2024年10月弐分 ドングリ集め
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
宿屋の夫妻 :宿屋兼食堂を営んでいる夫婦。
料理方 :宿屋兼食堂の料理担当。
冒険者ギルド:冒険者にクエストを紹介する組織。及びその建物。冒険者育成も行っている。
受付係 :冒険者ギルドの受付をしている手際の良い人。
遠方の依頼者:遠方から冒険者ギルドへ依頼にやってきた人たち。
【魔学者 鼻ムギュ】
「勇者様が不思議そうな顔をしていますね」
魔学者はプニプニ勇者を観察していて、時々その状態になる事に気付いた。
「もっと良く見てみます」
「あ、余り近付くと…」
「はにゃ」
突然、勇者が小さな手で魔学者の鼻を掴む。
「わッ」
鼻があったらムギュっとする。それが勇者。
【手引書 甘めの判定】
「“調べに合わせて舞う”と書いてあります」
扉の前の舞台を見て操印士は手引書を確認した。
「しかし踊りは苦手で…」
「同じくです」
「おどりゅ!」
「勇者!?」
<♪~♪♪~♪~>
「らーたーぴゃー」
プニプニ勇者の踊りに合わせ扉が動く。
「開いた!」
判定は甘めだった。
【涼しい裏庭】
「勇者、走るのネ!」
「ぴゃー!」
道化師とプニプニ勇者は裏庭を走る。
「勇者、コロコロするのヨ!」
「こよこよー!」
草の上を転がる。
「勇者、ピョンピョンするのネ!」
「ぴょんぴょん!」
ジャンプする。
(元気だなあ)
涼しくなって思いきり動き回る勇者たちだった。
【プニプニ待ち】
「勇者がいないだって!?」
遠方の依頼者たちの声が響いた。
「要件はこちらで承ります」
丁寧に応対する受付係に依頼者は言う。
「私たちはプニプニの勇者に会いに来たんだ!」
「では、少々お待ち下さい」
冒険者ギルドではプニプニ勇者待ちが発生する事がある。
「きたよー」
【ホットミルク】
「みゆく!」
プニプニ勇者は冷たい空気を纏って食堂へ戻った。
「今日はいつもと違うぞ」
料理方が温めたミルクの入ったカップを勇者と従者へ渡す。
「温かいから気を付けろ」
「あっちゃかい」
「ホッとしますね」
「おいちー」
冷たくても温かくてもミルクは美味しいのだった。
【暖炉の手伝い】
「火を入れるか」
寒い朝、宿屋の主人が暖炉へ向かうとプニプニ勇者が走ってきた。
「だんよ」
「勇者も手伝ってくれるのか?」
「おてちゅたい」
「じゃあ薪を持ってくれ」
「もちゅ」
「従者くんは勇者が火に近付き過ぎないように抱っこしててくれ」
安全を配慮される勇者だった。
【ドングリ集め】
「リスがドングリを集めてるぞ」
「冬が近いな」
冒険者たちは裏庭で動き回るリスを眺めていた。
「ろんきゅり」
「勇者がドングリを集めてるぞ」
「ポケットがいっぱいになってるな」
そしてドングリを集めるプニプニ勇者も眺めていた。
「ろんきゅり」
長閑な秋の裏庭である。
【事前の準備】
「頼んだ物は?」
「ここだ」
「遅かったな」
「厳選に時間が掛かった」
「勇者は?」
「あそこだ」
「後は狩人に任せよう」
落ち葉で遊ぶプニプニ勇者に狩人が近付く。
「勇者ちゃん、焼き芋する?」
「やきゅうも!」
事前に最高の芋を用意し、焼き芋会を待つ冒険者たちだった。
※これを投稿したのは2024年10月15日で、5年連続投稿の記念日でした。
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