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【完結】アカシックレコード  作者: 白黒羊
第玖章 輪廻転生篇

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81/83

EP63 見上げた星空、二つの月

バジュラ銀河団における、ドラゴプロクスとドラゴギゥイルの復活と消滅。ドラゴゲネシスの森羅光封剣の奪還と超巨大ブラックホールの形成。世に言うバジュラ動乱から130億年。

その間にトレシー・アグリアが発生し、王は銀河一つを犠牲にそれを封じ込めた。そして宇宙全域にテクノロジーの上限を定めた。以来、機械化が進んでいた行為の後退が進み、奴隷という概念が一般の間にまで復活した。

しかし遂に起こったいわゆる"奴隷"と呼ばれる人々の蜂起により、王は奴隷制解放の勅命を宣言した。

これにて形式上は奴隷制が廃止された。だが、この広大な宇宙の星一つ一つを調査した訳ではなかった。秘密奴隷と呼ばれる人々は、未だに超法規的労働を強いられていた。秘密奴隷は特に、奴隷として利用するために作られた生命体が多かった。


宇宙の中心、レグーノ銀河団から64リトヤールの地点にある惑星、ウルチモ。

その星はカルス石の産地であった。カルス石、それはこの宇宙で生活する人々の基盤を支える鉱石。

ウルチモにてその鉱石の採掘を担っていたのは秘密奴隷であった。

そんなウルチモに暮らす秘密奴隷の青年、シルフ。彼は今日も、全身真っ黒になりながら、ツルハシを手に坑道を掘り進めていた。


カンカンカンカン


終業時間を知らせる鐘の音が響いた。

シルフはまず休憩所の脇に設置された浴場に向かう。握ったら潰せるほど小さくなった固形石鹸を優しく泡立て、泡で全身を包む。そうしたら石鹸の脇に垂れ下がっているホースを手に取って水で泡を落とす。

これが一日の風呂。服の洗濯は週に一度。衛生状態は最悪だが、奴隷は死ぬまで働かせられ、死んだら替わりが補充されるだけなので問題はない。臭いなどもってのほかである。

風呂が終われば次は飯だ。

種から作物を育て、調理して飯にするのがこの星の女の秘密奴隷の仕事である。因みに週一の洗濯を行うのも当然彼女らである。

飯は椀一杯の芋粥。味が無いので美味くはないが不味くもないのが救いである。例え不味かろうが、彼らはこれを喰うしかないだろうが。そして二週間に一度、追加で肉が振舞われる。だが一人分で満足など決してできない。肉が出る時は、大抵奪い合いである。貸し借りは肉で払うなんてこともザラである。

飯の後は、就寝時間まで唯一の自由時間である。シルフのタイムスケジュールなら、毎日この時間は三時間ほど取れる。人によっては風呂や飯に時間をかけるが、水は使うほど料金が上がるわ飯のおかわりも料金を取られるわで、そのような人間は滅多にいない。

専ら皆、酒を飲む。もちろん給料を使ってだが。一応、奴隷にも給料は支払われてはいる。しかし月の水道代や飯代、酒代に使うと手元に残る金は無に等しい。

酒の飲めないシルフは、毎日宿舎近くの丘で星を見つめていた。酒は両親が死んだ時に一度だけ飲んでみたが、胃の中のものを全てぶちまけたことがトラウマになり、それ以来口をつけていない。金の無駄である。

