飲み比べる狼(ロウ)
あのあと何時間たったのだろうか。 いろいろな種類の酒を飲まされたり、人に囲まれたりという騒がしくも楽しい時間を過ごしていた。 途中で誰かが、「クラウドの宴会といえばこれだろ!」 と叫んだあと、「全員参加! 飲み比べ大会だ馬鹿野郎! ここの酒全部空にしてやるよこん畜生!」 そういい、飲み比べをする事になった。
メイド服に身を包んだジェミーが 「私 お酒は苦手だから配ることするね。 リンクス。あなた絶対勝ちなさいよ!」
と言いながらカップに入った酒を配っていた。 この部屋の中に何百人と人が居るのに配りきれるのだろうか。 と思った。
「全員に行きわたったな? ルールは簡単だ! 最後までぶっ倒れずに飲み続けたやつが優勝だ! よーい! スタアアアアト!」
最初に飲み比べをしようと言いだした男の合図と同時に、全員のみだした。
一杯、二杯という状態ならまだいい。 配られる酒はランダムだ。 味わって飲んでいるわけではないが、ワイン、ラム酒、焼酎。 全部バラバラだ。 他に何が配られているか分かったもんじゃない。
近くではバタバタと人が倒れる音が聞こえる。 一体どんなペースで飲んでいるんだ?
そう思い、次の酒を手にする。 飲んだ直後、喉が焼けるように痛む。 これはスピリタス!?
そう思った直後、俺は意識を手放した。
「ロ~ウ。 起きろ~~。」
と言いながら体をゆすられる。 俺は痛む頭を押さえながら、起き上がった。
「やっと目が覚めたね。 大丈夫?」
そう言って博士はコップを俺に渡す。
「その中にウコンの成分を溶かした者が入ってるからそれを飲みながら聞いてほしい。 今すぐにってわけじゃないけど次の任務だ」
「次の任務? 休みはないのか?」
俺は頭を押さえながら呟きに近い声で言う。
「誰も今すぐに出撃させようなんて思ってないよ。 二日酔いの人間を戦場に放りだすほど僕も馬鹿じゃないからね。」
博士はそう言った後、スクリーンを降ろす。
「次に君に襲撃してもらう場所はここ。 『セインツ』が所属する、 いや今はしていたって言った方が正しいかな? 組織の本部の襲撃だ。 『セインツ』以外にもそれなりの強さを持つ敵はいるけど現時点で『セインツ』を超える敵の存在は確認されてない。 安心と言えば安心かな? この作戦はこの基地の戦力の三分の一 大体200人程度の投入が予定されている。 そしてそれを二つのチームに分ける。 『オルトロス』が大将を務めるAチーム。 こっちのチームは敵本部の奇襲をする。 そして君が所属するBチーム。大将はここの二番手 『大酒飲みのオロチ』 通称『オロチ』が担当する。 そしてやってもらうことは単純だ。」
博士は眼鏡のずれをなおし、こういった。
「正面からの陽動。 可能ならそのまま踏みつぶしてもらう。」
博士の眼鏡が怪しく光る。
「面白いじゃねぇか。」
俺はそういって、拳を鳴らした。
最初にこれを書きながら思った事をひとつ。 スピリタス飲んだ時の表現って喉が焼けるみたいな感じでいいのだろうかと思います。 作者はまだ未成年の為酒の感想は聞いた話と想像でしかありません。 訂正できる人が居たら教えてほしいとおもう俺でした。