2024年08月四分 ご飯の後
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼り気味。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
闇帝 :闇の力を使う統治者。暗黒騎士の主君。
闇犬 :闇帝の飼い犬。偶にどうでもいい顔をする。
白騎士 :城に仕える二大騎士の内の片方。
警備兵 :街を警備する兵。警備犬の飼い主。
白い警備犬 :賢く性格の穏やかな警備犬。
東の城主 :東の城を守る主。
古竜 :勇者と契約をしている知と猛を備えた生命体。
【闇帝 階段下り】
「良くここまで来たぞ、勇者」
ワウ。
闇帝と闇犬は一つ目の階段の踊り場でプニプニ勇者を迎えた。
「にょぼっちゃ!」
「次はどうする?二つ目の踊り場か?おやつか?」
闇帝の質問に勇者は答える。
「おりりゅ!」
そして数段だけ下りた後、従者に抱っこしてもらう勇者だった。
【手引書 灯の色】
「灯の色により水の流れが変化するようです」
操印士は手引書と見比べる。
「どうやって色を変えるんですか?」
「かえりゅ?」
従者とプニプニ勇者が灯を調べるが仕掛けがない。
「それが謎解きなのです」
「なじょ」
「つまり手引書には書いてないんですね?」
「書いてません!」
【勇者の門】
「これは勇者の門です」
白騎士は冒険者たちを案内する。
「小さい門だな」
「勇者、通れるか?」
「できる」
プニプニ勇者は門をくぐる。
「やっぱり勇者は小さいな」
「ちーない」
その門を通れる事が既に小ささの証明だが勇者は分かっていない。
「皆さんはこちらからどうぞ」
【白い犬と裏庭の猫】
「ここで勇者は遊んでるのか」
ワン!
「わんー!」
休みの警備兵と白い警備犬が、プニプニ勇者の定宿の裏庭に遊びに来た。
ワン!
「ぴゃー!」
白い犬と遊ぶ勇者を裏庭の猫たちが注視する。
<しろくておおきなイヌがいる!>
<モフモフだ!>
白い犬は猫たちにも好評だった。
【忘れ物】
「入れ忘れた…」
従者が荷物を見て気を落とす。
「何を?」
「ぐずった勇者様が落ち着く特別なおやつです」
「おやちゅ」
「困ったな」
「こまりゅ」
「いつものおやつで何とかなるか?」
「分かりません」
「わかる」
自分の事を話しているのが分かっていないプニプニ勇者だった。
【ご飯の後】
「この者が勇者なのか!?」
「ゆうちゃ!」
東の城主はプニプニ勇者を紹介されて驚いた。
「お腹がポンポコリンなのに?」
「食後なので」
「口がアムアムしてるのに?」
「食後なので」
「口の周りを拭かれているのに?」
「食後なので」
ご飯の後はプニプニ分が増す勇者である。
【何かに納得】
「見てて下さい」
従者は魔学者に言うと、かがんで向きを変える。
「お?」
すると従者の背中に気付いたプニプニ勇者がトテトテ走り出す。
「じゅー、おんぶ!」
そして飛びついた。
「ぴゃー!」
「なるほど!こういう事ですね」
「こういう事です」
魔学者は何かに納得した。
【古竜 竜の碧冠】
≪竜の碧冠?ふむ、知らぬな≫
「古竜さんでも知りませんか…」
≪古来のものではないのだろう。まあ折角来たのだから、ゆっくりしていけ≫
「るー」
≪勇者、菓子でも食うか?≫
「おかしゅ」
相変わらず知り合いの家みたいに気軽に竜の洞窟へ遊びに行くプニプニ勇者と従者だった。
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