「シルフー」

名を呼んで駆け寄ってきた少女の名はルカ。彼女もまた秘密奴隷である。

「おつかれ、ルカ」

「シルフもお疲れ様」

「うん」

シルフはまた空を見上げた。

「今日も星を見てるのね」

ルカはシルフの隣に腰掛けた。

「うん」

「今日の星はどう?」

「うん。いつも通り」

「そっか」

「うん」

ルカも空を見上げた。

「ルカ!」

そこにセルエスがやって来た。これでいつもの三人組が揃った。

「お疲れ様、セルエス」

「ああ。ルカもお疲れ。シルフもな」

「んあー」

セルエスはルカの隣に腰掛けた。三人の間に静寂が走る。静かで、それがシルフにとって心地のいい空間。

「ねぇ、生まれ変われるなら何になりたい…?」

大抵、それを破るのはルカだった。

「急に何言い出すんだよ。ルカ」

乗っかるのはセルエス。これもいつも通り。

「今日の休憩時間の時にお話ししたの。奴隷なんかじゃなくて何になりたいかって」

「何になれるんだ?」

「なんでもよ」

「なんでも?」

「そう」

「星とかも?」

ここでシルフが口を開いた。

「きっとなれるわ」

「じゃあ僕…金持ちになりたい」

「そこは星じゃないのかよ」

セルエスがツッコんだ。

「金持ちになって、みんなが平等に暮らせる世界にしたい」

「自由じゃなくていいの?」

ルカが尋ねた。

「何言ってるんだ、平等の方が幸せだろ」

セルエスはシルフに賛成した。

「そっか…」


カンカンカンカン


鐘の音が空の下にまで微かに漏れた。

「まずい、就寝時間だ」

「早く戻りましょ」

「うん」

こうして一日がまた終わる。それぞれが明らかに定員オーバーの部屋で、ルームメイトと共に身を寄せ合って眠った。


カンカンカンカン


宿舎に起床の鐘が鳴り響いた。起床、始業、終業、就寝。秘密奴隷達はこの四つの鐘の音に従い日々を過ごしていた。


ある日、いつもの丘で三人が話していた。

「聞いたか、近くの坑道で暴動が起きたって」

その日はセルエスが切り出した。

「暴動?」

「そうだ。どうやら仕事を放棄したとかで雇用主と争いになったらしい」

「それでどうなったの?」

「雇用主らが手を焼いていてまだ解決していないとか」

「つまり?」

「働いていないんだよ!坑道や宿舎に立て籠って職務放棄さ」

「看守は?」

通常、奴隷の監視役として最低一人は看守がついていた。看守が鐘を鳴らす係でもある。

「多分襲ったんだ」

「度胸があるな」

看守には如何なる場合においても銃の使用が認められている。大抵、新入りが入ると見せしめとして奴隷の誰かが射殺される。逆らえばどうなるか、頭に刷り込ませる為だ。

シルフはその看守に逆らったことを度胸があると言っている。


明くる日、シルフは昨晩の会話について考えていた。

「反乱か…」

シルフはツルハシを振り下ろした。

「シルフ!こっちに爆薬を持ってきてくれ」

「分かりました」

シルフは坑道の外れにある爆薬庫に向かった。そこで言われた通り爆薬を調達し戻ろうとした時、建物の裏から話し声がするのが聞こえた。

サボりは看守にリンチにされる。バレる前に忠告しておいてやろう。そう思ったシルフは声のもとに顔を覗かせた。

「あの…あなた達、バレる前に仕事に戻った方がいいですよ」

そこにいた三人の男は引きつった顔でシルフを見つめていた。

「お前…名前は…」

男の一人が口を開いた。

「え…シルフですけど…」

「シルフか…」

男達は目配せをした。そして頷き合った。

「俺たちは秘密奴隷解放同盟」

「え…?」

「聞いたことはないか?」

「まさか、近くで暴動を起こしているって噂の?」

「暴動だなんて失礼な。これは革命だ。秘密奴隷による秘密奴隷解放の革命。丁度いい。君も協力してくれ」

「えと…僕仕事があるんで、これで失礼します」

「午後17時!ここに来い」

「破れば…?」

「明日事故で一人の奴隷が死ぬ」

シルフは爆薬を抱えてそそくさと逃げた。

「協力しなきゃ殺される?冗談じゃない」

シルフはそう呟きながら爆薬を届けに向かった。


カンカンカンカン


その日の晩、三人はいつもの丘の上にいた。今日は待ちに待った肉の日であった。

シルフとセルエスは満足気に星空の下に寝そべっていた。

「どうしたルカ、なんか元気なくないか」

セルエスは尋ねた。

「私…お肉…食べられなかった…」

「え?」

シルフは聞き返した。

「今日、年上の人に全部取られて、私の分、なくなっちゃったの…」

女の秘密奴隷が肉を食べられる日こそ滅多にない。

「食べたかったのに…」

「そっか…」

シルフは人知れず拳を握りしめた。


午後19時前。つまり35時前。シルフは宿舎を抜け出した。もちろん見つかれば何かしらの罰は受けることになる。それも覚悟の上だった。足音を立てないように慎重に爆薬庫へ向かう。

