2025年01月弐分 ミカン分離
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
忍 :大陸にやってきた忍術を使う冒険者。
踊り子 :様々な舞を踊る冒険者。舞の種類によって効果が違う。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
探偵 :とりあえず一話で何かを解決してくれる者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
ニワトリ :裏庭に現れた勇者の強敵。
プニプニ号 :勇者のソリの名前。
市場 :食糧から冒険に必要な物まで揃う便利な場所。
議長 :街の議会の長。
議会 :街のさまざまな課題を話合い、その方針や施策を決定する機関。
【ニワトリ乱入】
「勇者、勝負なのネ」
「ちょーぷ」
「木まで走るのヨ」
「はちる」
しかし道化師とプニプニ勇者が向かう方向にニワトリが現れた。
「勇者、止まるのネ」
「こっこー」
制止を聞かずに勇者は近付く。
コケーッ!
「逃げるのネ!」
「びゃー!」
ニワトリの乱入に寄り、引き分け。
※1/8は勝負の日でした。
【魔学者 ミカン分離】
「ミカンはお好きですか、勇者様?」
「みゅかん、ちゅき」
「では分離します」
魔学者は持ってきたミカンの表皮を取り、房に分け、薄皮から果肉を取り出してプニプニ勇者に渡した。
「できました」
「おいちー」
魔学者の繊細な作業により、果肉だけを食べる事ができた勇者だった。
【踊り子 人だかり】
(また人だかりができてる!?)
買い物を終えた従者は驚いた。
「ルーラーラー♪」
「りゃーにゃーらー」
踊り子とプニプニ勇者が曲を口ずさみながら踊り、人々はそれを見て微笑んだり拍子をとっている。
「ラー♪」
「りゃー」
僅かな時間でも踊ってしまう踊り子と勇者だった。
【会議ごっこ】
「議長は勇者にお願いしよう」
議会の面々は議長席に座るプニプニ勇者と会議を始めた。
「議題はおやつについて」
「おやちゅ」
「やはり菓子だろう」
「おかしゅ」
「リンゴもあるぞ」
「りゅんご」
「皆、待たせたな」
「やっと来たか、議長」
議長が来るまでの会議ごっこである。
【プニプニ号 コロン】
「しっかり掴まって下さいね、勇者様」
「ぴゃー!」
従者の引くプニプニ号に乗ってプニプニ勇者はご機嫌だ。
「ぷーぷーごー!」
「はしゃぐとコロンとしますよ」
従者がゆっくりとソリを引く。
「ぴゃー!」
しかし今日もソリから楽しそうに転がってしまう勇者だった。
【考古学士 ミルク後】
「こちゅそーちゃました」
(ふむふむ)
ミルクを飲み終わったプニプニ勇者を考古学士は観察する。
(勇者ちゃんの口の周りにミルクが付いちゃっている点が重要ね)
「口を拭きますよ、勇者様」
「むあむー」
(従者くんに口を拭かれるのも必要ね)
今日も癒される考古学士だった。
【忍 分身の術】
「忍さんが二人!?」
「ちゅのぴ!?」
「分身の術也」
従者とプニプニ勇者の前に二人の忍が立っていた。
「高速で移動して幻影を見せる也。プニプニ殿もやってみる也か?」
聞かれた勇者は走り回り始める。
「ぴゃー!」
「楽しそう也」
分身の術には速さが足りない勇者だった。
【探偵 讃える】
「流石だよ、勇者」
探偵は食堂の出入り口の柵にくっつくプニプニ勇者を讃えた。
「らっちゃまちぇー」
「お出迎え、ありがとう」
冒険者が勇者の頭を撫でる。
「勇者、またな」
「ばっぱーい」
また撫でる。
「出入りする冒険者は必ず勇者の頭を撫でるからね」
食堂は長閑だ。
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