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二人の心の内

お待たせしました!

次回もどうぞよろしくお願いします!

ここはソフィアの自室

なぜこんな所にいるかと言うと・・・

青の間で二人きりになった後の話、そのまま会話が続くかと思いきや

ルースは口を開くと「ずっとここで話してたし少し場所を変えよう、そうだな・・・君の部屋なんてどう?」

という提案をして別に見せてダメな物なんてないしソフィア自身もくつろげる場所に移動したいと丁度思ってたので移動して今に至る


今はソフィアの部屋にある人掛けソファーにテーブルを挟んで向かい合って座っている

侍女のエマに紅茶を淹れてもらい小休憩と言ったところだろうか

少しゆっくりした後、カップを置きルースが口を開く


「それで?ソフィアの考えを聞かせてほしい」


そう真剣な顔で聞いてくるルースだがソフィアはその質問の意図が分からなかった

特に今の状況で考えてる事なんてない

一介の令嬢にこの状況を打開する策など思い浮かばないのだからとソフィアは心当たりもなく首を横に振る


「殿下の仰っている質問の意図が分かりません、私はただの公爵家の令嬢です。一般的な令嬢より色んな教育を受けてきましたがこのような状況における対処法など教わった事もありませんので殿下のご期待に添えず申し訳ありません」


淡々とそう口にする、まさしくその通りなのだがルースは納得していないかの様な顔をした


「んー・・・まぁ、分かった、それについては今はそれで納得しておこう、君は?俺に聞きたい事とかないのかい?二人きりで話す事なんて今までなかったのだしこの際だ、君とはしっかり話し合いたいと思ってるんだ」


そういいながら足を組みなおしにっこり微笑むルース

なんだか自分の今後の作戦が全て見透かされているようでドキッとするがなんとか繕う


「特にありません、それにこの婚約も父や国王が決めたことでございましょう?そこに気持ちがない事は仕方のない事ですわ、最近では自身の身の回りの事で殿下のお手を煩わせて申し訳ありません、ですが殿下はどうぞお気になさらないで下さいませ」


出来るだけ平常心を装い話す

そして、きっと二人でしっかり話す時間はそうそうないだろうと思い今の胸の内をほんの少しだけ見せる事にした、だが一つでも動揺を見せたら今後計画してる事もここで終わりになるかもしれないと直感的に感じているので言葉は慎重になる

それにルースの気持ちにも少なからず感づいているソフィアだがそこも気づいていないフリを徹底する


「そうか、君の考えはとりあえず分かった、そして一つ訂正だ、この婚姻に関して国王は殆ど介入していない、あるとすれば君との婚約を認めた時くらいだ、俺の婚約者相手に国王から君の名前が出たことなど一度もなかったなのでこの婚約は政略結婚などではない」


「え?でしたらなぜ私は殿下の婚約者になったのですか?公爵であるお父様が立候補する訳がありませんもの・・」


とても動揺した

心の奥底では国王と父が決めたことなら受け入れるしかないのかもと半ば諦めかけてもいた

それなのに実際は違う?では、一体誰が私を婚約者候補として名前をあげたのか・・・

公爵である父が国王に娘を推薦しないのは分かる、唯一の公爵家、そしてその公爵家は忠誠を誓っている

それならば嫁がせるならもっと国の未来に繋がるところを考えるであろう

その場でソフィアは考え込んでしまう


それを見ているルースは迷っていた

自分が国王に推薦して、時間をかけて公爵を説得したという真実を話すべきか否か

元々ここまで婚約を嫌がっているのだ、もしその婚約者である自分が推薦したと知ればもっと嫌われるのではないか、そんな不安が拭いきれず言葉を躊躇う


「君は、もし推薦した者を知ったらどうするんだ?」


恐る恐る聞くルース、相手に対してこのような感情になるのは初めてだった

今は彼女から発す言葉一つ一つがとても怖い

自分に対して言ってる言葉ではないが推薦したのが自分だからこそ心が締め付けられそうになる


「そうですね・・・もし知ったら、どうするんでしょうか・・・でも、理由は聞いてみたいですねなぜ私なのか」


少し考え込み小さい声で呟くソフィア

ルースもソフィアの考える事は分かっていた

(君の事が好きだと、今言ったら君は俺を避けるだろうか・・・)


やっと少しずつ近づいた距離をその言葉で崩れ去るくらいなら今はまだこの距離を保っていたい

そう望んでしまうルースだった

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