メリル・レイ・カルバリオン
メリルの初戦は圧勝であった。しかし、この結果に興味を持ってしまった勝利の女神の眷族ニケに目をつけられてしまう。
GF初戦を終えてエルメスと婚約者メリルの名が表立って噂されるようになった。
以前は天界No1の容姿を誇る美男子が、人族を婚約者に選んだと噂になっただけだったが、それ以上の話題にもならなかったのだ。
穏やかな性格のエルメスの事である。自分の可愛がっている眷属を下世話なGFに積極的に参加させる事はなく、メリルを対外的に天界の表に出す事すらなかったからだ。
エルメスに言わせれば「愛する美しくも可愛らしい妻を、他の誰にも見せたくない。」らしい。
しかし、今回序列5位に属しているエルメスが、序列10位以下の成りあがりの神族が凶悪な眷属を利用して覇権を取りに来たのだ。
一方でエルメスは平和主義であり、GFに参加する気もさらさらなかった。
周囲も遠慮して今までは、ただの一人も挑戦してこなかったのだ。
しかも、天使の血統を引き継ぎ、過去最強の能力を持つであろう彼女とは言え、神にとっては所詮はヒト族である。
下位の神族にとっては、良いカモと考えられても仕方なかったのだ。
それが実際に出場して来たメリルは、外見は最も美しいと天界で評されたナルシスにも比される容姿を持ち、アフロディーテにも負けないエロスを放つ天使だった。
その彼女を今回GFでメチャクチャにしてやろうと考える猟奇的な下位の神々は多数存在していた。
しかしメリアの実力は格上であり、実際の対戦に至ってはでは、メリアに追い詰められたティエーネは、コロシアム全体に無差別に毒の霧を拡散したのだ。
そして防いだのは、今回のGFの勝者である戦聖女メリルであった。
もしも、メリルが魔法大国アンブロシア最強の戦聖女でもなければ、他の神々まで巻き込まれて大惨事に発展していた筈である。
メリルは、前聖戦で楽園エリシオンを破壊し、戦神すら冥界に葬った『神殺しのルーナ女皇』の傍系にあたる血統を受け継いでいる。
存在し得る全ての魔法を無詠唱で自在に操れるメリルは、このルーナ女王の遺伝子を強く発現して生まれてきたのだろう。
更に性格も明るく天真爛漫であり、その物怖じしないその振る舞いも、ヒトでありながら高位神たるエルメスに愛された要因であろう。
エルメスに言わせると、才能、容姿、性格、三拍子揃っていたのだ。
さすがに天界では嫌われているヒト族ではあるが注目されない訳はなかったのだ。
そして、このGFで悪い意味で目立ってしまったのだ。
ある戦神の眷属がメリルに目をつける。それは、女神アテナの眷属ニケだった。
ニケは長きにわたり女神アテナを勝利の女神と呼ばれるまでに押し上げた立役者であるが、今回のGFで披露したメリルの剣術が目についてしまったようなのだ。
「あのヒト族は、剣も極めているのか・・・過去に会った事のある中でも最強と謳われた『神殺しのルーナ女皇』よりも強い・・・いつか手合わせしてみたいものだ・・・」勝利の女神に目をつけられた瞬間だった。
しかも、アテナの序列は6位でありGFでメリル勝利すれば主人の神格も上げる事が出来る。
ニケには、魅力的に見えて当然の相手だったのだ。エルメスの眷族たるメリルにGFの挑戦する事を決心したのだった。
今回は、更に文章が下手でした。描きたい内容がまとまらなかったかんじですが御閲覧、ご意見などありましたら宜しくお願いします。