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もう限界です。

連続投稿になりますー!!

少しだけ空気感重いです!

次回もどうぞよろしくお願いします!

やっと少しずつこの監視されているかのような日々に馴れ始めた日の事


――ガチャ

とノックも無しに急に扉が開くと

「お嬢様!本日、殿下が訪問されるそうです!よかったですね!」


まるで自分の事のように嬉しそうにソフィア専属の侍女であるエマが話しながらソフィアの自室に入ってくる、普段ならしっかりノックもする子なのに相当嬉しかったのだろう

それに小さい頃から屋敷にいる事もあり二人の間には主人と使用人の他にも姉妹のような絆もあって他の使用人に比べたら少し距離が近かった。


「そう、今日殿下がいらっしゃるのね・・・」


エマが嬉しそうにしている傍らソフィアは特に嬉しいという感情が湧き出る事は無かった

それもそのはずだ、もうあれから一か月以上も経っているのだ

それから特に連絡もなく変わらず屋敷には護衛騎士がおり中々一人になれない日々を過ごしていた

むしろルースが来てくれる事でやっとこの日々が少しは楽なものに変わるかもしれないという所にホッとしているところだった


確実にソフィアはあの日から"もう終わりにしたい"という思いが強くなっていた


「お嬢様・・・」


悲しいのかよく分からないそれでも嬉しそうには見えないそんな主人を目の前にしてエマは胸が苦しくなってしまう

こんな状況になる前のソフィアは気品があり美しく気高くて思いやりのある優しい令嬢だったのだ

だが今のソフィアはあれ以来何かが欠けてしまったようにシュンとなって元気がなく、食事も前より少なくなっていた


「大丈夫よエマ、とりあえず支度をしましょう」


なんだか微妙な雰囲気にはなったが殿下が来るのなら支度をしなければ

殿下とはしっかりと今後の事について話さないと・・・


そうして準備を始めて数時間後————



「ソフィア久しぶりだな、・・・すまない」


殿下が屋敷に来たと聞いてホールまでお出迎えに来たソフィアに待っていたのは

ルースからの謝罪の一言だった


「・・・何に、対しててございましょうか・・・」


怒りも何もない

今はただもうその謝罪がなんの謝罪なのかソフィアの疲れた心では考える事も出来なくなっていた

「・・・・。」


ルースはそれ以上黙ってしまった

ずっとホールにこの国の王子を立たせるわけにもいかないだろう

そう思いソフィアが口を開く


「とりあえずこちらえご案内いたします、急な殿下の訪問ともあり父と母は只今遠方の領地へと行っておりまして、この屋敷には私と兄くらいしかいません、ただ兄も外出しておりしっかりとお出迎え出来ず申し訳ありません」


そう、今回の訪問はかなり急なものだったのだ

家族みな丁度大事な仕事がありこの屋敷は今ソフィア一人に任されている


「大丈夫だ、そこはしっかり把握してここには来た、何も問題はないむしろ急な訪問になってしまってすまなかった」


今日のこの日の用事について把握していたのはびっくりであるが

まぁ、国の王子であるしそういう情報は早いのだろう

ある程度歩きながら会話をした後はお互い無言になってしまったが

ルースを応接間に案内する


お互い座って侍女が紅茶を出した後、すぐに本題に入る


「殿下、もう私は限界でございます・・・」


ルースにも何が限界なのかもう薄々感じているんだろう

数秒黙った後


「わかった。」


ルースが一言呟いたその瞬間ソフィアの瞳から涙が流れていた

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