称賛される狼(ロウ)
「お ジェミー よく帰ってきたな!」
「お帰り~~~。 ところで隣の奴誰? カレシ?」
などと食堂に入った直後に大騒ぎになる。 もともと大騒ぎしてたのかあちらこちらに酒と思われる空き瓶が転がっていた。
「なんだ。 ロウの歓迎パーティー開こうと思ったらすでに祭りじゃない。 どうしたの?」
ジェミーがそう問いかけると急に場が白ける。中には泣きだす者もいた。 しばらくの沈黙の後、1人の男がジェミーに耳打ちをした。 近くに居る俺にも聞こえる程度の声で。
「ジェミーさん、今日 第三支部が壊滅したでしょう。」
「ええ 知ってるわ。 私も第三支部所属だもの。 で? ばか騒ぎするようなめでたい事じゃないでしょ?」
ジェミーが少し怒りながら問いただす。
「ジェミーさんは支部が壊滅したのは初めてで知らないかもしれませんがそこで死んだ仲間に対する手向けでさぁ。 ここに居るのは皆親友や親兄弟を失ったやつばかりでさぁ・自棄になりたいのをこうして発散する。 一種の伝統みたいなもんでさぁ。」
ジェミーに耳打ちした男はそう言って手に持っていた瓶の中身を一気に飲み干す。
「そんなのつまらないじゃない。 そんなあなた達の為にいい肴を持って来たわ。」
ジェミーはそう言った後深く息を吸う。
「ここに居るのは入ったばっかりの新人なのに第三支部のケツ持ちをした男よ!」
と 大声で叫ぶ。
「ただ戦っただけじゃない。 一人一国の軍隊並みの力を持つセインツを相手に生き残り、最後には全滅させるっていう私でもすこし厳しいと思うことをやってのけたのよ? こんなにすごい新人他に居ると思う?」
言い終わると同時にまず聞こえた音はカシャン。 というガラスが落ちて砕ける音。
直後に わぁぁぁぁ! という歓声が沸いた。 そしてチビチビ飲んでいた人たちが騒ぎ出す。
「おい! 今日は大宴会だ! オフの奴全員呼び出せ!」
「酒ありったけ持って来い!」
「最高の祭にしてやるよ!」
「俺達のチームの未来に! 乾杯!」
そこにいた人たちは思い思いの言葉をいって大騒ぎをしていた。 俺は1人、空気に取り残されていた。
「アンタ。 この世界はいってまだ長くないからあんまり知らないかもしれないけどアンタがつぶした『セインツ』って 1人でもあったら死んだと思えって言われるくらい強いの。 そんな人たちを倒したと知ったら盛り上がるのも無理ないわ。」
そしてジェミーはそのあとこう言葉を続けた。
「ようこそ 自由を愛する組織 『クラウド』へ」
そのあと俺は人の波に巻き込まれていった。
最近 少し思うのですが、話しのテンポ もう少し早くするべきなのでしょうか? このままいくべきなのでしょうか。 真剣に悩む俺でした。