2024年07月四分 暗号の手紙
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
忍 :大陸にやってきた忍術を使う冒険者。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
新米狩人 :冒険者になったばかりの若者。しっかり者。
冥界の人形 :冥王からもらった人形。勇者のお気に入り。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
冒険者ギルド:冒険者にクエストを紹介する組織。及びその建物。冒険者育成も行っている。
ギルド長 :冒険者ギルドの長。
受付係 :冒険者ギルドの受付をしている手際の良い人。
【忍 里からの手紙】
「ちゅのぴ、おてまみ」
(まさか里から也!?)
プニプニ勇者に手紙を渡された忍は急いで確認する。
(いや、これはプニプニ殿の文也な)
安心した忍は手紙を見直す。
「それで何が書いてある也、プニプニ殿?」
「おてまみ」
手紙にはグニャグニャな線がいっぱい書いてあった。
【忍 暗号の手紙】
「これは暗号なのヨ」
道化師は手紙を持つ忍に伝えた。
「この荒唐無稽の線が暗号也!?」
「あんごー」
プニプニ勇者が書いた手紙にはグニャグニャの線が書かれ、勇者がピョンピョン飛び跳ねる。
「何が書いてあるのネ、勇者?」
「ちゅのぴ」
どうやら忍の似顔絵だったらしい。
【冥界の人形 夜の散歩】
≪散歩に行くか≫
冥界の人形は日課である夜の散歩をしようと動き出す。
「ぬんぎょ」
するとプニプニ勇者が起き出して冥界の人形をギュッと掴んだ。
≪勇者、お前は寝てろ?≫
「おしゃんぽ」
しかし勇者は出掛けるつもりだ。
≪えーと…≫
今日の散歩は止めておくことにした。
【箱から箱へ】
「勇者様、この箱は片付けるので入らないで下さいね」
「はっこ」
従者の言葉にプニプニ勇者は返事をしたが、もちろん分かっていない。
「はっこ、はっこ」
箱に入りご満悦だ。
「勇者様、移動しますよ」
「お?」
そんな時は、片付ける箱から勇者専用の箱へ移される勇者だった。
【裸足】
「ぺたたー!」
プニプニ勇者は裸足で走り回っていた。
「勇者様、新しい靴下ですよ」
従者が雨で濡れた靴下の代わりを持ってきたが、勇者は逃げ回る。
「勇者様、足が汚れちゃいますよー」
「ぺたたー!」
「勇者様、足を拭きましょうー」
「ぺたた!」
裸足が面白い勇者だった。
【ドアの隙間】
「おい、ドアが開いたぞ」
「誰かが見てる」
冒険者たちが開いたドアの隙間に注目するとプニプニの頬っぺたが見えた。
(あ、勇者だ)
(気になって覗いてるのか?)
「おーおー」
(いや、ドアを開けて入ろうとしてる)
「ゆうちゃ、きたよー」
結局、入ってきてしまう勇者だった。
【ギルド長 優先順位】
「書類の確認はどうです?」
「まだだ」
様子を見にきた受付係にギルド長は答えた。
「それは勇者を抱っこしているからでは?」
プニプニ勇者は机の上をペタペタしている。
「こえ?」
「これは印をペタンと付ける物だ」
「ぺたん」
書類より勇者の世話を優先するギルド長だった。
【自習中】
「従者くん、何で勇者はずっとギュッとしてるの?」
不思議に思った新米狩人が聞く。
「座学の準備を見て、お留守番させられると思ったみたい」
「勇者、今日はここで自習するから一緒だよ」
「いっちょ」
自習中、従者たちの周りをプニプニ勇者は嬉しそうにチョロチョロしていた。
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