2024年11月弐分 宝物置き場
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
忍 :大陸にやってきた忍術を使う冒険者。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
パン職人 :街のパン屋。色々なパンを作っている。
古竜 :勇者と契約をしている知と猛を備えた生命体。
【勇者ロード発現】
「だんよ、ぱちぱち」
「今朝は冷えるな」
「一気に寒くなったよ」
遮蔽柵から暖炉を見るプニプニ勇者の周りに冒険者たちが集まっていた。
「勇者様、ご飯ですよ」
従者の声で冒険者たちは左右に動き、勇者が通る道が出来上がる。
「ごっはん」
これを“勇者ロード発現”という。
【宝物置き場】
「落とし物ですか?」
「布で覆った拳ほどのものだ」
「勇者様の宝物置き場かな?」
尋ねられた従者は戦士をある場所へ案内した。
「勇者様が拾ったドングリや枝や石を集めてる所です」
「お、あった」
「みちゅけた」
そしてプニプニ勇者本人は集めた事すら覚えていないのだった。
【他人のトイレ報告】
「とーれ」
プニプニ勇者が告げる。
「勇者様、トイレはさっき行きましたよ?」
「とーれ」
「トイレに行った報告ですか?」
「ちゅんまいっちー」
(まさか!)
戻ってきた新米剣士に勇者がくっつくのを見て従者は気付く。
「とーれ」
勇者が他人のトイレまで報告しだした事に。
【忍 課題】
「プニプニ殿、この中から緑流刀を見つける也」
「みちゅける」
忍の課題をプニプニ勇者は受けた。
「お?う?」
勇者は一つ一つ持って確かめ、そして一つを掲げる。
「りょーりゅーとー!」
「良い枝也」
緑流刀は勇者のお気に入りの枝の名前で、時々新しい枝に取り換えるのだ。
【布団遊び】
「勇者様、出てきて下さい」
「やーの」
従者と布団の中のプニプニ勇者が戦士の目に留まる。
「勇者はまだ眠いのか?」
「遊んでいるだけです。呼べば出てきますよ」
試しに戦士は呼んでみた。
「勇者ー」
「ゆうちゃ!」
(楽しそうだな)
布団から楽し気に顔を出す勇者だった。
【パン職人 サツマイモのパン】
「これが頼んでいたものですね」
出されたものを従者は受け取った。
「とても良いですね」
「ぱん!」
待ちきれなくてプニプニ勇者が飛び付く。
「これは勇者様が採ったサツマイモで使ったパンですよ」
「おーも!」
「食べやすいように餡に加工してある」
パン職人の新作である。
【魔学者 不思議そう】
「勇者様がまた不思議そうな顔をしています」
「お?」
魔学者は鼻をムギュッとされない距離でプニプニ勇者を観察する。
「従者くん、勇者様はどんな時に不思議そうな顔になりますか?」
「分かりません。何もない時でもなります」
「ふむ」
色々なプニプニを観察中の魔学者である。
【手引書 竜の彫刻】
「るー!」
竜の彫像の周りをプニプニ勇者はピョンピョンした。
「知り合いの古竜さんにそっくりです」
従者が説明すると操印士は手引書を開く。
「塔に初めて訪れた竜だと書かれています」
「今度遊びに行った時に聞いてみます」
「るー!」
竜の洞窟は知り合いの家感覚である。
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