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【完結】アカシックレコード  作者: 白黒羊
第肆章 運命超動篇

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EP22 試練

「…僕、やるよ」

「よく言った少年」

「でも、どうするの?」

「君にはあるものを探して欲しい。モナク君」

「…!?僕の名前!」

「そうさ。俺は何でも知っている。俺の言う通りにすれば、君の望みは叶う」

「うん。それで、探して欲しい物って?」

「とある書物だ」

「書物?」

「そうだ」

「それなら、ここにありそうだけど」

モナクは辺りの本棚を見回す。

「いや、ここには無い。何故なら、それはこの宇宙の理を司る書、アカシックレコードだからだ」

「…アカシックレコード?聞いたことないや」

「当然だ。選ばれし者でないと、名前を知ることすらないからな。そしてモナク。君はその中でもさらに特別だ。これは君にしか頼めないことだ。アカシックレコードがあれば、大いなる力を手に出来るのだ」

「そうすれば僕も…」

「ああ、認められるさ」

「うん」

頷いて、モナクは笑った。

「そろそろお別れだ。何かあればまたここに来るといい。それと、俺に会ったことは誰にも言うなよ」

「分かったよ」

「じゃあまたな」


「…あれ?」

気がつくと僕は机に突っ伏して寝ていた。

目を擦りながら体を起こす。

「夢だったのかな」

なんか、言葉を喋る変なヘビが出てきて…。そうだ、アカシックレコード。僕はこれを探さなくてちゃいけないんだ。これを見つけたら僕はきっと…!

よし、やってやるぞ。必ず見つけてやる。

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

「チーム十八班いくぞッ」

「「「おー!」」」

四人が一斉に散らばる。

「で、どうやって倒すんだ?」

「奴が動く前にケリをつける。シオン!ティナ!」

「「任せて!」」


バンッ


二人が発砲する。

『モード:フォルテ、起動』

ロボットの手が動く。


ピィンッピィンッ


「…弾かれただと?」

ロボットの肩の上にある的を2本の腕が守っていた。

『目標ヲ抹消』


バシュッ


ロボットが右腕を突き出す。指の先から肘までを覆っていた装甲が飛び出す。

「避けろ!」

シオンとティナは左右に飛んでギリギリで回避する。


ガシャン


飛び出した装甲が腕へと戻る。

「永久ロケットパンチって訳か。アブド、腕だ。奴の腕を斬れ」

「分かった」

リデルが右腕へ、アブドが左腕へと斬りかかる。


カチン


左右の腕は高い金属音を発しただけだった。

「リデル、こいつは…!」

「ああ、硬過ぎる。斬れない」


ドン


厚くて広い手の甲が二人の腹を突く。

「ぐふっ」

「がっ」

ロボットが少し手首を捻るだけで、二人は吹き飛んだ。

「リデル、アブド!」


バシュッ


「シオン、前!」

「きゃっ」

シオンはまたしてもギリギリで回避した。


バンッ


ティナが発砲する。弾が二の腕を掠る。

「チッ。シオン、あのデカイ拳を放った後なら、その分ガードが手薄になる。狙うならそこしかない」

「分かったわ」

「それと、攻撃しつつ二人を起こして」


ガシャン、バシュッ


「くそ、そんなに早く撃てるなんて」

ティナが拳を避けつつリデルに近づく。

「ほら、起きて」

リデルの頬を小刻みに叩く。

「うぅ、痛ってぇ」

「まだいけるでしょ?」

「もちろんだ」

リデルが立ち上がる。


バシュッ


「来るわよ」

「おう」

二人は攻撃を飛び跳ねて避けた。

「それで、何か策はあるか?」

「まずはあの腕をどうにかしないと。一箇所に攻撃を集中させればあの腕も斬り落とせるかしら」

「一か八かやってみるか。狙うわ…あの二の腕だな。あそこが一番細い」

「そうね」


ガシャン、バシュッ


拳がティナ目掛けて放たれる。

「オラァァッッ」

その隙にリデルがロボットの背後で振りかぶる。


ガンッ


リデルは攻撃が来ないうちにその場から離れる。

「くそ、硬い。本当に傷が入ったのか?」

「今はとりあえず、攻撃することだけを考えて!」


バシュッ


「ああっと!」


ドカァァン


「…ド君、アブド君、目を覚まして」

「はっ」

俺はどうやら気絶していたらしい。

「大丈夫?」

「ああ、でも、痛たッ」

背中に激痛が走った。俺は背中に手をやる。

「ひっ」

シオンが小さな悲鳴を上げた。

「本当に大丈夫なの?」

右手のひらが紅く染まっていた。

「これくらい平気さ」

俺は立ち上がる。見ると、リデルとティナが一箇所を狙って交互に攻撃していた。

なるほど。腕を丸ごと斬り落とそうってか。

「ありがとうシオン。俺はいいから攻撃を頼む」

「分かったわ」

ロボットがこちらを向く。

『目標ヲ抹消』

「よし、いくぞ」

「うん」

俺は奴の攻撃をジャンプで避け、そのまま距離を詰める。

「オラァァッッ」

リデルが背後から先に一太刀入れる。続けて俺も剣の刃を奴の腕へ押し込む。

「…ッッ!ハマった!?」

剣が腕から抜けない。

「アブド、そのまま固定していろ。二人とも、この隙に的を!!」

「言われなくても分かってるわよ。シオンいくよ」

「うん」


バンッバンッ


二発の発砲音。これはいけるかもしれない、そう思った時だった。

「うわっ」

不意に足が宙に浮いた。体が可笑しな方向を向いている。

「あいつ、アブドを盾にしやがった!」

くそ、早く逃げないと。どうする、腕を斬り落とすか?でもそんなこと出来るのか?

