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どうやら王子は自分の事には疎いようです。

「それで?まずはどうして俺が君以外に好いてる女性がいると思っているんだ?」


先ほどと打って変わって冷静さを取り戻している王子

[腹を割って話そう]と言うのはあながち嘘ではないようだ…

ではこちらも流石に王族なので出来るだけ言葉を選びつつ不敬にならないように…


「あのっ」

「あっ、丁寧な言葉を使う必要はない、単刀直入に言ってもらって構わないよ(ニコッ)」


言葉を発する前に遮られてしまった…ていうか、あれ?私の考えてる事なんで分かるの…?

あれ?私、口に出すような間抜けでもしちゃったかしら?

というか、その爽やかな美形でその笑顔は破壊力がっ!!!

という雑念が巡るがそれはひとまず置いといて…


「こほんっ…では単刀直入に言います。」

「あぁ、頼む」

「最近、噂が出回っているではありませんか、私はそれを懸念しているのです。」

「え?」

「あの噂さえなければ婚約破棄などのお話しにはなっていないですわ、そもそも婚約の時に殿下は[他に妃は娶らない]とお約束して下さった筈なのに…」


こうして言葉にすると実感がわいて心が少し重くなってしまうがここを離れるまでは出来るだけ心を平常に保つように気を付ける

その間にもルースは最初困った顔をした後、考える様に黙ってしまった


そして数分経ち、ルースは再び口を開く


「その、申し訳ないのだが、噂とはどんな噂なんだ?すまないが全く見当もつかないな…」

「・・・・・・え?」


なんとなく先ほどの反応からしてそうなのかと思ったがやっぱり…?

え?でも、割と噂されてたよね???あれ?

とあれこれ考え始めてしまうがとりあえず一旦そのことは保留だ


「えーっと…一部の貴族の間で殿下が私以外の女性と親しく楽しそうに歩いていたという噂が流れているのです。ご自分の事でしたのにご存じでありませんでしたの?」


いや、あれ?ルースってかなり周りからの評価も高いしだからこそ誰もがみんなルースが即位すると思っているし…

これが彼の素なんだろうか…

と少し疑いながらもいつものクール系とのギャップに少しキュンとしてしまう私はチョロいな

と無駄な事も考え始める

そして事の真実を話すとルースは今まで見た事ない冷たい目になっていた

その時、王の御前で感じる威厳というものをルースからも感じて改めて実感してしまう

(やっぱり、王にふさわしいのは殿下だわ…)

ゴクリと唾を飲みルースの次の言葉を待つ

するといつもとは違う低くて圧のある声音に変わっていた


「なるほど、そんな暇な貴族がいたもんだな…?わざわざ俺のありもしない噂を流すとは不敬罪で裁かれたいらしい」


優しく微笑んでるように見えるが目は笑ってないし声はいつもよりなんか違うし

こわいよおおおおひいいい!

と思っていても気は抜かず表には出さないように気を配る

そうするとハッとしたようにルースはいつも通りの雰囲気に戻り


「あぁ、すまない、そんな噂が出回っているとは知らずに驚いてしまったよ」


いつも通りでホッと胸を撫でおろす。

雰囲気も優しい空気に変わったのをチャンスに気持ちを取り繕うためにも紅茶を一口飲んで気持ちを落ち着かせる

うん、大丈夫そう…まだいけるわね

そうやって気持ちの整理をしているその光景をルースが愛おしそうに見つめているなんて私は知らなかった


一日に一本か数日に一本のペースで上げていきます!

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