2024年12月参分 秘密文書ごっこ
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
射手 :凍撃の矢と恐れられている冒険者。勇者大好き。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる精霊。眷属は猫。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
雪の精霊 :冬に現れる雪だるま型の精霊。猫姿の精霊の知り合い。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
家臣 :王の家来。
新人伝令 :王からの手紙を勇者に伝える任に新しく着いた者。
ダンジョン迷子センター:迷子になった冒険者を保護してくれる有難い施設。
パン職人 :街のパン屋。色々なパンを作っている。
【秘密文書ごっこ】
「何も書いてませんよ?」
「ない?」
従者とプニプニ勇者は、白紙の王からの書簡を不思議そうに眺めた。
「これを使います」
すると新人伝令が黒い光を放つ角灯で書簡を照らす。
「文字が浮かび上がった!」
「おてまみ!」
「どんな雑談でも秘密文書ごっこができる特殊な紙です」
【移動用の魔導機】
「ダンジョン移動用の魔導機よ」
考古学士は箱型の乗り物にプニプニ勇者と従者を案内した。
「試乗しましょう」
ゴーッ!
移動魔導機は三人を乗せて特定のコースを高速で移動する。
「ね?とっても面白いでしょう!」
「ぴゃー!」
「はい!」
移動魔導機は楽しい乗り物だった。
【パン職人 蒸しパン】
「蒸して作るパンってのを試してみたよ」
「面白いですね」
「たぺる」
「勇者のおやつだと甘さが足りんかもしれん」
「ジャムを付けて食べれば大丈夫です」
「たぺる」
「後で感想を教えてくれ」
「分かりました」
「たぺる」
パン職人から試食を頼まれる従者とプニプニ勇者だった。
【射手 雪遊び】
(プニプニが雪だるまと話してる?)
裏庭で潜伏訓練中の射手はプニプニ勇者と小さな雪だるまに気付いた。
(あれは雪の精霊か?)
小さな雪だるまが両手を上げる。
≪勇者、雪だぞー≫
「ゆっきー」
(何だ!)
突然雪が降り出して射手は驚いたが、これはいつもの雪遊びである。
【見抜かれる】
「あしょんでー」
「いいぞ」
裏庭へ行こうとするプニプニ勇者と新米剣士を従者が止める。
「勇者様の顔をよく見て!」
「目がシパシパしてる!」
「勇者様は眠いのに体を動かして目を覚まそうとしてるんだ」
「そうなのか、勇者?」
「ねむ、ない」
眠いのを見抜かれる勇者だった。
【猫の集会 確認】
≪こいつは雪の精霊だ≫
≪よろしくな≫
猫姿の精霊は小さな雪だるま姿の雪の精霊を、眷属の猫たちに紹介した。
<ゆきだるまがうごいたー!>
<はなしてるー>
「ゆっきー」
≪間違って飛びつくなよ≫
<はーい>
<わかった>
「わかる」
何故か交じっているプニプニ勇者だった。
【冬至】
「今日は一年で昼の時間が一番短くて、夜の時間が一番長い日なのネ」
道化師はプニプニ勇者に説明する。
「つまり昼は素早く遊んで、夜はたくさん眠る日なのヨ」
「たくしゃん」
「まずは素早く遊ぶのネ」
「あしょぶ」
良く分からない理由で駆けっこを始める道化師と勇者だった。
【手引書 押す】
「一番上へ行くにはこれを押すみたいです」
手引書を持った操印士は、従者とプニプニ勇者に小さな立方体を示した。
「おちゅ?」
「大丈夫でしょうか?」
「分かりません」
「おちゅの?」
「しかし試すしかありません」
「おちゅて、いーい?」
ボタンを早く押したい勇者だった。
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