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後方腕組み師匠面(ししょうづら)しているだけの俺が、実は世界最強の剣聖だった件  作者: 街角のコータロー
第1章 勇者と聖女

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【幕間:魔族の街とミスリルの誘い】

「――ここが、ワタクシたち一族が治める街ですわ」



ミラに案内され、認識阻害の霧を抜けた先。


アルドの目に飛び込んできたのは、自分の村がいくつも入ってしまうほど巨大な、石造りの活気ある街だった。  


高くそびえ立つ尖塔、行き交う人々(ドワーフ族が主だが、アルドの目には少し背の低い普通の人間に見える)。


そして何より目を引くのは、街の背後に鎮座する、銀色に輝く巨大な山だった。


「すごいな……こんな近くに、こんなに大きな街があったなんて。あの山、少し光ってないですか?」


「ええ、あそこはミスリルの原石が採れる鉱山麓の街。ワタクシの領地でも、もっとも重要な……ええ、『経済の拠点』ですのよ」


 ミラはさらりと答えるが、実際は魔王軍の軍備を支える超重要拠点である。  


アルドは感心したように頷いた。


「へぇ、ミラさん達はこんな立派な街を管理しているんですね。それなら、トカゲの討伐なんて兵士さんに頼めばいいんじゃないですか?」


 その言葉に、ミラは困ったように眉を下げ、名演技を披露した。


「それが……お恥ずかしい話、今は『人手不足』なんですの。最近、近隣の領主(他の魔王たち)との小競り合い……ではなく、外交問題が立て込んでおりまして。腕の立つ者たちはみな、国境付近の警備に駆り出されていますのよ」


 嘘ではない。実際、魔王軍四天王たちは他魔王勢力への対応で、文字通り不眠不休の警戒態勢(国境待機)に入っていた。


「なるほど、領主さんは大変なんですね。……それで、私「いつも使っている口調で大丈夫ですわ。」……俺への依頼っていうのはなんでしょうか?」


「ええ。鉱山の入り口付近に、例のオオトカゲが住み着いてしまったようでして。職人たちが怖がって、仕事にならないと泣きつかれているのですわ。ですが、ワタクシが直接手を下すのも外聞が悪いですし……」


 魔王が雑魚モンスターを自ら狩るのは、威厳に関わる。何より、ミラはアルドの戦う姿を間近で、特等席で見たいだけだった。


「……というわけで、アルド様。街の平和のため、そしてワタクシのために、力を貸していただけませんか?」


「街の人が困ってるなら放っておけませんね。わかりました、そのトカゲを追い払えばいいんですか?」


「追い払うというか、根絶やし……いえ、完膚なきまでに叩き伏せていただければ。ああ、そうだわ。報酬は、その鉱山で採れたミスリルを好きなだけ差し上げます。貴方のその武具、少し手入れが必要そうですし?」


 アルドが肩にかけている斧――村の薪割りに使っていた小ぶりなもの――を見て、ミラが微笑む。


彼女は既に、最高級のミスリルをアルドに贈る準備を整えていた。


「ミスリルか……。それはどんなものなんですか?」


 アルドの回答に、ミラは微笑みを浮かべ、「ふふふっ……後でゆっくり教えますね。」と真紅の瞳を輝かせるのだった。



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