2024年09月壱分 王のドッキリ
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
新米狩人 :冒険者になったばかりの若者。しっかり者。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
探偵 :とりあえず一話で何かを解決してくれる者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
パン職人 :街のパン屋。色々なパンを作っている。
砦長 :奥地の砦を守る者。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
家臣 :王の家来。
【パン職人 挟むパン】
「パンに切れ目を入れて肉や野菜を挟むんだ」
パン職人に説明され、従者とプニプニ勇者は試してみた。
「全部一緒に食べられるのが良いですね」
「勇者は美味しいか?」
「おいちー」
しかし勇者の口は小さくて、まだパンの部分しか食べていなかった。
「ゆっくり食べて良いからな」
【手引書 くじ】
「この壺の中にオリハルコンの鍵が入っています」
操印士は手引書の内容を伝えると鍵を取り出した。
「あー鉄の鍵でした。次は勇者が試しますか?」
「ゆうちゃ!」
プニプニ勇者もやってみる。
「木の鍵ですね。次は従者くん」
オリハルコンの鍵が出るまで交代で試す三人だった。
【探偵 勇者の歌】
「勇者は不在だが、もうすぐ帰ってくるようだね」
探偵は食堂の席に座ったまま呟いた。
「それはここにいる全員が分かっているはずだ。何故なら…」
“ゆうちゃっぴゃー♪ゆうちゃっるー♪”
「勇者の歌声がここまで聞こえているからね」
楽しく歌って帰ってくるプニプニ勇者だった。
【戻ってきた勇者】
「勇者一行が引き返してきました!」
部下の報告を受け、砦長は慌てて外へ出た。
「勇者、どうしたのですか?」
「とーれ」
「トイレ?」
「出発前に確認したんですけど急に行きたいって言いだして」
「とーれ」
「とにかくこちらへ」
トイレで戻ってきてしまうプニプニ勇者だった。
【花の種】
「勇者様、お花の種が取れましたよ」
従者は掌の上の小さな粒々をプニプニ勇者に見せた。
「おかしゅ?」
「お菓子じゃないですよ」
勇者は不思議そうな顔をする。
「これを撒くと来年もお花が咲くんですよ」
「おいちー?」
「食べ物じゃないですよ」
勇者は分かっていなかった。
【王のドッキリ】
「勇者を驚かせたいが、良い案はないか?」
王は家来に相談した。
「物陰から飛び出てみては?」
「驚かすだけでなく、喜んでもらいたい」
「面白いお面を付けるのはどうですか?」
プニプニ勇者が謁見の間に着くと、お面を付けた王が飛び出した。
「バー!」
「ぴゃー!」
成功。
【もちゃる】
「ろーけしゅ、もちゃる?」
「モチャルなのネ」
「ちゅんまいっち、もちゃる?」
「モチャルだな」
プニプニ勇者と道化師と新米剣士を見ていた新米狩人は従者に尋ねる。
「モチャルって何?」
「多分、誰にも分からないと思う」
「二人は何で答えられるんだろう?」
「雰囲気でかな」
※お読み頂き、ありがとうございます!
楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、お読み頂き、ありがとうございます!
気に入ったものがございましたら、ブックマーク、評価、いいね、感想など、少しでも反応を頂けると励みになります。
こちらはX(旧:Twitter)でほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、#プニプニ勇者 と検索してくださると嬉しいです。
次回もよろしくお願いします!