2024年07月参分 冒険の日でなくても
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
ニワトリ :裏庭に現れた勇者の強敵。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
城の料理番 :城の食事を担っている者たち。
■ダンジョン迷子センター
ダンジョン迷子センター:迷子になった冒険者を保護してくれる有難い施設。
地脈師 :ダンジョン迷子センターのスタッフ。白い犬と共にダンジョン内を巡回している。
ダンジョンの白い犬:警備犬の兄弟犬。賢く穏やかな性格もそっくり。
【地脈師 久しぶりの太陽】
「プニプニ、外だよ」
ワン!
「ぴゃー!」
ダンジョン迷子センターの救護スタッフである地脈師と白い犬に連れられて、プニプニ勇者は地上へ戻ってきた。
「晴れてるねー」
「ぴかぴかー」
ワン!
「久しぶりに太陽を見たかも…」
ダンジョンに籠ると何日も外に出ない地脈師だった。
【外へ行く呪文】
「そっと」
プニプニ勇者は外へ行く呪文を従者に唱えた!
「晴れたら行きましょうね」
出れなかった。
「そっと」
狩人に呪文を唱えた!
「雨が止んだらね」
出れなかった。
「そっと」
戦士に呪文を唱えた!
「外、行くか?」
「戦士ー」
「あ…」
やっぱり出れなかった。
【一つ二つ三つ】
「勇者ちゃん、これが一つ」
考古学士がプニプニ勇者に人差し指を見せた。
「ひとちゅ」
指を二本にする。
「二つ」
「ふたちゅ」
次は三本。
「三つ」
「みっちゅ」
「じゃあ、これは?」
人差し指を見せて質問する。
「てって!」
数が分かっている訳ではない勇者だった。
【制限時間】
「時間が無いぞ!」
「後は上の飾りだけだ!」
「急がないと王と勇者が散歩から帰ってくる!」
「その後はおやつの時間だ!」
「スペシャルデコレーションケーキで勇者に喜んでもらうぞ!」
「けっきー!」
ケーキを見てはしゃぐプニプニ勇者を見て、城の料理番たちの願いは叶った。
【探し物】
「あれ?無いなー」
従者は冒険で使うアイテムを探していた。
「にゃいなー」
プニプニ勇者も物の下や隙間を見る。
「どこに入れたっけ?」
「どこー?」
従者と一緒に勇者もキョロキョロする。
「あった!」
「あっちゃ!」
勇者は真似をしていただけだが探し物は見つかった。
【紙の筒】
「これ何だ?」
戦士は隅にある紙を筒状にしたものを見つけた。
「これはですね」
従者がしゃがんでそれを横にすると、プニプニ勇者がやってきて反対側を覗き込む。
「もしもしー」
「もちもちー」
「聞こえますかー?」
「きゅこえりゅー」
勇者の通話ごっこ用のおもちゃだった。
【冒険の日でなくても】
「あっちゅ」
「勇者様、あっちはダンジョンですよ?」
「たんよん」
「今日は冒険しませんよ?」
「ぼーけん」
「じゃあ、ダンジョン迷子センターのスタッフさんに日頃のお礼をしに行きますか?」
「いくー」
冒険の日でなくてもダンジョンに行ってしまうプニプニ勇者と従者だった。
【ニワトリの真似】
「勇者、ニワトリと仲良くなるにはニワトリになれば良いのヨ」
「こっこ!」
「トコトコなのネ!」
「とっことっこ!」
道化師とプニプニ勇者はニワトリの歩き方を真似る。
「ココココッなのヨ!」
「こっこっこ!」
鳴き方も真似をする。
「これで仲良くなれるのネ」
「こっこ!」
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