表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

GF1「ベノム」

エルメスの婚約者でありながら、人族であるメリルは、ガーデアンズファイトの挑戦を受ける事となった。相手は下位神であるアレカサリアの眷属・毒蛇ティエーネであった。負ければ、エルメスの序列に関わる一戦である。主人の名誉を護るため、メリルは戦場の扉をひらくのだった。

 夜が明けていよいよ初戦の幕が開ける直前。


 「メル、危なくなったら直ぐに逃げてくるんだよ!」エルメスは心配で念を押してくる。


 「君のこの美しい肌が傷付いてしまったら相手の神をただじゃおかない。」


 「おかしいなぁ・・・私はそんなに弱くないよ。心配しないでください。」エルメスの不安を解きほぐすように優しく諭す。


 メリルが先にコロシアムに入場してきた。


 メリルの美しさに観衆は歓声をあげる。


 光の羽衣で身を包み真っ白で大きな2枚の翼を背負った美しい天使の姿が視線を集める。


 好意的な神々はその美しさを讃美するが、一方でこれから起こる惨劇に巻き込まれ、汚されていく彼女の姿を想像して嘆く声も多かった。


 悪意を持った者たちは過去のGFに負けてズタズタに引き裂かれた敗者を姿に想いを馳せるのだ。


 そして反対側の入り口からアレカサリアの眷属はティエーネの入場である。


 血のような鮮やかな赤い髪、燃える様な瞳の色は純白をイメージさせるメリルとは対照的であり、これから起こる惨劇に期待する不届き者も多かった。


 そしてついにジャッジが戦いの鐘を鳴らした。大歓声がコロシアムに溢れた。





 ティエーネは、強かった。自分の外皮を針の形状に変化させ毒を纏わせて無数に放つ。


 本来は逃げる場所など無い。 


 この毒針を避けきれないと言うだけで過去に戦った他の神々の眷属達は敗北し生死を彷徨ったのだ。


 「ホーリィシールド」メリルの聖なる防御壁は、その回避不可能とまで言われた広範囲な全ての毒針を苦もなく弾く。


 それでもティエーネの攻撃は激しさを増していく。


 メリルの周囲の地面から数百もの毒の結晶でできた槍が突き出してくる。


 「ディメンションバースト」メリルは、空間爆破魔法で毒槍を破壊して自らの安全空間を確保。


 メリルは全属性の魔法を無詠唱で放つ事が出来るのだ。中でも無属性の空間魔法・転移魔法は得意で使い慣れているのだ。この多彩な魔力操作が、あらゆる特性の攻撃を防いでくれるのだ。


 続いてメリルは、素早く反撃に移行する。


 翼を羽ばたかせてティエーネの頭上に移動すると細剣を抜いて切りかかる。


 またもティエーネの毒槍が、空中に浮遊するメリルをめがけて聳え立つが、「シュイーン!」メリルが細剣で薙ぎ払うと何の抵抗もなくあの太く硬い毒槍は刈られて行く。


 メリルは祖国にいた頃は剣神の称号を受けるほどの達人であり、彼女の放つ斬撃の全てはクリティカル判定を受けるほどの有効打なのだ。


 その卓越した上空からの高速連続攻撃は、ティエーネのベノムスキルをも追い詰めていく。


 「おのれ小娘!」


 追い詰められた毒蛇眷族は、なりふり構わずコロシアム全体を覆い尽くすほどの広範囲に紫色の毒の霧を撒き散らす。


 観戦している観客席を巻き込む無差別攻撃を解き放つ。その紫の霧は、極めて拡散が早くエルメスさえ貴賓席から逃げ遅れてしまった。


 「エルメス様!今お側に参ります。」


 メリルは瞬間移動でエルメスの目の前に出現、大きな純白の翼でエルメスを包み込んで、最高位に属する広範囲浄化魔法を解き放った。


 「エルメス様、暫く眼を閉じていて下さい。浄化魔法ではありますが、視力が一時的に奪われてしまいます。」


 「あぁ、分かった。」エルメスは満足げに微笑むと眼を閉じる。


 「セントピュリフィケーション‼︎」


 メリルは全身から眩い光を放ち、コロシアム全体を覆い尽くした。


 そして、聖なる浄化の閃光は全ての毒霧を無効化し、敵であるティエーネすら包み込む。


 結果、全身が毒に侵されていたティエーネ自体も浄化されてしまい、真っ白い砂となって崩れ去って行った。


 何とか生き残ったジャッジがメリルの手を挙げた。「勝者!メリル・レイ・カルバリオン・ウル・エルメス!」


 エルメスの名誉を護り初戦を飾った天使は、主人に抱き締められ、眩しい笑顔をみせてくれた。



また、行き当たりばったりなのですが、神の眷族によるイベント戦と言う形で、また新たな創作を開始してみたいと思います。どうか、御閲覧お願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