2025年08月参分 モとミョ
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
冥界の人形 :冥王からもらった人形。勇者のお気に入り。意思があり動く。
氷の剣 :プニプニ勇者用の丸みのある小振りの剣。微細な氷が噴き出て涼しい。
案内人 :不慣れな土地を案内してくれる者。
【タマゴサンド】
「お弁当は料理方さん特製のタマゴサンドです」
「たまこちゃんと」
従者は背負い袋から大きな箱を取り出す。
「勇者様、皆さんに配って下さい」
「くぱる!」
プニプニ勇者が小分けの袋を運ぶ。
「ありがとうな、勇者」
タマゴサンドの時は冒険者たちの分も用意されているのだ。
【氷の剣の出番】
「うわッ!」
余りの熱に新米剣士は後ろに下がる。
「勇者、氷の剣だ!」
そしてプニプニ勇者に氷の剣を使うように頼んだ。
「あいちゅちょーど!」
勇者が氷の剣をブンブンして氷の結晶を噴出させる。
「涼しいなあ」
「ちゅちゅちー」
氷の結晶で涼む夏の裏庭の二人だった。
【モとミョ】
「勇者、今日のおやつはモモなのネ」
「もっも」
「モモの中のモモなのヨ」
「もっももっも」
「モモモモモモモモなのネ」
「もももみょみょみょみょっみょ」
(“モ”が途中で“ミョ”になっちゃってる)
道化師とプニプニ勇者の良く分からない会話を、微笑ましく聞いている従者だった。
【勇者確認】
<冒険者たちを見つけた!>
見回りから交信具で砦に知らせが入る。
「その中に勇者はいるか?」
<いる>
「本物か?」
<本物だ。プニプニしてる>
「他には?」
<抱っこされて“ピャー”としてる>
「間違いないな」
一度でもプニプニ勇者に会った事があると確認が早く済むのだ。
【水遊び 冥界の人形】
「勇者様、人形さんも一緒ですか?」
「ぬんぎょ、いっちょ」
従者は水溜遊具で遊ぶプニプニ勇者を見守っていた。
「みるー!」
バシャーン!
勇者も冥界の人形もずぶ濡れだ。
(人形さんは大丈夫かな…?)
≪涼しい≫
従者は心配したが、実はまんざらでもない冥界の人形だった。
【手引書 海の試練】
「次は海の試練です」
操印士は手引書に書かれている内容を告げた。
「こんな塔の中で“海”ですか?」
「うみゅ?」
従者とプニプニ勇者は何もない広間を眺める。
「水遊びみたいのなら良いですね」
「楽しそうですね」
「みるー!」
海の試練が水遊びなのを期待する三人だった。
※投稿した7月21日は「海の日」でした。
【いつもより不思議そうな顔】
「勇者には何かが見えるようですね」
案内人の言葉に皆がプニプニ勇者に注目する。
「本当だ!勇者がいつもより不思議そうな顔をしている」
「あの場所は精霊の姿が見えると言われています」
「勇者はそれが見えているのか!?」
「お?」
何かが見えているかもしれない勇者だった。
【勇者の着替え】
「きたよー!」
食堂へ来たプニプニ勇者は冒険者たちに駆け寄った。
「自分で着替えができたのか?」
「できた」
「着替え頑張ったのか、勇者?」
「じゃんじゃった」
勇者が自分で着替えると、ボタンを掛け違っていたり裏表が逆だったりするので、冒険者たちにはすぐ分かるのだ。
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