2024年06月参分 歩いて寝る
X（旧：Twitter）で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者：二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 ：勇者のお世話係。
戦士 ：勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
狩人 ：勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
射手 ：凍撃の矢と恐れられている冒険者。勇者大好き。
探偵 ：とりあえず一話で何かを解決してくれる者。
操印士 ：あらゆる印を操る術者。手引書に頼り気味。。
冒険者たち ：冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 ：勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
宿屋の夫妻 ：勇者の定宿を営んでいる夫婦。
裏庭 ：宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 ：宿屋の裏庭で勇者を守護してる。眷属は猫。
猫たち ：裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
警護隊 ：貴人や宝物を守る専門家。
レアアイテム博物館：貴重なアイテムを展示する博物館。
案内者 ：レアアイテム博物館の職員。
【警護の士気】
「勇者には宝をギュッとする役目をお願いしたいです」
「それで守れるのか？」
「守れませんが警護の士気が上がります」
警護隊長は了承した。
「勇者様、ギュッとしてて下さいって」
「できる限りで良いですよ」
今回のプニプニ勇者のクエストは宝をギュッとする事だ。
「ぎゅー」
【説明は後】
「二人ともビショビショじゃない？」
「みよみよ」
宿屋のおかみの前にずぶ濡れのプニプニ勇者と従者がいた。
「勇者様が水のクリスタルで水遊びをしようとしたら…」
「みるるー」
「説明は後で良いから着替えないと」
すぐに替えの服と拭く為の布を持ってきてくれるおかみだった。
【手引書 一度きり】
「この方法は一回行えば、しばらく使えません」
「一度きりですね」
従者と操印士は確認してプニプニ勇者に伝える。
「勇者様、おやつを食べましょう」
「おやちゅ」
「ここで食べて下さいねー」
「あぐあぐ」
「今です！」
勇者が一ヵ所でジッとしていないと解けない仕掛けだった。
【跳躍力】
「じゅー！」
「勇者様は元気ですね」
「ちぇんちー！」
「今日は元気だな、勇者」
「かりゅーりょー！」
「勇者ちゃん、元気いっぱいだね」
皆に飛びつくプニプニ勇者を見て射手は気付いた。
（今日はいつもより跳躍力が増している！？）
楽しいとジャンプが高くなる勇者である。
【探偵 勇者の顔】
「勇者の満足顔を見れば分かるよ」
入ってきた探偵はプニプニ勇者を見て明言する。
「最初から疑ってはいないけどね」
笑みを浮かべて席に着く。
「では勇者と同じものを頼むよ」
探偵の前にお菓子が運ばれた。
「やはり美味しい」
「おいちー」
今日のおやつも美味しかった。
【猫たち 保護者】
「きたよー」
＜ゆうしゃ、あそぶか？＞
「あしょぶ」
＜ゆうしゃ、ころぶなよ？＞
「ころろ、ない」
＜ゆうしゃ、くぐれないのか？＞
「なーい」
＜ゆうしゃはせわがやけるなー＞
プニプニ勇者の面倒をみる猫たちを眺めて猫姿の精霊は思った。
≪猫たちが保護者みたいになってる…≫
【考えを読む】
「これは相手の考えを読み取るアイテムです」
レアアイテム博物館の案内者は装飾された水晶を見せた。
「おやつを食べている勇者で試してみましょう」
そう言うと案内者は水晶を覗き込む。
「おやつ」
「おやちゅ」
「美味しい」
「おいちー」
「そのままですね」
「そのままです」
【歩いて寝る】
「あゆく！」
プニプニ勇者は元気に歩いた。
「勇者様、抱っこか、おんぶしますか？」
「あゆく！」
従者の申し出を断り、勇者はテクテク歩いた。
「あら、勇者ちゃん、ぐっすり寝てるわね」
「今日はいっぱい歩いたので」
「すーすー」
いっぱい歩いて、いっぱい寝る勇者だった。
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