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また近づく心と距離

連続投稿です!

今日は頑張ってます!

また次回もよろしくお願いします^^

冷え切った部屋、目を伏せる使用人達

あの発言から時が止まったように感じたが少しの間をあけてルースがそっと顔を上げ

まっすぐに目をソフィアに向ける

いつもなら優しく見つめてくれる虹色のような美しい瞳は

怒っているようにもとても悲しんでいるようにも見えて心が締め付けられた


「殿下・・・大変無礼な発言をしました、申し訳ありませんどうぞ罰をお与えくださいませ」


ソフィアはすぐにソファーから立ち上がりルースの前に膝をつく

これは完全に自分のせいだ、自分自身でもそれは自覚していた

王族がわざわざ一国の王子を動かしてまで令嬢を守ろうとしているのだ

そこには国王もそれに公爵である自分の父親も関わっているんだろう

それなのに今の自分の発言は軽率だった


そしてルースの言葉を待っているとそっと肩に手が置かれた

驚いてその手の先を見ると目線を合わせるために膝をつけたルースが先ほどの怒りの色を無くして今は悲しさだけが残る瞳でソフィアを見つめていた


「そのような考えをさせてしまったのは、きっと俺のせいなんだろうな・・・」


ぽつりと二人だけにしか聞こえないくらいの声で呟く


「殿下・・?」


今のルースが何を考えているのか分からないが心がだんだんと締め付けられていく


「すまないが、ソフィアと二人にしてくれ」


ルースはソフィアから一度視線を外し使用人に告げると皆なにも言わずに一つ礼をして

静かに部屋から出ていく

あっという間に私とルースだけの空間となった

少しの沈黙が流れるがその静寂を破ったのはルースの方だった


「とりあえず一度座らないか?こんな所に座っていたら辛いだろうし何よりこんな床に君を座らせておきたくないんだ、こっちにおいで」


先程の事が無かったかのようにいつものような、ううん、今まで以上に優しい声音で自分の隣に座るように促すルース

自然とその横に座ろうとした時に腰をグッとひかれ気づいたらルースの膝の上へと横抱きで座っていた


「で、殿下これは・・・」


流石に先ほどの事があってからではなんだか居たたまれなくてもぞもぞとその状況から抜け出したくて動くが相手は男性だししかも日頃から鍛えてるのだ、一介の令嬢が敵うはずもなくビクともしない

するとルースはそんな様子をみてクスっと笑うと悪戯な顔をした


「罰を与えてほしいんだろ?それならこれが君への罰だよ」


そしてまたぎゅうっと腰を抱き寄せる

先程より近くなる距離に胸の鼓動が聞こえてしまうのではないかと思うほど早く大きく鳴る


「さてソフィア、あんな事を言ったんだ今日はとことん俺と話そうか」


そう言ってルースは先ほどのしんみりとした空気とは裏腹な爽やかな笑みを浮かべていた

私は今から起こる事が予想もできず不安な心とは裏腹に

今までより心がまた少し近づいた気がしてルースに心惹かれていたのをまだ気づいていなかった

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