2024年05月弐分 黄色いフワフワ
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
射手 :凍撃の矢と恐れられている冒険者。勇者大好き。
忍 :大陸にやってきた忍術を使う冒険者。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
ピヨ使い :ピヨを自在に出し操る事ができる冒険者。
ピヨたち :精霊の幼体。多数で1つの個体。
操印士 :あらゆる印を操る術者。手引書に頼って千万印の塔を攻略中。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
パン職人 :街のパン屋。色々なパンを作っている。
砦長 :奥地の砦を守る者。
【雨と冷たい】
「勇者様、外は雨がジャージャー降ってます」
「じゃーじゃー」
「冷たい雨です」
「ちべたい」
「だから中で遊びましょうね」
出たくて柵にくっつくプニプニ勇者に従者は説明する。
「そっと」
「外には行きませんよ」
しかし雨も冷たいものも好きな勇者には理解できないのだった。
【ピヨ使い 黄色いフワフワ_】
「黄色いフワフワ!?」
新米剣士の前に謎なものがあった。
「それは勇者にくっついたピヨたちだよ」
正体をピヨ使いが教える。
「何故か勇者にくっつきたがるんだ」
「プニプニだからか?」
「どうかな」
「ぴよよ」
理由は不明だがピヨたちにくっつかれるプニプニ勇者である。
【ピヨ使い ピヨの効果】
「これを一体お持ち下さい。きっと役に立つでしょう」
ピヨ使いが精霊の幼体であるピヨを渡す。
「一体では力が弱く何も出来ませんが、掌に乗せるとフワフワで心が落ち着きます」
ピヨピヨ。
「ぴよよ」
(フワフワだ)
クエストではプニプニ勇者も冒険者たちも和やかだったという。
【ピヨのパン】
「勇者、その黄色いフワフワは何だ?」
「ぴよよ」
ピヨピヨ。
パン職人はプニプニ勇者にくっついたピヨたちに関心を示す。
「精霊の幼体です」
従者に説明してもらい、一体を手に乗せ観察する。
「フワフワだな」
「ふあふあ」
「黄色いフワフワのパン…」
新しいパンの予感だ。
【手引書 リンリン】
「“用がある者は呼び鈴を鳴らせ”だそうです」
操印士は呼び鈴と手引書を見比べる。
「勇者、やってみますか?」
「やるー!」
従者に持ち上げてもらい、ペシペシ叩くと音が鳴った。
リンリンリンリン♪
「何も起こりませんね?」
回数が決まっている事に気付くのは後の事である。
【魔学者 突然の突進】
「ぴゃー!」
(ふむふむ)
魔学者は裏庭で遊ぶプニプニ勇者を観察していた。
「まーしゃー!」
「わわっ」
ドーンッ!
「大丈夫ですか!?」
勇者に飛びつかれた魔学者を従者が助け起こす。
「これが勇者様の突然の突進というものですね」
それでも観察は怠らない魔学者だった。
【最後のアイテム】
「後は最後のアイテムだけだな」
砦長はプニプニ勇者を振り返る。
「アイテムはその背負い袋に入っているのか、勇者?」
「こえ!」
「大切に持っていてくれたのか?」
「たーせつ!」
「そうか」
背負い袋をギュッとしている勇者を見ていたくて、話を引き延ばしている砦長だった。
【射手 出番】
「勇者、出掛けるから離してくれ」
「やーの」
戦士の足にくっつくプニプニ勇者は更にギュッとした。
「他に誰か…」
従者が見渡すと射手が目に入る。
(俺なら構わないぞ)
「プニプニ殿、某に掴まる也」
「ちゅのぴ!」
(あ…)
忍が先に申し出た為に、機会を逃す射手だった。
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