「来たな。時間通りだ」

シルフは頷いた。

「ついて来い。俺が良いと言うまで絶対に口を開くなよ。何も喋るな」

シルフは再び頷いた。

「では行こうか」

日中の三人組の一人に連れられ、シルフは真っ暗な坑道の中へと入っていった。シルフは眉をひそめたが、言いつけ通り口は真一文字に結んだままだった。

男は坑道のかなり奥へと進んだ。シルフは、この道は採掘しきっているはずだけどな、と思った。

男は突然左を向いた。シルフの記憶と現在位置の把握が正しければ、そこは壁である。


ガチャ


鍵を回す音がした。シルフの何が間違っていたのか。扉が開く。男に続き、シルフも中へと入った。

いや、シルフは何も間違えてはいなかった。そこは本来壁であり、秘密奴隷解放同盟が隠し扉を設置した。

「もう喋ってもいいぞ。ようこそ、我ら解放同盟の秘密基地へ」

シルフは目をしばたかせた。中では電灯が灯っていた。

そこは宿舎の部屋よりは大きな空間であった。中央に円形の机があり、どこかに繋がるであろう扉が二つあった。

「やあシルフ。半日ぶりだな。来てくれて嬉しいよ」

「とりあえず、ここに座ってくれ」

シルフは背もたれを引き指示された椅子に腰掛けた。正面に一人と左右に一人ずつ、三人組が座った。

「この会議に参加できる同志は稀だよ。良かったなシルフ」

「はぁ…あの…ここでも反乱を起こすんですか?」

「単刀直入だな。その通りだ」

「革命だ。シルフ」

「あ…すみません」

「俺達は革命のプロだからな」

「それに僕が協力しろと?」

「俺達はここの人間ではない。現場の人間が必要なんだ」

「どうして僕なんですか」

「巡り合わせ、というやつだろう」

「何もタダで命をかけろと言う訳じゃない」

「革命が成功すれば、君も手にするんだ」

「何を?」

「平等」

シルフは俯いた。そして椅子の下で拳を握りしめた。

「…僕には、ルカという友達がいます。彼女は、今日肉を…奪われたんです。同僚に。僕は…彼女に肉を喰わせてやりたい」

「シルフ、君を歓迎する。ようこそ秘密奴隷解放同盟へ」


カンカンカンカン


始業の鐘が鳴った。結局シルフはあの後一睡もすることなく朝を迎えた。規則を破るのは初めてのことだった。もしも看守に見られでもしれいたら…シルフは気が気でなかった。おかげで一睡もしていない体だったが、眠気は微塵も感じていなかった。

シルフは作業中、ひたすら昨晩の会話を思い出していた。


「自己紹介がまだだったな。俺はムルチナ。解放同盟のリーダーだ。と言ってもこれといった特別な権限はないがな。組織である以上の形式的なものだ」

「俺はマルテス。ムルチナの側近だ」

「同じく側近のトートだ」

「よろしくお願いします」

「さて、先程も話したが我々はまだここに来て日が浅い。このエリアの構造を完全に把握しなければならない。シルフ、早速だが君に任務だ」

シルフは一枚の紙を渡された。

「君に地図を作ってもらいたい」

「え、だめですよ。僕は文字なんて書けないし」

「文字は必要ない。必要なのは道順だ」

「革命時に行動を起こすための、な」

「分かりました。やってみます」

「よろしく頼む」

「肉の調達は、地図が完成でき次第協力しよう」

「ありがとうございます」


そうだ…。これもルカの為だ。シルフはそう思った。

それからシルフの極秘任務が始まった。ムルチナらがあらかじめ描き記した大まかな道の図に、脇道や危険を知らせる印を追加していった。記号はマルテスに教えてもらった。仕事の合間の小一時間を献上して描き進めた。


