせいだ。
むしろこれは俺の怒りだ。
シエルのための。
「シエルが死ねば世界が救われるとでも思ったのかよ。勇者にでもなりたかったのか?」
「それは大きな誤解だ、ハト」
「あ?」
シンは俺の言葉を否定した。
「シエルちゃんは俺たちにとって手に余る存在になっている。もう俺たちでは対処しきれない強大なモノになってしまった」
手に余るものを…………利用しようとさえする。
「それはこの世界の脅威だ。でも、その脅威で救われる人間もいる。彼女に手を貸してもらうことでな」
それが俺たち余所者ためだとでも?
めでたしめでたし、か。
酷いシナリオだ。
「まさか魔王気取りじゃないだろうな、ハト?この世界を手玉に取ったつもりか?」
「しょーもないこと抜かすな。ていうか俺は魔王も勇者にも興味ない」
あの茶番こそ俺が最も嫌悪することの一つだというのに。
そうだな…………よく考えれば————。
「結構だろ。むしろ悪いもんしかいないこんな世界は、一回でも滅んだ方が親切だとか思うだろ、普通」
「綺麗事抜かすな…………!」
「だから…………綺麗事はお前の方だろ…………」
平和主義の偽善者。
それはシンのことだけじゃない。
シンは歯をギシリと鳴らした。
みんなのためだから、なんて綺麗事を言ってのける、行動にする勇気だって持ち合わせているお前には、必ず間違ったことをする俺のような人間を理解することはできない。
生き残るために犠牲を払い、最善を尽くし、誰が慕うお前と。
死んでも犠牲を払わず、最悪でさえ尽くし、誰とも相容れない俺と。
「救いようもないな…………」
「お互い様だろ」
呆れ顔のシンに合いの手を入れてみると、シンは頭痛でも起こったように、コメカミに手を当てた。
時間の無駄ですらある。
「シエルは渡さない。お前にも消えてもらう。わかったらかかってこいよ」
「シエルちゃんも、お前みたいな殺人鬼と同じ場所にはいたくないだろう。覚悟してくれ…………ハト」
覚悟ってなんだよ…………。
最後にシエルを殺すつもりのくせに、どっちが殺人鬼だか。
やっと剣を交わす時間だ。
以前初めて見たシンの身のこなしは見事と言っていい。
戦い慣れはしていた。
いや、俺だってつまらない殺生も飽きるほどやってきた。
力量で負ける要素はない。
でも、互角か、そうでないのかはこれから試してみないとわからないんだよな。
俺は、自分からは行かずに待った。
シンは無言で、ほとほと哀れみのこもった目で俺を睨み、地面を踏み込む態勢をとった。
俺も迎え撃つ構えし、いつ来られてもいいように待ち構えた。
まずは驚かされてしまう。
速度でこそ大したものではないにせよ、完全に俺の懐を捉えたと思っているだろうシンに、俺は容赦なく剣を振り斬りかけたはずなのに。
途端に、なんとシンの姿を見失ってしまったのだ。
「?!」
目前まで迫っていた。
瞬間移動したように姿がごっそり消え、俺は空振りで隙を作るまいと咄嗟に手を止め、目をいろんな角度へ向けた。
これは速さで負けたのか。
いや、フェイントで惑わされてしまっただけだ。
死角から斬ろうってつもりだろうけど、俺の勘が鈍っていなければどこから来るかを辛うじて感じる。
アカネに助けられてばかりだったとはいえ、伊達に場数をこなしていたわけじゃない。
コンマ幾秒、命がもう少しで切り取られる間際にそれがわかった。
俺がその第一撃をかわせたのは偶然と言ってもいい。
凄まじい剣気と共に振りかぶったシンの攻撃が、あわや俺の脳天にかかろうとしたところで咄嗟の回避が上手くいき、辛うじて命を拾った。
「はぁ…………はぁ…………はぁー…………」
何故か一気に訪れる息切れが、どれほどシンを舐めていたのか反省しろとでも言うようだ。
シンの性格こそ、良いものではなかった。そう痛感している。
普段、人畜無害そうな顔をしておきながら、こういう時にはまるで本性を現すかのように効率的に動いてくる。
効率的————卑劣ですらある。
慌てて距離を置くと、シンはぶっきらぼうに突っ立ったまま追撃はしてこない。
ビックリさせる。
トリックで勝負仕掛ける。俺の苦手分野その一とは。
でも
「今まで俺の動きを見ていたってことか」
「それもあるな」
シンは俺の問いに頷いた。
ーーーー裏切りも想定して。
観察してやがった。
敵となり得る因子の癖を把握し、記憶して、結果活かすという、地味に誰にでもできることじゃないことをしていた。
「どっちが先に裏切ったかなんてどうでもいいよ、ハト」
「そうかよ。先に裏切ったのはお前の方なんだけど」
「そうかもしれないが、俺にも目的がある。やり方もある。負けるわけにはいかないし、時間がない…………」
シンは俯いて、言葉の最後の力をなくした。
さもありなんという風だな。
この旅のタイムリミット?
