2024年11月参分 裏庭のドングリ
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる精霊。眷属は猫。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
議長 :街の議会の長。
議会 :街のさまざまな課題を話合い、その方針や施策を決定する機関。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
家臣 :王の家来。
【裏庭のドングリ】
「ろんきゅり!」
プニプニ勇者はドングリを見つけると拾ってポケットに入れる。
「お?」
そしてポケットがいっぱになるとお気に入りの場所に集めておく。
(何だこれ!)
だから裏庭にはドングリの塊が至る所にあり、知らない冒険者は驚くのだった。
「ろんきゅり、たくしゃん」
【手引書 魔法の駒】
「こちらの動きと魔法の駒が連動します」
手引き書を持った操印士が魔法陣の上で歩くと、大きな魔法の駒も同じように動いた。
「勇者も試しますか?」
「ぴゃー!」
トタトタ走るプニプニ勇者に連動して、ドタドタ移動する魔法の駒を見ながら、操印士と従者は謎解きをするのだった。
【寝る時間】
「ぴゃー」
「勇者様、寝る時間ですよ」
布団で転がるプニプニ勇者に従者が声を掛ける。
「早く寝ないとお化けが…」
「おぱけ!?」
「お、お化けは来ません!」
「ない?」
「早く寝ないと朝が眠くて…えーと」
「お?」
説得したいがお化けは出したくない従者だった。怖いから。
【会議 勇者の意見】
「勇者の意見が聞きたい」
議長の発言で全員が一点を見た。
「勇者様はお菓子を食べているので喋れません」
「あぐあぐ」
従者がプニプニ勇者の状態を説明する。
「では、次」
(何で勇者様を会議に出席させるんだろう?)
「あぐあぐ」
お菓子を食べる勇者が見たいからである。
【勇者の変化】
「王、勇者に変化が!」
飛び込んできた家臣は王へ報告した。
「どうした?」
「フワフワのモコモコです!」
「何だと!?」
「急いで謁見の間へお越し下さい」
「うむ」
「おーちゃーん」
「良く来た、勇者」
フワフワでモコモコな冬服を着たプニプニ勇者を喜んで迎える王だった。
【猫の集会 暖房】
≪始めるぞー≫
「ゆうちゃも」
猫の精霊が裏庭の猫たちを呼ぶとプニプニ勇者もやって来た。
<ゆうしゃだ>
<ゆうしゃー>
猫たちが勇者に集まる。
≪お前たち、何してるんだ?≫
<ゆうしゃにくっつくとあったかいの>
「あっちゃかい」
猫たちの暖房になっている勇者だった。
【切り替え】
「勇者様、水溜まりだから抱っこしますよ」
「あ゛ゆ゛く゛ー!」
従者に抱っこされてプニプニ勇者はジタバタした。
「はい、終わり」
「ぴゃー」
「勇者様、泥道は抱っこしますね」
「や゛ーの゛ー!」
「はい、終わり」
「ぴゃー」
ご機嫌と不機嫌が一瞬で切り替わる勇者だった。
【魔学者 休憩】
「まーしゃ」
プニプニ勇者は魔学者にくっついて離れなくなった。
「これではプニプニの観察ができません」
戸惑う魔学者に従者が提案する。
「休憩がてらお茶にしては?」
「そうですね」
「勇者様はミルクです」
「みゆく」
魔学者は勇者を抱っこしながら温かいお茶を楽しんだ。
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