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とやかくは言わないけど、皇室典範の話

作者: 奈良ひさぎ
掲載日:2026/07/11

 2026年7月10日、皇族数の確保に向けた皇室典範改正案が衆議院を通過しました。


 特定の宗教に肩入れするみたいなことはありませんが、神社を巡って御朱印を集めるのが好きで、神道にそれなりに馴染みがある日本人として、にわかなりに思ったことを書き残せればと思っています。


 皇室典範の改正案の骨子は、

・女性皇族が婚姻後も皇族としての身分を保持すること

・皇族の養子縁組を可能とし、養子を皇族とすること

です。


 そもそも皇室典範を改正しなきゃという話は、天皇の継承者が男系男子に限られている現状において、どう考えても断絶してしまうだろうという危機感から出ています。確かに宮内庁HPの「皇室の構成図」を見てみると、現在の一般社会の少子高齢化を反映しているかのように、成年皇族の方の数がかなり少ないですし、そもそも男系・女系関係なく男性が全然いらっしゃらないことが分かります。現在の天皇陛下のお子さまは愛子内親王殿下おひとりですし、天皇陛下の弟君、秋篠宮殿下に悠仁親王殿下がいらっしゃいますが、秋篠宮殿下と悠仁親王殿下以外に天皇陛下よりも年下の男性皇族がいらっしゃらないように見えます。少なくとも男系男子に皇位継承者を限定したままで、皇族であらせられる方の数が変わらない限りは、どれだけ長くとも次の次までで終わってしまいます。しかも悠仁さまが何としてでも次代を残さないといけないというとんでもない重圧もついて回ります。ってことは、何らかの形で皇室典範は改正しないといけない。これは分かりますし、世間でいろんな意見を言っている人もだいたいは賛成しているところではないかと思います。


 ここで皇室典範の改正骨子を見ると、男系男子限定だったのが女子もOK、となったわけではないので、例えば愛子さまは今回の改正があった後も天皇即位はできないということになります。天皇即位が可能な範囲を女子にまで拡張すると一気に対象が広がってしまうので、男系男子に限定した時点から数えれば明治以来、天皇家という観点からでは神武以来脈々と受け継がれてきた伝統の重みを考えれば、改正にも非常に慎重になるのは当然のことです。今回の改正案、特に養子の方に関してはむしろかなり思い切ったなと個人的には思います。


 過去には女性天皇もたくさんいらっしゃいました。高校日本史選択だった私個人の意見では、当時の僧道鏡と非常に仲睦まじくなり、道鏡を次の天皇にまで仕立て上げようとしたといわれる孝謙・称徳天皇(日本史上でも珍しい重祚の例でもあります)はあんまり立派な女帝として数えたくないのですが、それはいったん横に置いておいて。そんな何人かいらっしゃる女性天皇も、全員が男系でした。いわば中継ぎとしての登板で、最後には傍系から何とか男系男子を輩出して、受け継いできたということになります。

 今回の皇室典範の改正周りを眺めていると、天皇陛下のお子さまである愛子さまが即位されることの可否が騒がれているように思います。「国民が『愛子天皇』を望んでいる」とか、「女系の容認だ」とか、なんだかどのメディアを見ても偏った意見ばっかり載せて自己満足しているようにしか見えませんが(メディアって元からそんなもんですが)、実際国民がどう思っているかとかは置いておいて、私個人として愛子さまが天皇として将来的に即位されるのは、それ自体は問題ないし、そうなるように多少皇室典範をいずれ緩和しなければならないのではと思っています。愛子さまがお生まれになられた時から今まで帝王学にみっちりと触れられ、国民の象徴としてふさわしい素質をお持ちであることは事実だろうと思われるからです。


 今後さらなる皇室典範の改正があり、愛子さまが天皇即位できる状況になったとして、反対意見があるのは理解しています。

 まず皇族である方の人数が絶対的に少ない状況なので、結局愛子さまが即位してもしなくても「その場しのぎ」にしかならない点。これは全くもってその通りで、政府もそんなことは分かっているはずです。だからこそ愛子さまの即位が実現しようとしまいと、問題が解決できるように養子縁組を組める改正を行なったと理解しています。

 もう一つは、将来的に天皇に即位される方が女系男子になり、神武以来途絶えてこなかった男系の伝統が途絶えてしまうという危惧を根拠とする点。これも可能性はあると思います。いくら女性の社会進出がどうとか、家父長制はもう古いとかいっても、やはり男子を家系図で辿ってゆくと最初の天皇までつながるというのは重要なことで、全世界的に天皇陛下が最上級のもてなしを受けるのもそのつながりがあってこそ。過去、女性天皇が即位された際も同じような議論があったはずなので、いやそんなことはないと否定はできません。


 ただ、今後旧宮家から養子をとるとして、あるいはとれたとして、GHQによって臣籍降下を命じられてから80年経つので、家柄が良いとしても帝王学を身に染みて理解いただくには相当長い年月がかかります。その間男系男子に限定して天皇家を維持するのはかなり不可能に近く、たとえつなぎの役割だとしても、愛子さまに国民を見ていただく期間は必要になるのではないかと思うのです。国民がどうこう騒ぎ立てる話ではないのかもしれませんが、意見を何か一つ持っておくのは必要ではと、そう思ったのでした。

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