2019年08月分 銀騎士団長
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の不連続なお話です。
※2023年修正版です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
シーフ :手先が器用で素早さは天下一品の冒険者。
麗盗賊 :麗しい盗賊。探索と交渉が得意。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
屈強な男 :勇者を訪ねて来た依頼人。
狂戦士 :巨大な体躯の優しい戦士。
東の海の民 :東の海の女王を祀る海の民。
学者 :学問を業とする者。海のクエストの協力者。
占師 :占いを職業とする者。
正義の女神 :正義を守護する女神。
妖術使い :妖艶で怪しげな術を使う者。
叡智の神獣 :叡智を司る神獣。ヒトの心が読める。
『銀騎士団長』
銀騎士団 :ある国の騎士団。
銀騎士団長 :礼節を重んじ真面目で人望のある銀騎士の団長。
【プニプニ具合】
「握手、良いですか?」
プニプニ勇者は握手を求められる事も多い。
「いーの」
「ありがとうございます」
握手といっても優しく掴んで軽く揺らすだけだが、皆嬉しそうである。
「頬っぺた、良いですか?」
「いーの」
そして同じくらい多いのが頬っぺたのプニプニ具合の確認だ。
【冒険服】
「勇者様、これ防御力が+2ですよ!」
「やー」
従者とプニプニ勇者は、市場でプニプニ用の冒険服を探していた。
「こっちは炎耐性が付いてます!」
「ぷー」
「幸運+3がありますよ!」
「むー」
勇者がうんと言わないのは性能ではなくデザインの問題だと気付かない従者だった。
【言いにくい】
「勇者はおられるか?」
屈強な男が勇者を訪ねて来た。
「ぴゃー!」
それに反応したプニプニが男の足へしがみつく。
「お、宿屋の子供か?元気だな」
男はプニプニを抱き上げると従者へ声を掛ける。
「勇者はどこだろうか?」
それがプニプニ勇者だとは言いにくい従者だった。
【狂戦士】
「どこだ、勇者?」
「ここー」
巨大な体躯の狂戦士が、プニプニ勇者の声はするのに姿が見えないと従者に助けを求めた。
「いました」
従者が探すとすぐに見つかる。
(これは狂戦士さんには見つけられないな)
何故なら、勇者は狂戦士の鎧を利用して背中にくっついていたからだ。
【どうぞ】
「どうじょー」
プニプニ勇者は買物を手伝って、従者に何かを渡そうとした。
「ありがとうございます」
従者が喜んで受け取ろうとすると、それは異形のアイテムである。
「これ何ですか、勇者様!?」
尋ねても勇者は不思議そうな顔で差し出すので、結局買ってしまう従者だった。
【古代文字】
古代文字が書かれた扉の前で冒険者たちは頭を抱えた。
「文字の意味が分からないと進めないぞ」
するとプニプニ勇者が一点を見て騒ぎ出す。
「どうした、勇者?」
手掛かりかと思い皆の注目が集まる中、勇者は叫んだ。
「わんわん!」
よく見ると文字の一つが犬っぽかった。
『銀騎士団長』
短い続きものです。プニプニ勇者とクエストを共にする事になった真面目な銀騎士団長の話です。
【01話 出迎え】
銀騎士団は礼節を重んじる由緒正しい団だ。現在の団長は歴代の中でも特に真面目で人望がある。
「勇者がお見えになりました」
プニプニ勇者を迎える際も、着ぐるみを用意して団長自ら中に入り、勇者をもてなした。その反応は…
「びゃー!」
勇者は着ぐるみを怖がって号泣だった。
【02話 人形劇】
真面目な銀騎士団長は、プニプニ勇者にクエストの内容を伝えるために人形劇を始めた。
「ぬんぎょ!」