いや、今はつべこべ言ったないでやるしかな い。

ロボットの左腕が前へと突き出る。

「うおおおおおぉぉぉぉぉッッッ!!」

俺は手に全体重をかけて剣の柄を握りしめる。


バシュ


「来るぞ!」


ドカァァァンッッ……。


粉塵で奴のシルエットしか見えない。アブドはどうなった…!?

「くっ…くっ…ガァァ…」

「アブドォォォォッッ!」

アブドは太い左手で首を掴まれ、宙に浮いていた。その顔は、真っ赤に染まっていた。


ガンッ、ガンッ、ガンッ


アブドが左腕に斬りかかる。


ガンッ、ガッ、カランカランカランカラン


乾いた音が響き渡る。

アブドは自らの力の反動で、剣を落としてしまった。

「《《奴は今なら攻撃できない》》。早くアブドを!」

「分かってる!」

俺は立ち上がって奴の左腕へと斬りかかる。


バシュッ


アブドが拳と共に放たれる。

「アブド君!」

瞬間、気を取られた俺は奴が蹴り上げた足に対処出来なかった。


バキッ


「ぐほっ」

「リデル!」


ドカァァァンッッッ


ドサッ


…ガシャン


俺は蹴り飛ばされた。ティナとシオンが駆け寄って来る。

「大丈夫?」

「ああ。まだいける」

「…リデル…斬れる?」

「…分からない。なんで《《アブドはあの右腕を斬り落とせた》》んだ…」

「分かった。難しいのね。じゃあリデルは奴の動きを止めて。後は私たちがなんとかするわ」

「…了解だ。任せたぞ」

「そっちもね」


バシュッ


三人が二手に分かれる。

「私、アブド君を助けてくるね」

「待って。危険よ。アブドとは今、言うなれば施設の端と端にいる状態。そしてさっき奴の足が動いたことを見るに歩行が可能だと思われる。下手に動いてシオンまでやられてしまっては良くないわ」

「でも…」

「大丈夫。アブドは無事よ」

「そうね…。」

「リデル、狙うならあの拳を放った直後よ」

「おう」

突然、ロボットがアブドの方向を向く。


バシュッ


「まずい…!」


ドオオォォォオオオン


「「アブド!」」

「アブド君!」

「…畜生!」

リデルが背後からロボットに抱きつく。

「ティナ!シオン!」

「行くわよ」

「うん」

「クソ…動くな!」

足を絡め、左肘を曲げて、拳が腕にはまらないように固定する。


ドスッ


「ぐはッ」

拳がリデルをタコ殴りにする。

「く、あ、熱いッ」

「リデル、もう少しの辛抱よ」

ティナとシオンが、銃口を向ける。


バキバキバキバキ、ガキーン


ロボットの拘束具がリデルと共に吹き飛ぶ。


ガシャン


ロボットの左腕が後方を狙う。


バシュッ


「リデル!」

「リデル君!」


ドオオォォォオオオン


ガシャン


「怯まないで。次来るわよ!」


バシュッ、ドオオォォォオオオン


二人はロボットの右横へと飛び移る。

「あっ」

ティナが倒れる。

「ティナ!?大丈夫!?」

「あ、足首、が…」

「足、挫いたの?」

「うん…」

「た、立てる?」

「痛っ、ごめん…」

ティナが足首を押さえる。


俺は轟音で目を覚ました。

なんだあれ。白いアーマーパーツが剥がれ、赤い筋が露呈している。早く、倒さなきゃ。

あれ?剣はどこだ?あっ、奴の足元…!


ガシャン


奴の拳がシオンとティナに向けられる。

おいおい、ヤバくないか?どうして逃げないんだよ。

俺は立ち上がって右に走り出す。


バンッバンッ


二人が奴に発砲する。震えからか、的に掠りもしない。誰も俺に気付いていない。


バシュッ


二人は逃げない。このままじゃ直撃だ。リデルの姿も見えない。俺の剣も取れない。

…こうなったら…!


シオンが両手を広げてティナの前に立つ。

「シオン!逃げて!」

「嫌!ティナは私が守る!」

「何言ってんの、このままじゃ二人とも!」

「いや、二人は俺が守る」

シオンの前に、アブドが滑り込む。

「ウオオオオオオオオッッッ!」


アブドが右腕を突き出す。その腕は拳を貫通し、拳は跡形もなく消えた。

「…二人とも、今だ!」


バンッバンッ


打ち出された二発の銃弾が、両肩の的へと命中する。

そしてロボットが静かに項垂れた。


「…勝った…のか…?」

声のした方を向くと、そこには足を引きずったリデルがいた。

「ああ、勝った。やったぞ。あいつを倒したんだ」

「「「「うわぁぁぁぁあああ!!」」」」

四人はその場で、膝立ちで身を寄せ合った。

この話はフィクションです。実在する個人、団体、出来事などとは一切関係ありません。

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