でもそれはーーーー。
「お前の都合だろ」
「…………ああ、その通りだ。お前には関係がない」
言ってくれる。
これで決別は決定的だ。
言葉にすればするほど。俺とシンはそもそもが分かり合える人間ではなかったらしい。
それがわかるまでが、割と遅かった気がする。
***
言葉をなくして数分。
黙々とお互いに致命傷を与えんと絶妙な応戦、接戦、苦戦していると、妙な違和感が芽生えだした。
シンのことを見くびっていたのだろうか。
俺の癖を把握されていたとはいえ、シンの剣捌きには力があるし、お人好し、平和主義者には似合わない確かな剣筋をもって俺を攻略しようとしている。
殺人に戸惑いはない。
そうだ、これは俺を殺そうとしている。
俺の太刀筋を見通し、いつか俺がミスをするのを目論んでいるんだろうか。
シンにとって負けられない戦いだと言った。ならマジで勝ちにくるつもりなんだ。
シンの人柄を知って、その奥底にある灯火というかプライドというか、それを目の当たりにして尚、俺はシンがまさか、そんな度胸あるわけないと高を括っている。
お前のキャラじゃないだろうが…………。
そんな気の乱れが早速、呆気なく、かっこ悪く醜態を晒す羽目になるとは思わず。
「ぐっ…………ぁ?!」
ついに。
とうとう、シンの切っ先が、俺の右肩を貫くに至ったのだ。
余計な思考に邪魔された、という言い訳をしたい。
なぜ?もっと躊躇をかましてくるかと思ったのに、こいつガチかよ。
剣はまだ手放してない。
落とさないように右手の握力を上げると自然、右肩が引き締められて痛くなるから難しい。
咄嗟に敵の剣を引き抜こうと後ろに下がるも、シンに強く押し込まれ逃げることはままならない。
さらに背中に迫った岩に押し付けられ、磔にされる始末だった。
「つ…………っ!」
ガツっと肩に痛みを迸り、それがなんだか琴線を揺らした。
簡単に言うとイラッときた。
ハメられるとかなり根に持つ方だ。
あまり平常心を保てる方でもない。集中力が持続しないのも自覚しているからこそ、俺は短期決戦にこだわりを捨てられなかった。
それが仇になり、持久力を削ぎ落とされこのザマ。
見覚えのある動きだったのに、俺の方が出遅れていたんだが…………。
妙な違和感だ。
実力で負けてるはずはない、と言い訳したいけど、やっぱりお前も人間じゃないんだな。
腕力も負けてる。
自信なくすぞ。
「もう観念しろ、ハト…………俺はお前を殺したくない!」
今更何を…………。
申し訳なさそうに、シンは叫ぶ。
どうしてこいつは俺に勝てる?
なんで俺より強い?
そこまでして欲しい勝利とは?
余計に腹立たしい。
「…………勝った気でいるな」
「勝っただろ。もうお前は何もできない。動けば、俺はその時トドメを刺せる」
シンは大きな口を叩いたところで、プッツンした。
…………万事休すだ?