「何やってんだ、お前」

その最中、セルエスに見つかってしまった。

「これは…」

シルフは二人の間だけという条件で話すことにした。

「僕、秘密奴隷解放同盟を手伝っているんだ」

「それって、各地で暴動を起こしているっていう?」

「そう。前にセルエスが言っていたやつ」

「そうか。まぁ頑張れよ」

「う…うん」

シルフは拍子抜けした。セルエスのことだから、絶対自分も入れてくれと言いだすと思っていた。


その後、三日をかけてシルフはなんとか地図を描き上げた。

「素晴らしい。上出来だシルフ」

マルテスがシルフの頭をくしゃくしゃにしながら言った。

「ありがとうございます」

「約束通り、今から看守の食料貯蔵庫に乗り込もう。トート頼んだぞ」

「任せろ」

調達って、盗む(そういう)ことかとシルフは思った。

トートとシルフは坑道に出た。

「マルテスの言う通り、よくやったよシルフ」

「今日は喋っても大丈夫なんですか?」

以前二人で歩いたのは黙ってついて来いと言われた時だ。

「ああ。俺達も色々調べたからな。看守の行動パターンとか。今の時間、ここには誰もいないよ」

「そうなんですか」

数分歩くと、二人は坑道を抜けて鉄柵の前に出た。

「さてと、これを登るのが今日の最難関だ。俺が肩貸してやるから、お前は先に降りろ」

「分かりました」

シルフはトートの肩に足を乗せた。それでも上半身分は高かった。

「あとは日々鍛えているお前の腕次第だ」

「別に鍛えているつもりはないですけどね」

シルフは鉄柵を両手でしっかりと握りしめ、足をトートの肩から鉄柵に動かした。足の指でも鉄柵を握る。一応の保険だ。

右手を伸ばし、右足を上げる。左手を伸ばし、左足を上げる。それを繰り返す。そして頂上でゆっくりと柵をまたぎ、反対側へと移る。最後は徐々に力を抜きするすると降りるだけだ。