勇者は目を輝かせ、笑ったり、パペットに話しかけるなど滑り出しは良かったが、団長が詳細にこだわり過ぎて、いつまでも終わらず、結局、途中で寝てしまったのだった。
「すー」
【03話 頬っぺたチェック】
「何故勇者様は頬と頬を接着しているのですか?」
プニプニ勇者の頬っぺたチェックに銀騎士団長は困惑していた。
「そういう遊びです」
従者が答えた時、勇者が叫ぶ。
「ごうちゃん!」
「合格です」
「何に合格したのですか!?」
「分かりません」
困惑は深まるばかりだった。
【04話 邪神像】
「びゃー!」
今にも動き出しそうな邪神像を見てプニプニ勇者は泣き出した。
「大丈夫です」
しかし銀騎士団長がすぐに声を掛け安心させる。
「勇者様にはこの像の禍々しさが分かるのですね」
感心する団長に、着ぐるみの時も号泣していた事を言うのは止めようと思う従者だった。
【05話 帰還】
「ばっぱーい」
プニプニ勇者はクエストを終えて旅立ち、銀騎士団長も久しぶりに帰宅した。
「勇者様は小さくてプニプニで泣いたり笑ったりしていたよ」
それを聞いて妻が微笑む。
「良い予行になりましたね」
「何の事だい?」
春にはこの家にプニプニが増えるのだと妻は答えた。
【おしゃべり】
「じゅー、あんね」
「はい、何ですか」
プニプニ勇者のちんぷんかんぷんなおしゃべりを聞いていた従者はハッと気付いた。
(もしかすると世界の成り立ちや魔物の存在に関する話かもしれない!)
「ごっはん…りゅんご…けっき…」
しかし聴き取れる単語は食べ物ばかりなのだった。
【光魔法】
「真っ暗だな」
闇のダンジョンで明かりも無く魔力も尽きた時、従者はプニプニ勇者が光の魔法を使える事を思い出した。
「りゃいと」
呪文を唱えると光は灯ったものの、勇者の小さな掌を明るくするだけで役には立たない。
「癒される」
「元気でた」
しかし冒険者には好評だった。
【シーフ しがみつく】
独り別れるシーフの足にプニプニ勇者がしがみついた。
「心配してくれるのか?」
「ちーぷ…」
「俺は大丈夫だ。過去は乗り越えたよ」
寂しげだが強さを感じるシーフ笑顔を、従者は複雑な思いで見つめる。
(シーフさん、すみません。それはお菓子がもっと欲しい時の行動なんです)
【海より砂】
「海ですよ、勇者様!」
従者は目の前に広がる青く輝く光景が見えるようにプニプニ勇者を持ち上げた。
「これ全部が水で、世界中に繋がっているんです!」
山岳育ちの従者は興奮して話しかけたが、勇者の反応は薄かった。
「おろちてー」
それでも砂浜は楽しんでいた。
「ちゅな」
【儀式中断】
「勇者よ、東の海の女王の力を与えます」
海の民が厳かに告げるとプニプニ勇者は暴れ出した。
「やー!」
眠くて機嫌が悪いらしい。
「額にちょっと印を描くだけだから?ね?」
「やーなの!じゅー、だっこー!」
「はいはい」
儀式は一時中断し、勇者のお昼寝を挟んで再開した。
【押したい】
「おちゅて、いい?」
プニプニ勇者は押すと作動する仕掛けが大好きだ。
「おちゅ」
従者に抱えてもらいながら小さな手で押す姿はほのぼのとした光景である。
「待って、勇者ちゃん!それ押すとフロアが崩壊するから、絶対に押さないで!」
しかし押されると困る場合も偶にある。
【二人の従者】
≪勇者よ、どちらかを選べ≫
二人の従者が現れたが、プニプニ勇者は迷わず本物の従者へ飛びつく。
「じゅー!」
「勇者様!」
只のプニプニではない事を顕した勇者を冒険者たちは称賛した。
「やるな!プニプニ」
「プニプニ、見事だ!」
勇者ではなくプニプニの評価が上がった。
【海のロマン】
「ちゅな」
海より砂で遊ぶのに夢中なプニプニ勇者を見ながら、従者は溜息をつく。
