2024年09月四分 同時に踊る
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
踊り子 :様々な舞を踊る冒険者。舞の種類によって効果が違う。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
料理方 :宿屋兼食堂の料理担当。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる精霊。眷属は猫。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
城兵長 :ある城を守る兵たちの長。勇者に会ったことが無い。
闇帝 :闇の力を使う統治者。暗黒騎士の主君。
【似顔絵】
「勇者を迎えに行くので似顔絵を描いてくれ」
城兵長はプニプニ勇者と面識がある兵たちに依頼した。
「頬はもっとプニプニだろ?」
「目は大きくて」
「帽子も描いた方が良いな」
城兵長は似顔絵を持参し、無事に勇者たちを見つけたのだった。
「ゆうちゃよ」
(うむ、そっくりだ)
【考古学士 古代文字】
「古代文字でこれが“勇者”よ!」
「ゆうちゃ」
考古学士は古文書の写しをプニプニ勇者、従者、魔学者に見せた。
「そしてこれが“プニプニ”」
「ぷーぷー」
「古代文字にプニプニが!?」
「…だと良いなと私は思っているの!」
考古学士の個人的な見解だった。
「夢がありますね」
【同時に踊る】
「ちゃちゃーん♪」
突然プニプニ勇者が踊り出した。
「どうした、勇者?」
「踊り子がいるのか?」
「いや、踊り子は出掛けている」
その頃、踊り子も踊っていた。
「タタターン♪」
「どうした?」
「何だか踊りたくなっちゃって」
別々の場所で同時に踊る勇者と踊り子だった。
【猫と爪】
<ゆうしゃ、きにのぼりたいのか?>
「にょぼる」
一匹の猫が木にくっついているプニプニ勇者を見つけた。
<つめをニュッとだすんだ>
「にゅ」
<もっとだ>
「にゅ」
≪勇者は猫じゃないから爪は出ないぞ≫
ニュッと爪を出したい勇者と猫に、やんわり教える猫姿の精霊だった。
【探し物ごっこ】
「お菓子の袋を落としたのネー」
「おかしゅ」
「勇者、一緒に探して欲しいのヨ」
「しゃがす」
道化師とプニプニ勇者が裏庭を探し始めた。
「甘い匂いがするのネ」
「どこー?」
探し物ごっこである。
(そこにあるー!)
そして見ているだけの冒険者たちはもどかしいのだった。
【闇帝 闇の扉】
「勇者よ、それは闇の扉。光属性のお前は入れないぞ」
闇帝は漆黒の扉にくっつくプニプニ勇者に教える。
「あっちゅー」
しかし中が気になる勇者は離れない。
「外から少し見るだけだぞ」
「まっきゅらー」
「真っ暗だな」
勇者を抱っこして闇の扉の中を見せてくれる闇帝だった。
【午後のミルク】
(どうするかな)
料理で少し余ったミルクを持って料理方は考えていた。
「勇者、ミルク飲むか?」
「みゆく」
プニプニ勇者に分けるが、まだ余っている。
「従者、ミルク飲むか?」
「頂きます」
従者に分けても、まだある。
(自分で飲むか)
三人でミルクを飲む午後だった。
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