そんなあられもない末路を、なかったことにして散々くぐり抜けてきた。
生き抜いてきた。
たった二年の間でどれだけ死にものぐるいで生きてきたか、培った能力も数知れないし、痛みにももう慣れている。
まだ肩がやられただけに過ぎない。
全身が動かない中でも、鞭を打ってきたあいつらに逃れるには。
動くしかできなかった。
「利き腕がやられて、これ以上続けられるわけないだろっ?もうやめてくれ、ハト!」
「やめたらシエルをどうにかしてくれんのか…………泣いて頼めば俺もシエルを助けてくれんのかよ…………?」
「お前は…………」
俺を心配するシンの悲痛な叫びがウザい。
やめてくれ。
俺まで救おうとするのはやめろ。
俺を制するように力が加わったシンの剣をものともせずに、剣を抜こうなどと思わずに、痛みにも構わずに、背中に刃がはみ出ようが、シンに掴みかかろうと左手を伸ばす。
怒ってんだよ。
その程度、気にすることでもないしーーーー気にしても考えないフリをする。
シンが俺を心配しているだなんて考えない。
シエルの十年に比べれば、この程度、痛くも痒くもない
「ナメんな…………」
届いた。
いや、届いたが、シンもジッとしているほどバカではない。
文字通り間一髪、左手がシンの髪の毛一本を掴めたかどうかのすれすれで避けられて、これだけの意地を見せてやっと自由になることはできた。
拍子に剣を抜かれ凄まじい痛みを伴ったのは、全く痛い代償だ。
驚きの表情を見せたシンにはざまあみやがれと言ってやりたいが、どうもイライラし過ぎてふざけられる余裕はない。
加えて刺される痛みを、この度忘れかけていた俺にとっては実際満身創痍もいいとこなのだ。
「やめてくれ、ハト」
頭が回らないのは、肩からの出血が尋常じゃないからだろう。
そもそも頭に血がのぼるほどの量が残っていないなら、俺は冷静なはずだ。
だからシンの感情を汲まず、敵に惑わされることもなくまだ立ち向える。
なるほど、これが、絶好調ってやつだな。
でもどうしてか、真っ先に口が開く。
「シエルがお前に何をした?お前がシエルに何をした?恩も仇も、与えても与えられてすらいない間柄ですらないくせに、初めて会った女に死ねってか?」
「やめろ」
「お前がシエルの何を知ってる?何も知らないからって他人面するような奴じゃないよな、お前は?何も知らねぇけど、酷い目に遭ったんだから楽にしてやろうとか、そう思ってる人間なんだろうが、お前はぁ!?」
「やめろ!」
逆上したシンが、遂に俺にトドメを刺そうと剣を突き出した。
俺は片腕をやられ、剣を上げて捌こうなどと、できるものじゃない。
代わりに、何故かシンの動きがゆっくりしていて、避けようと思えば避けられる。
アドレナリンが目に集中してるのか?
でも身体に力が入らない。
もしかして、死ぬ寸前かな?
避けても死ぬのかな?
でも見捨てない。
もうあの子みたいに、あいつらと同じ怖い目に会わせたくはない。
その瞬間、俺がとった行動は後に俺自身が驚くべきものだったかもしれない。
怒りに任せて差し迫った鋒を左手で掴んで潰し、破片になった刃をそのままシンに浴びせるという。
まだ使うと思っていた右手の苦労を蔑ろにするみたいに。
正確にシンの喉元に向かい、そしてブチ抜いた。
手応えを感じると、シンは大きく後ろに仰け反るのだ。
という、幻影が見えたような気がする。
事実はシンの頰がわずかに掠っただけだった。
辛うじて避けられるというのは、気分が良くなることじゃない。
いや、ぶっちゃけ当たっていても気分が良くなることはない。
————生きた肉が裂ける感触なんて。
シンは大きく仰け反り、それ以外は無傷のまま地面を転がり急死を免れたのだから、結局ただ気分が悪いだけだ。
「…………もう少しだったな」
「本気か…………」
シンは、咄嗟の俺の行動に信じられないというような顔をした。
その反応は一体なんだ?