「ああ…」
「勇者ちゃんに海のロマンはまだ分からないよ」
学者が気遣うと、従者は静かに首を振る。
「違うんです。服が砂だらけだと洗濯が大変だなって思ったんです」
意外と普通の悩みだった。
【手相占い】
「勇者様の手を見せて頂けますか?」
その国で一番と言われる占師に声を掛けられ、従者は慌てて抱っこしていたプニプニ勇者の手を差し出した。
「小さくてプニプニの手ですな」
「てって」
そして占師は神妙な面持ちで見つめた後、ふむと頷く。
「健康ですね」
占いではなかった。
【麗盗賊】
「じゃあ明日ねー」
「あちゅたー」
プニプニ勇者と麗盗賊が遊ぶ約束をするのを見て、従者が一言忠告する。
「気を付けて下さいね。勇者様は正義の女神の加護を受けているので、約束を破ると非常に強い天罰が下りますから」
今夜ずらかるつもりの麗盗賊だったが、延期する事にした。
【多彩な技】
「勇者様も多彩な技を持ってますよ」
冒険者たちが技自慢をしていると従者も参加してきた。
「抱っこして攻撃、しがみつき攻撃、言葉にならない声で抗議攻撃、難しい話を聞いても良く分からない攻撃など沢山あるんです」
「ありゅ」
その時のプニプニ勇者は何となく得意気だった。
【従者の装備】
冒険者たちが準備をしていると、従者も何かを装着しだした。
「それは何?」
一人が尋ねる。
「これは勇者様の抱っこ兼おんぶカバーです」
「だっこー」
そう答えてプニプニ勇者を抱っこする。
「防具は付けなくて大丈夫?」
「大丈夫じゃない時もあります」
(それでいいの!?)
【椅子に座る】
「ちゅわる」
プニプニ勇者が椅子に掴まり従者を見る。
「勇者様、座りたいんですか?」
尋ねるとコクリと頷くので、従者は持ち上げて勇者用の椅子に座らせた。
「じゅー」
「何ですか?」
「ごっはん」
「ご飯はまだですよ」
椅子に座れば食事が出てくると思っている勇者だった。
【質問】
「従者くんが二人現れた時、勇者ちゃんは本物が分かったけど」
冒険者が尋ねる。
「勇者ちゃんが二人現れたら、従者くんは分かる?」
「わかゆ?」
従者はプニプニ勇者を見て言った。
「分からないので、その時は二人の勇者様のお世話をします」
(なるほど)
冒険者は納得した。
【かくれんぼ】
「ろこらー?」
プニプニ勇者がかくれんぼを始めた。
「ろこらー!」
しかし体のほとんどが見えている上、大声で居場所を知らせるのでバレバレなのだが、従者も心得ており、声の方は向かずに探す振りをする。
「どこですかー?」
「ゆうちゃ、ここー!」
自ら出てくるのも特徴だ。
【プニプニの効果】
美しき妖術使いが魅了の呪文を唱えた。多くの者を惑わし従わせてきた術である。
「集中しろ!」
「ちゅーちゅー」
冒険者たちは精神を集中させて呪文に対抗し、プニプニ勇者はプニプニした。
「よし、何ともないぞ!」
「そんな筈は!」
プニプニに効果があったのかは不明である。
【散歩】
「どっちへ行きますか?」
「あっち」
散歩中、トコトコ歩くプニプニ勇者に従者は付いて行く。
「?」
しかし、いつもの広場や河原の方向では無いようだ。
「もしかして冒険に行く気ですか、勇者様?」
「お?」
勇者は何の前触れもなく冒険に出ようとするので注意が必要である。
【叡智の神獣】
「びゃー」
叡智の神獣は心が読める。
「ちゃわる」
だから近寄っては泣き、遠ざかってはまた近寄るプニプニ勇者の気持ちも理解していた。
『怖いけど触りたい』
その願いを叶える為、神獣が寝た振りをすると、察した従者に導かれた勇者はやっと神獣に触れる事ができたのだった。
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