「よし。行けたな。ちょっと待ってろ」

トートは軽々と鉄柵を登り頂上から飛び降りた。

「大丈夫ですか?」

「何がだ?」

トートはケロっとしている。

「いや別に」

「それでは貯蔵庫に侵入だ」

二人は移動し、そして貯蔵庫の扉を開けた。冷気がそっとシルフの肌を撫でる。

「すごい。これ全部食べ物ですか」

「そうだろうな。俺もこれは想定外だ」

コンテナ一つ分はありそうなだだっ広い倉庫にぎっしりと食料が積まれていた。

「あ、肉!」

シルフは天井からぶら下がっている、紐で縛られた肉塊を見つけた。

「やめとけ、生だぞ。調理できるのか?」

「ちょうり?」

「だろうな。とにかく赤い肉はダメだ。腹を壊す」

「いつも食べてますけど」

「…女は壊すんだよ。ほら、その下のなんかどうだ」

トートは調理済みの冷凍肉を指差した。

「分かりました。これにします」

「ああ。じゃあ帰るぞ」

「はい」

道中、シルフはトートに話しかけた。

「あの…今から女子寮に入れますかね」

「行けるんじゃないか?貯蔵庫よりは楽に入れるだろ」

「ありがとうございます」

シルフは左手にある布に包まれた肉を見た。


「ルカ、ルカ。起きて」

女子寮に忍び込んだシルフはルカの眠る部屋にいた。他の人を起こさぬよう慎重に行動する。

「…え…あ…な…なんでここにシルフが!?」

「しっ!ついて来て」

二人はいつもの丘に向かった。

「ルカ、この前肉食えなかったって言ってただろ?」

「うん」

「食いたかったんだろ?」

シルフは肉をルカの前に差し出した。

「はい、これ」

「これって…」

「そう。肉」

「どうして?」

「盗んできたんだ。看守の食糧貯蔵庫から」

「そんな…え?私の為に?」

「そうだよ。ルカの為に」

「シルフ…ありがとう!」

ルカはシルフに抱きついた。

「ちょ、離してよ。もう…」

シルフは笑った。

「早く食べなよ」

「うん」

ルカはシルフから離れると布を開いて中を見た。

「いただきます」

ルカは肉の塊にかぶりつく。

「美味しい!」

ルカは溢れんばかりの笑顔をシルフに見せた。

「良かった。ルカが喜んでくれて」

「人生で一番嬉しいわ。ほら、シルフも食べて!」

「それじゃあ、いただきます」

シルフは肉をつまむとそれを口に運んだ。

「うん。うまい」

固くて噛みきれないのだが、何度も噛むことによりさらに口の中が肉という感覚に支配されていく。

「あぁ、美味しかった」

「ほんとだね。僕もこんなに食べたのは初めてだよ」

「はぁ、幸せだなぁ」

「どういうこと?」

「私、生まれ変わっても、シルフとお肉が食べたい」

「別に生まれ変わらなくたって、いつでも取ってくるよ」

二人は丘の上に並んで寝そべりながら、星空に浮かぶ二つの月を眺めていた。


カンカンカンカン


女子の始業時間は男子より早い。男子の朝食を作る為である。今は女子の朝礼の時間。

「昨晩、何者かが食糧貯蔵庫に侵入し、貴重な肉を強奪した。何か心当たりのある者は申せ。我々は違反者確保の為に如何なる手段をも行使するつもりだ」

すると、一人の女が手を上げた。

「同じ部屋のルカさんが就寝規則を破って外出しているのを見ました」

「私も」

「私も」

「私も」

ルカと同じ部屋のメンバーが次々と証言をしていく。

看守がルカの前に立つ。ルカは看守の顔を見上げた。

「お前がやったのか?」

ルカは首元を掴まれた。両足が宙に浮く。

「答えろ。お前がやったのか」

ルカの顔は真っ赤になり、大粒の涙を溢した。

「はい…」

その答えを聞いた瞬間、看守はルカを床に叩きつけた。

「違反者に罰を」


パァン


看守は拳銃を抜くとすぐさま発砲した。

後頭部に一発。続けて二発。

他の奴隷達はその様子をただ見つめていた。


カンカンカンカン


男子の朝礼が始まった。

「規則を破った女が一人処刑された。皆も変な気は起こさぬように。それでは今日も一日頑張っていこう」

「「「はい」」」

それを聞いたシルフは拳を握りしめた。


カンカンカンカン


終業後、いつもの丘にシルフは一人で寝そべっていた。

誰も来ないな。シルフはそう思った。

「シルフ!」

シルフは体を起こした。声の主はセルエスだった。

「はぁ、はぁ、はぁ。ルカ、来てないか?探してるのに見つからないんだ」

「セルエス、今日の朝の看守の話覚えてるか?」

「あ?何の話だ?」

「女が一人殺されたって」

「まさか…」

「そこまで探していないなら、そういうことなんじゃないか?」

セルエスはシルフの頬を殴った。

「何も面白くないよ!その冗談は!ふざけんじゃねえ!」

「すまん、どうかしてたよ」

セルエスはどこかに行ってしまった。

シルフは大の字に寝そべった。

「ルカ、ごめんよ。涙が出ないんだ」

シルフ上には、変わらず二つの月があった。

――――――――――――――――――――

ドンドンドン


ムルチナ、マルテス、トートは目を合わせた。それぞれ武器を手に取る。

マルテスが扉に近いた。そしてドアノブに手を掛ける。三人は再び目を合わせた。


ガチャ


「誰だ」

マルテスは拳銃を突きつけた。

「俺はセルエス。シルフの友達だ。俺を秘密奴隷解放同盟に入れろ。友達の…ルカの仇を取る」

この話はフィクションです。実在する個人、団体、出来事などとは一切関係ありません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 宇宙の戦い!広大な物語ですね! [気になる点] 吾!初代・超越の神! [一言] 私のライトノベルはあなたのライトノベルによく似ています!
2023/09/20 21:20 退会済み
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