まるで俺と同じように、俺がお前を殺すことはないという自信が破られたような。
ナメんな。
「俺は何人も殺してきた…………お前とは違う」
そう言ってやれば、納得してもらえるだろう。
「お前だけだと思うか?」
そうシンに返されて、どうやら俺もシンの覚悟の納得せざるを得ないらしい。
お互いに、苦労が尽きない。
「…………時間だ。今回は見逃す…………ハト、このままで済むと思うなよ?」
「常套句か」
もっとアレンジしろ。
報復は飽きるほど経験している。
幸い全部返り討ちにした。
「シエルちゃんの価値は途方もない。こっちから刺客がいくらでも送られてくるだろう。お前はそれでも守るのか?」
クドい。ウザい。
もしかして心配してくれたのだとしたら、この男にだけはもうこれ以上の面倒をかけられたくはない。
例え、俺じゃなくてシエルに対して感情だとしても、今更、何様のつもりで吐いたセリフなんだ。
「…………じゃあな」
まだ何か言い足りないようだったシンに俺はそれだけ言って制し、預かっていた剣を、本当の持ち主に対して向けていたものを、同時に投げて返上した。
突き刺さりこそしなかったが、側の地面に突き刺さった剣にシンは意を介さず、真っ直ぐ俺を見つめてきた。
そしてボソリと。
「俺が間違っているのか…………?」
俺にも戦意がないことを悟ったか、仕方なく突き立った剣を拾って、苦し紛れに呟いた何かの言葉を最後に、シンは背を向けた。
足取りが重く、早く消え去ろうとしてくれている。
ありがたい。
もちろんトロトロしていたら無理やりにでも息の根を止めに行こうと思っていたところだったのだ。
シエルでさえ、外に出すよりはあの塔に残った方がマシだったに違いない。
シンは何か悔いるように、もう一瞥だけ俺にくれて、止みかけの雨の中、暗い夜道を当てもなく進み、もちろん二度と俺の前に戻ってくることはなかった。
ずっと押し殺してきた、しばらく感じていなかった後悔が押し寄せ、胸が苦しくなる。
シンが間違っていることは何一つない。
駄々をこねたのは俺の方だったのだから。
俺があの偽善者を否定する資格なんてないことに、今更気がついた。
俺がシエルを庇う理由なんて、ほんとは一つもない。
「何やってんだよ…………」
空を仰げば、小粒の雨で顔を洗える。
手が震えているのは多分、痛みのせいだ。
***
「ハト、おはよう」
夜が明けると雨も止んでいた。
馬車をあの場所から離した後、しばらく自己嫌悪に明け暮れていたところだ。
飽きてからやっとシエルの乗る荷車からは離れた場所で寝ようかと思えば、いつの間にか早起き(?)なシエルが俺の頭を叩いて起こそうとしてくる。
寝不足で、今にも二度寝を敢行したいところだったのに、昨晩のことを思い出しただけで眠気が吹っ飛ぶ。
むしろ、俺がこれ以上気持ちのいい夢を見る資格はないと、誰かに言われた気分で。
ったく、もう。
「ハト?」
「…………ああ。うん。あと20分」
「えー…………お腹空いた」
あの村の村長からご飯はいっぱいもらったはずなんだけど…………勝手に食べていいんだよ?
キョロキョロしてるのは、もしかしてシンを捜してるのか。
シエルは昨晩のことを知らないはずだ。
あの後、人数が一気に増えて、一気に誰もいなくなったことも。
だから俺は正直に、伝えておくことにした。
「帰ったよ。シンは」
それ以外、知らなかったことはそのままでいい。
「…………うん」
「食べるものはそこにある。何でも食べていいぞ」
「ハト?」
「はいはい」
偉くしおらしいな、シエルさん。
俺の今の気持ちは、知らないはずだけど。
「これからどこ行くの?」
…………。
これからねぇ。
行くアテなんかない。
だって、俺は今までずっとアカネと旅をしてきたんだから。
家なんかなくても、本来構わないのだから。
でもシエルがいるとなるとそうもいかない。
俺は、彼女を最も信頼できる場所に預けるべきだ。
安全で…………安心と信頼の。
「帰る。なぁシエル」
「うんっ」
なんだ…………急に元気になったな…………。
「シエルは…………何で俺に着いて来るんだ?」
それだけは知りたい。
特に理由もないまま彼女を助ける俺が、彼女を助けていい理由を聞きたいから。
「それは…………」
勿体ぶらないでほしいです…………。
「ハトが安全だから」
…………。
……………………。
何じゃろう、それは?
「昔あなたと同じことを言ってくれた人がいたから。本当に守ってくれたから。ハトも、安全」
……………。
「奇遇だな。俺も同じこと言ってたやつを知ってる」
いい人間に恵まれたわけだ。
その人に感謝しないと。
こんなことも言われなかったかな。
「まぁ、何とかなるよ。この先。俺がいるから」
シエルの快活な返事を区切りに、まずは腹ごしらえと、その後、生の食材に呆然としながら、雨上がりの平原で薪を探しに行った。
やっとひと段落つきましたねっ!
長かったー
サボった…………
気持ち的に限界に達した
でも頑張って先に進めましょうっ
もっと長く続けてる方々に尊敬です




