2025年01月参分 ドングリ入りの氷
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
新米狩人 :冒険者になったばかりの若者。しっかり者。
神官 :独特の言い回しをする神職。悪霊を祓う力を持つ。見た目より親しみやすい。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる精霊。眷属は猫。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
冒険者ギルド:冒険者にクエストを紹介する組織。及びその建物。冒険者育成も行っている。
依頼者 :クエストの依頼主。
【よく分からない力】
「戦士さんはどこでしょうね?」
従者とプニプニ勇者は待ち合わせに来ない戦士を探して市場を歩いた。
「あっちゅ」
「あっちですね」
「そっちゅ」
「向こうですね」
「ちぇんちー!」
(本当にいた!?)
「すまん、時間過ぎてたな」
偶によく分からない力を発揮する勇者だった。
【後ろ】
「お?」
プニプニ勇者は従者に手を引かれながら後ろの新米剣士を見た。
「う?」
しばらく歩くとまた後ろを見る。
「どうした、勇者?」
「後ろに新米剣士くんがいるから不思議なんだよ」
新米剣士の質問に従者が答えた。
「何で?」
新米剣士はいつも一番前にいるからである。
【問題】
「勇者についての問題だよ」
新米狩人はプニプニ勇者を抱っこして新米剣士へ出題した。
「この緩慢で目をパチパチしている勇者はお昼寝前でしょうか?寝ぼけてるだけでしょうか?」
「お昼寝!」
「正解はお昼寝の後に二度寝する勇者でした」
「すーすー」
勇者は眠かったらしい。
【ドングリ入りの氷】
「小さな桶を用意して」
「おっけ」
「中に水を入れて」
「みる」
「最後にドングリを入れます」
「ろんきゅり」
従者は不思議なものを作って雪の上へ置いた。
「できましたよ、勇者様」
次の日、桶の中から出てきたドングリ入りの氷はプニプニ勇者を喜ばせた。
「ろんきゅりー!」
【肩車の過程】
「うーしょ」
プニプニ勇者は椅子に座っている戦士の足にくっついて登り始めた。
「ほら」
戦士に支えてもらい、勇者は膝上に着く。
「うーしょ」
「まだ登るのか?」
今度は戦士の肩を目指す。
「ほらよ」
「ぴゃー!」
ほとんど戦士のおかげだが、肩車に成功する勇者だった。
【一目で分かる】
「こんなに冒険者がいたら誰が勇者が分からないな」
依頼人たちは冒険者ギルドの広間で戸惑っていた。
「勇者だから一目で分かるんじゃないか?」
「そうかな」
「ぴゃー!」
その時、目の前をプニプニがトタトタ走り過ぎる。
(もしかして!)
一目で分かるプニプニ勇者だった。
【タラパッパラー】
「“タラパッパラー”と唱えれば体力、魔力、気力を回復させる魔法です」
神官は回復魔法をプニプニ勇者に掛けた。
「タラパッパラー!」
「ちゃらぱっりゃらー」
勇者も真似をする。
「どうです、勇者?」
「ぴゃらっぱりゃらー」
(癒される)
周りの冒険者たちの気力は回復した。
【雪上のドングリ】
<ゆきのうえになんでドングリがあるの?>
新雪の上のドングリについて猫に聞かれると、猫姿の精霊はプニプニ勇者の方を見た。
≪あれだ≫
「ぴゃー!」
駆け回るプニプニ勇者からポロポロとドングリが零れる。
≪ドングリがいつもポケットに入っているんだ≫
<リスみたいだね>
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