2021年07月四分
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
射手 :凍撃の矢と恐れられている冒険者。勇者大好き。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
千里眼と主 :勇者の動向を探る人達。
水のクリスタル:水の精霊から貰ったクリスタル。水が噴き出す。
怪しげな店主:珍しい品が並ぶ市場にある一つの店舗の主。
警備兵 :街を警備する兵。警備犬の飼い主。
白い警備犬 :賢く性格の穏やかな警備犬。
冥界の人形 :冥王からもらった人形。勇者のお気に入り。
【小さな畑 夏の暑い日】
「じゅー、おみじゅ」
プニプニ勇者が従者のところに駈け寄ってきた。
「喉が渇いたんですか?」
「おはにゃ」
「ああ、畑の水やりですね」
宿の裏庭の小さな畑の上で水のクリスタルがキラキラと輝きながら水を撒き散らし、勇者がはしゃぐ、そんな暑い夏の日だった。
「ぴゃー!」
【半分こ】
「勇者が新たな技能を身に付けました!」
「何?」
千里眼の報告を受け、主が記録晶を確認すると、プニプニ勇者がパンを千切って従者に渡していた。
『ぱっぷんこ』
「半分この技能です!」
「しかし半分というには量が違うぞ?」
「プニプニなので仕方ありません」
「なるほど!」
【不思議な話】
「夜に森に入った勇者を慌てて連れ戻したんだけど」
新米剣士の話をプニプニ勇者と従者は聞いていた。
「戻ったら寝てて、隣には誰もいなかったんだ」
「お?」
「寝ぼけたか、妖精のイタズラか、幻を見るものを食べたんだよ」
とにかくお化けだけは避けたい従者だった。怖いから。
※7月26日は「幽霊の日」でした。1825年(文政8年)に江戸の中村座で、東海道四谷怪談が初演されたことから制定されたそうです。
【氷の欠片】
「暑いし氷菓でも食べるか、勇者?」
「たぺる」
料理方は氷を削り、果汁に砂糖を加えたものを掛ける涼しげなおやつを作ろうとした。しかしプニプニ勇者が氷に触りたがるので、氷の欠片を作って渡す。
「ほら、これ持ってろ」
「ちべたい」
氷の欠片で涼を満喫する勇者だった。
【珍品】
従者とプニプニ勇者は、珍しいアイテムが並ぶ市場を歩いていた。
「こっち」
不意に勇者があるアイテムを指差す。
「お目が高い。これは古の洞窟の…」
怪しげな店主がアイテムの説明を始める。
「あっち」
「え!?」
しかし勇者は自分の行きたい方向を示しているだけだった。
【射手 察知能力】
「待て、山陰に見張りがいる」
射手の警告に従い狩人が斥候に出て、それが事実である事を伝えた。
「並外れた察知能力だな」
この、皆が驚嘆する力を使った特技が射手にある。
(プニプニは今、裏庭か)
宿に入る前にプニプニ勇者の位置が分かるのだ。
(いた)
「ちゃちゅだー」
【白犬と夏】
「はちゅねまちて」
ワン!
プニプニ勇者は初めて会う犬に挨拶する。
「勇者様、そのワンワンはいつも遊んでいる警備犬ですよ」
「暑いから毛を刈ったら、見た目がかなり変わってね」
しかし、警備兵の話を理解できない勇者は挨拶を続けるのだった。
「ゆうちゃよ。よろちくね」
【従者の真似】
「じゅー、おんぶ」
プニプニ勇者が従者の服を引っ張る。
「おんぶですか、勇者様?」
「ぬんぎょ、おんぶ」
そう言って冥界の人形を差し出すので、従者は察して人形を勇者に背負わせると嬉しそうに歩き回り始めた。
「ゆうちゃ、じゅーね」
どうやら従者の真似をしているらしい。
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