2025年06月参分 飛び入り
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
封印師 :封印する事を生業にしている者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
封印師 :封印する事を生業にしている者。
パン職人 :街のパン屋。色々なパンを作っている。
闇帝 :闇の力を使う統治者。暗黒騎士の主君。
【手引書 何となく】
「勇者、この印はどこだと思いますか?」
「ここ!」
操印士はプニプニ勇者に相談しながら印の付いた石を並べた。しかし何も起こらなかった。
「何となくでも上手くいくと思ったのですが…」
「やっぱりちゃんと考えましょう」
「かんがーる」
手引書を見直す従者と操印士だった。
【気付かれていた】
「勇者様、おやつ…あ!」
従者が呼びに行くと、花を見ているプニプニ勇者の周りに猫たちが集まっていた。
(猫さんたちを驚かさないようしないと…)
従者は迷っていたが、猫たちにはとっくに気付かれていた。
<じゅうしゃがきたぞ、ゆうしゃ>
<さっきからまってるぞ>
「お?」
【お昼寝と封印】
「こんなに早く封印が弱まるなんて!」
「勇者は間に合いそうか?」
「まだお昼寝中です!」
慌てる村人たちに封印師が言う。
「以前、勇者に描いてもらった封印紙を使えば大丈夫です」
その後、お昼寝から起きたプニプニ勇者により正式な封印が施されたのだった。
「おえきゃき」
【飛び入り】
「勇者様、転がしますよー」
従者は布製の柔らかいボールを転がす。
「ぼーゆ!」
プニプニ勇者がボールへ向かってトコトコ走り、届きそうなところで何かが駆け寄ってきた。
「お?」
<ボールだ!>
<つかまえろ!>
ニャー!
ボール遊びに飛び入り参加する裏庭の猫たちだった。
【駆け込む】
「パンを取りに来ました!」
駆け込んできた従者にパン職人は驚く。
「慌ててどうした?」
「勇者様がお昼寝してる間に戻りたいんです」
「一緒に来れば良かったのに?」
「それだとおやつの時間に間に合わないので」
プニプニ勇者へ焼きたてパンを届ける従者だった。
「おいちー」
【夏至 太陽と共に】
「じゅー、おっき!」
プニプニ勇者は従者の顔をペチペチして起こした。
「勇者様、また早起きしちゃったんですか?」
寝ぼけながら従者が窓の鎧戸を開けると外はもう明るい。
「勇者様は太陽が昇ると起きるんですか?」
「たーよ!」
勇者は太陽と共に動いているのかもしれない。
※投稿した2025年6月21日は夏至でした。
【続・ほぼ勇者】
「勇者はもっと勇者になれるネ!」
「ゆうちゃ!」
「もっともっと勇者なのヨ!」
「ゆうちゃちゃ!」
「勇者の勇者による勇者なのネ!」
「ゆうちゃっちゃ!」
(また、ほぼ“勇者”と“ゆうちゃ”だけで話をしている…)
道化師とプニプニ勇者の会話を不思議な気持ちで聞く従者だった。
【上りたい放題】
「うーしょ、うーしょ」
階段を上るプニプニ勇者を、従者と闇帝は眺めていた。
「いつもありがとうございます。勇者様は時々階段が上りたくなるので」
「近くに無いのか?」
「皆さんが使う階段だとゆっくりできなくて」
闇帝の城の階段は、普段使われないので上りたい放題なのだ。
※お読み頂き、ありがとうございます!
楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、お読み頂き、ありがとうございます!
気に入ったものがございましたら、ブックマーク、評価、いいね、感想など、少しでも反応を頂けると励みになります。
こちらはX(旧:Twitter)でほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、#プニプニ勇者 と検索してくださると嬉しいです。
次回もよろしくお願いします!