勇ましき大蛇(オロチ)
その後、博士に教えてもらった部屋に行き、そのまま布団に飛び込んで、眠る。
どのくらい眠ったのだろうか。 俺は部屋の扉をノックする音で目が覚める。 俺は眠い目をこすりながらドアを開ける。
ドアを開けると、そこに博士が居た。
「グッモーニング。 ロウ。 二日酔いは治ったかな? 仕事の時間だ。」
博士はそう言ってウォッチともうひとつ、十字架のネックレスを手渡した。 首に巻く部分は鎖のようになっている。
「ウォッチのメンテナンス 何とか終わったよ。」
そう言った博士の顔はとても疲れたと言いたそうなでもどこか満足しているような表情で言った。 俺は借りていたウォッチを返却し、自分のウォッチを左手首に巻く。
「ありがとうな。 博士。 ところでこのネックレスは?」
俺はネックレスを手に持ちながら問いかけた。
「『お守り』だよ。 使わないことを祈ってるけどね。 ボクは疲れたからもう寝るよ。 あとはもう少ししたらくるオロチに聞いてね。 じゃあ いい結果を待ってるよ。」
博士はそういってフラフラと去って行った。 それと入れ換わりになるように身長が2メートルを超えていて、上半身裸、筋骨隆々の坊主頭の男が俺に話しかけてきた。
「おめー がロウか? 思ったよりちっこいんだな。」
大男はそういってダッハッハと笑いながら俺の髪の毛をグシャグシャとかき回す。
「俺は オロチ ここでナンバー2を面白おかしくやってる人間さ。 さっさと作戦の場所行こうや。 トロトロしてたらおいしいとこ全部持ってかれかねんからな。」
そういってオロチはダッハッハと笑いながら歩いていった。 俺は付いていく前に呼び止め、こう問いかける。
「オロチ! 作戦とかの打ち合わせはないのか?」
オロチは止まって、こちらを不思議そうに振り向く。
「何を寝ぼけたことを言っている。 全員そろい次第、敵の本拠地に突撃する。 それ以上のことが必要か!」
だんだん声を大きくしながら叫ぶ。
「否! 所詮、策というものは圧倒的な力の前には無力なものだ! 卑劣な罠があったら踏みつぶしていけばいいのだよ! さあ行こう! おもしろき戦場へ!」
そう言ってダッハッハと笑いながら歩いていく。 俺はかなり不安になりながらもその大きな背中を追っかけて行った。
ゲートに着いた時、10tトラックが5台ほど並んでいる横に俺のバイクがあり、俺はそれにまたがる。
オロチは先頭のトラックの運転席の上に飛び乗り、オロチはこう叫ぶ。
「勇ましき戦士達よ! さあ行こう! 血と肉の祭典へと! われらは囮らしいがそんな小さき事を気にするな! 本体が到着する前にたたきつぶしてやろうぞ!」
オロチがそう叫ぶと同時に荷台のほうからオオオオ! という声が聞こえる。 どうやら荷台に兵士が乗っているようだ。
「いざ!出陣!」
オロチの合図と同時にシャッターが開き、トラックが進み出す。 俺はアクセルをひねり、一番後ろのトラックの後ろを追いかけ始めた。
オロチのセリフがどうしても無能な指揮官の言葉になってる気がする・・・
どうしたらカッコイイセリフをかけるのか真剣に悩んでいる俺でした。