2024年07月弐分 泥の魔物
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる。眷属は猫。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
千里眼と主 :勇者の動向を探る二人。遠地にいる。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
海の精霊 :海に住む巨大な海月の姿をしている精霊。
【千里眼 スイカ】
「勇者は何をしている?」
「スイカを食べています」
主の問いに千里眼はすぐに答え、感知共有するとプニプニ勇者の姿が現れた。
『あぐあぐ』
「もうそんな時期か」
『あぐあぐ』
「スイカが食べたくないか?」
「食べたいです」
勇者が食べているものに影響されやすい二人だった。
【泥の魔物】
「泥の中から魔物が現れたぞ!」
冒険者たちは身構えた!
「どよどよ!」
プニプニ勇者は喜んだ!
「勇者様、あれは泥遊びじゃないんですよ?」
「どよんこ!」
勇者はよく分かっていない!
「泥遊びはご飯の後にしましょうね?」
「ごっはん!」
勇者はやはり分かっていない!
【裏庭の蝶】
「ひりゃひりゃー」
プニプニ勇者が蝶を追いかけていると猫が現れた。
<ゆうしゃ、ちょうをとりたいのか?>
猫はヒョイと蝶を咥える。
「ひりゃ…」
≪勇者は遊んでいただけだから放してやれ≫
猫姿の精霊に言われ、猫は蝶を放した。
「ひりゃひりゃ!」
難を逃れた蝶だった。
【説得力】
「あぐあぐ」
プニプニ勇者が頬いっぱいにスイカを入れていた。
「勇者、もっとゆっくり食べろ?」
新米剣士が声を掛けたが、周りの冒険者たちは思った。
(説得力がない!)
何故なら新米剣士も両頬にスイカがいっぱい入っていたからだ。
(二人とも頬袋の膨らんだリスみたい)
【王の報酬】
「勇者、何が欲しい?」
「ちゅいか」
王の問いにプニプニ勇者が元気に答えると従者が止めた。
「スイカは冒険者さんたちがたくさん買ってきてくれるので…」
「ちゅいか」
「では別の食べ物にしよう」
「どんな食べ物が良いでしょう?」
「ちゅいか」
食べ物は変わらないのだった。
【眠そうな顔】
「勇者ちゃん、眠そうな顔だね?」
「あじゃにゃ」
狩人はぼんやりしているプニプニ勇者に話し掛けた。
「起きたばかりかな?」
「うちゃら」
「お昼寝していたの?」
「ちゅんま」
「うんうん」
寝ぼけていてちんぷんかんぷんな返事だが、それでも勇者との会話を楽しむ狩人だった。
【スイカのジュース】
「大量にあるな、スイカ」
「ありますね」
料理方と従者が食糧庫を見て考えていると、プニプニ勇者がやってきた。
「じゅー、じゅーちゅ」
「ジュースか」
「それならたくさんスイカを使いますね」
そしてメニューにスイカのジュースが誕生したのだった。
「じゅーちゅ、おいちー」
【海のお土産】
「勇者様、この貝はどうしたんですか?」
プニプニ勇者が持っている貝殻を見て従者は尋ねた。
「ぷっかー」
「冒険者さんから貰ったんですか?」
「ぷっかー」
≪勇者、海のお土産だよー≫
「おみゃーけ」
裏庭にある精霊界の境目から遊びに来ていた海の精霊から貰ったものである。
※お読み頂き、ありがとうございます!
■あとがき
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